ついに1000Hz時代へ——AcerがComputex 2026で、リフレッシュレート1000HzのIPSや5K解像度のデュアルモード機、Delta E < 1のQD-OLEDまでを一気に投入しました。NitroとProDesignerの両シリーズで、ゲーマーからクリエイターまでをカバーするラインアップです。Wccftechが台北の会場から伝えています。
Nitroシリーズ:1000Hz IPSと5Kデュアルモードの3機種
ゲーミング向けのNitroシリーズに、3つの新モデルが追加されました。このうちNitro XV273U F5とNitro XV320QXについては、Wccftechの報道でFast IPSパネル・応答速度GtG 0.5msと明記されています。一方、Nitro XF345CKR Pはソース原文タイトルで「Ultra Wide Mini LED Monitors」として分類されており、パネル種別・応答速度の明示はありません。3機種のスペックを以下に整理します。
| 機種名 | サイズ | 主要解像度・最大リフレッシュレート | パネル |
|---|---|---|---|
| Nitro XV273U F5 | 27インチ | QHDで500Hz/HDで最大1000Hz(DFR切替) | Fast IPS(GtG 0.5ms) |
| Nitro XV320QX | 31.5インチ | 5Kで165Hz/QHDで最大330Hz | Fast IPS(GtG 0.5ms) |
| Nitro XF345CKR P | ウルトラワイド(インチ数の明示なし) | 5K@180Hz/WQHD@360Hz | Mini LED(Ultra Wide Mini LED) |
Nitro XV273U F5はAMD FreeSync PremiumとNVIDIA G-Sync compatibleの両対応。Nitro XV320QXは5K/QHD切替のデュアルモード、Nitro XF345CKR Pはソース原文タイトルで「Ultra Wide Mini LED Monitors」として紹介されている1台で、こちらもデュアルモード対応です。
1000Hzという数値は、競技性の高いFPSなどで滑らかさを追求するeスポーツ層を意識した仕様といえます。ただしXV273U F5の1000HzはあくまでHD解像度に落とした際の上限で、ネイティブの2K運用では500Hz駆動になる点に注意が必要です。
=つまりプレイヤーにとっては、「解像度を犠牲にしてフレームを取りに行く」運用が前提となるモデル群、ということになります。
ProDesignerシリーズ:Delta E < 1・240Hz — 制作とゲームを兼ねるQD-OLED
クリエイター向けのProDesignerシリーズで公開されたのはProDesigner PE320QK G0。31.5インチのUHD(4K)QD-OLEDパネルを採用し、Calman認証によりDelta E < 1の色精度を実現します。色域はDCI-P3カバー率99%、Adobe RGBカバー率99%。さらにリフレッシュレートは240Hzに到達——写真・映像制作のような色精度が求められる用途と、高リフレッシュレートが効くゲーミング、その両方に向くスペックです。
同等仕様のCE320QK Gも合わせて発表。ただしこちらはProDesignerラインアップには含まれていません。位置付けとしては、より一般ユーザー向けの兄弟モデルと読めます。
=つまりクリエイターにとっては、「制作機を1台でゲーミングまで兼ねたい」要望に応えうる候補が増えた、というのが今回の意味です。
12.3インチの“小さな相棒” PM131QT
ユニークな存在として、Acerは超小型のPM131QTも発表しました。12.3インチで解像度は1920×720p、IPSパネルに5点マルチタッチを備えます。サブディスプレイや生産性向上用のセカンドモニターを想定した製品と読めます。
=つまり据え置きの“小さな相棒”として、メイン画面の脇でツールパレットや通知を引き受ける役どころです。
購入を検討するなら何を見るべきか
今回のNitro 3機種はいずれもデュアルモードや極端な高リフレッシュレートを売りにしていますが、宣伝される最大Hzは多くの場合「解像度を落としたとき」の数値です。XV273U F5なら2Kでの500Hz、5Kデュアル機ならネイティブ5Kでのリフレッシュレートを基準に、自分のGPUで何fps出せるかを起点に検討するのが現実的でしょう。ProDesigner PE320QK G0については、Delta E < 1とDCI-P3/Adobe RGB 99%という数値が公式に出ているため、色精度を要件にするクリエイターには検討候補となります。価格・発売時期は今回の発表内容には含まれておらず、続報を待つ形です。
