最新機RG Rotateから旧型RG350Pまで、Anbernicが取り扱うほぼ全機種の交換パーツが単体で買えるようになりました。シェル・マザーボード・ジョイスティック・スクリーン・バッテリー・ボタン・導電性ラバーパッドの7カテゴリが対象で、これまで新品買い直しか3Dプリント自作かしかなかった選択肢に、公式ルートという第三の道が加わります。中国のレトロゲーミングハンドヘルドメーカーAnbernicが、自社製品向けの交換パーツ販売プログラムを正式に開始したと、Android Authorityが2026年6月15日に伝えています。
対象機種はほぼ全ラインナップ——RG Rotateから旧型RG350Pまで
新設された「Accessories」ページでは、最近発売されたRG Rotateから旧モデルのRG350Pまで、Anbernicが取り扱うほぼすべてのハンドヘルドの交換パーツが用意されているとされています。販売対象となるパーツの種類は幅広く、以下のとおりです。
- シェル(筐体)
- マザーボード
- ジョイスティック
- スクリーン
- バッテリー
- ボタン
- 導電性ラバーパッド
画面割れやバッテリー劣化、ジョイスティックのドリフトといった経年劣化に悩まされていたユーザーにとって、本体丸ごとの買い替え以外に修理という選択肢が公式に提供された意味は小さくありません。
ステップバイステップの修理ガイドは提供されない
一方で、購入の際には注意点もあります。Android Authorityは、ページ上に個別パーツの交換手順を解説するガイドは提供されていないと伝えています。つまり、購入者側にある程度のDIYスキルが求められる仕様です。
ハンドヘルドの分解・組み立てに不慣れなユーザーがいきなり挑戦するのはハードルが高く、サードパーティの分解動画やコミュニティ情報に頼ることになりそうです。「公式パーツが手に入る」ことと「公式に修理サポートが受けられる」ことは別である点は押さえておく必要があります。
注文時はモデル名と色の指定が必須——間違いは交換不可
注文方法にも独自の制約があります。Anbernicは購入時に機種名(モデル)と本体カラーを備考欄で指定するよう求めており、情報に誤りがあった場合の交換・返品には応じないと明言しています。さらに、色の指定が1週間以内に行われなかった場合、注文は自動的にキャンセルされるとのことです。
レトロハンドヘルドは同じ機種でも複数カラーが展開されているケースが多く、シェル交換でカラーが合わないと致命的です。発注時のセルフチェックは慎重に行う必要があります。
新品買い直しか3Dプリント自作か——非公式ルートしかなかった時代の終わり
これまでAnbernic機が故障した場合、ユーザーは新品を買い直すか、Etsyなどで有志が3Dプリントしたボタンを探すといった非公式な手段に頼るしかありませんでした。実際、Android Authorityのコメント欄では、長年にわたり紛失したボタンの代わりにEtsyでレジン製ボタンを購入してきたというユーザーの声も紹介されています。今回の公式パーツ販売により、長く使い込んだ愛機を蘇らせるルートが正式に整ったことになります。
現時点では日本市場への展開や、日本語での購入サポートに関する記載は確認できていません。ただし、Anbernicは公式ストアからグローバル発送に対応してきた実績があり、手元の故障機に再び命を吹き込みたいユーザーは、まず公式ストアのAccessoriesページで対象パーツの在庫を確認するのが妥当です。なお、個別パーツの具体的な価格については公表された情報からは確認できていません。
交換パーツの価格レンジは$3〜$236——38機種が対象に
Anbernic公式パーツストアでカバーされる機種数は38モデルにのぼり、RG40XX HやRG35XXSP、RG477V、RG556、そしてWindowsハンドヘルドのWIN600まで含まれています。RG350PからRG Rotateまで幅広い世代が対象となっており、長年使い込んだ旧型機のユーザーにも恩恵があります。
| パーツ | 参考価格 |
|---|---|
| シェル | $10〜 |
| フェイスボタン | $3 |
| 導電性ラバーパッド | $3 |
| スクリーン(WIN600) | $66 |
| マザーボード(WIN600) | $236 |
最安はフェイスボタンと導電性ラバーパッドの$3、最高額はWIN600のマザーボードで約$236となっています。ボタンやラバーパッドといった消耗度の高い小物は数ドルで揃う一方、基板交換は新品ミドルレンジ機を買えるほどの価格に達します。軽度の劣化なら公式パーツ、基板まで逝った場合は新品買い直しという棲み分けが現実的な落とし所になりそうです。
修理対応の追い風となる2026年のAnbernic新製品ラッシュ
パーツ販売開始の背景には、Anbernicが2026年に立て続けに新機種を投入し、保有ユーザー数そのものが拡大している事情もあります。
拡大する2026年のラインナップ
- RG Rotate: 2026年5月11日発売。Unisoc Tiger T618、3GB RAM、32GBストレージ、2,000mAhバッテリー、3.5インチ720×720ディスプレイを搭載しています。カラーはPolar Blackが$87.99、Aurora Silverが$107.99で展開されています。
- RG VITA/RG VITA Pro: Sony PS Vitaのフォームファクターを踏襲したワイドスクリーン機として展開されています。
- RG 2DS/RG 3DS: 1600×900のメインディスプレイと400×240のサブディスプレイを組み合わせたデュアルスクリーン設計で、開発中と噂されています。
ハイエンドからエントリーまでカバーする新製品群が立て続けに登場することで、購入直後の機体だけでなく、数年前のモデルも含めた長期保有が前提となります。ラインナップ拡張と修理エコシステム整備が同時に進むことで、買い替えサイクルを延ばしたいユーザーにとっても判断材料が揃ってきています。
Q&A
Q. どんなパーツが買えますか? シェル、マザーボード、ジョイスティック、スクリーン、バッテリー、ボタン、導電性ラバーパッドが販売対象です。Anbernicが扱うほぼ全機種に対応しているとAndroid Authorityは伝えています。
Q. 自分で修理して失敗したら本体が完全に壊れてしまうのでは? 今回のプログラムには公式の交換手順ガイドが付属していないため、分解作業のリスクは購入者側が負うかたちになります。失敗時の救済について公表された情報では明らかにされておらず、不安がある場合は、まずバッテリーやボタンといった比較的交換難度の低いパーツから試す、コミュニティの分解動画で同一機種の手順を事前に確認する、といった段階的なアプローチが現実的です。基板やスクリーンなど難度の高い部位は、経験者に依頼することも検討すべきでしょう。
Q. 注文時に気をつけることはありますか? 注文時に機種名と本体カラーを正確に指定する必要があります。情報の誤りには交換対応がなく、カラー未指定が1週間続くと注文はキャンセルされる仕様です。
出典
- Android Authority — Broken buttons? Anbernic now offers the replacement parts you need
- Notebookcheck — Anbernic's retro handhelds just became much easier to repair
- Android Authority — ANBERNIC's swiveling Android handheld is arriving sooner than you think