価格と地域別の投入時期:USD 699.99から始まる新Nitroラインアップ
Acerの公式発表およびTFTCentralの報道によって、Nitro 3機種の価格と発売スケジュールが明らかになっています。1000Hz駆動のNitro XV273U F5は北米でQ4 2026にUSD 699.99から、EMEAでも同時期にEUR 599から、中国ではひと足早くQ3 2026にRMB 4,999からの提供です。5KデュアルモードのNitro XV320QXは北米・EMEAともにQ4 2026の投入で、北米開始価格はUSD 1,099.99、EMEAではEUR 999となります。34インチのウルトラワイドMini LED機は北米でQ4 2026にUSD 899.99、EMEAでは一足遅れてQ1 2027にEUR 799からの展開です。
| 機種 | 北米開始価格 | 主要地域での投入時期 |
|---|---|---|
| Nitro XV273U F5 | USD 699.99 | 北米Q4 2026 |
| Nitro XV320QX | USD 1,099.99 | 北米・EMEA Q4 2026 |
| ウルトラワイドMini LED | USD 899.99 | 北米Q4 2026 / EMEA Q1 2027 |
5K機は本体価格自体が高めの設定で、描画性能を引き出すGPUも合わせて予算化する形になります。
ライバルの動き:LGのネイティブ1000HzとSamsungの1,040Hzデュアルモード
1000Hz級モニターの市場は、AcerだけでなくLGとSamsungも独自路線で攻めており、三社の方向性が分かれてきています。
LGはネイティブ1000Hzで差別化
LGはUltraGear 25G590Bを発表し、24.5インチIPSパネルで「世界初」を謳うネイティブ1,000Hz駆動を1080p解像度のまま実現すると説明しています。発売は2026年後半が予定されており、解像度を落とさず1000Hzへ届く点が最大の特徴です。
Samsungは1,040Hzのデュアルモードで応戦
SamsungのOdyssey G6(G60H)は27インチで、ネイティブQHD時に600Hz、1080pへ切り替えると1,040Hzに到達するデュアルモード仕様です。AMD FreeSync PremiumおよびNVIDIA G-Sync Compatibleにも対応します。1000Hz級を解像度トレードオフで取りに行くか、ネイティブ解像度を維持するかが、買い手側の判断軸として浮上しています。
Q&A
Q. Nitro XV273U F5は本当に1000Hzで使えるのですか? ネイティブの2K(QHD)解像度では500Hz駆動で、HD解像度へDFR(動的フレームレート)で切り替えた場合に最大1000Hzに到達する仕様と説明されています。常時1000Hzで使うモニターではなく、解像度とリフレッシュレートを切り替えて運用するタイプです。
Q. ProDesigner PE320QK G0とCE320QK Gの違いは? スペックはほぼ同等とされていますが、CE320QK GはProDesignerラインアップには含まれていません。ProDesignerはCalman認証など制作向け要件を満たした上位ブランドという位置付けで、CE側はより一般用途寄りと見られます。
Q. 価格や発売時期は? 今回の発表内容には価格・発売時期の情報は含まれていません。続報を追うなら、Acer公式のグローバルニュースルーム、および本記事の出典であるWccftechのComputex 2026関連カテゴリが一次・準一次情報源として有効です。展示機の正式な仕様シートや型番末尾のリージョンコードが続報で明らかになった段階で、自国向け仕様か否かを見極めるのが実用的な追い方となります。
出典
- Wccftech — Acer Showcases Multiple Gaming And Professional Monitors At Computex, Including New IPS And OLED Offerings For Enthusiasts
- The Tech Outlook — Acer Unveils New Predator and Nitro Gaming Monitors With 3D Support, 5K Resolution, and Up to 1000Hz Refresh Rate
- Tom's Hardware — LG unveils 'world's first' native 1,000 Hz refresh rate at 1080p for serious competitive gaming — UltraGear 25G590B to launch in the second half of 2026