折りたたみ機からPixel 10aに乗り換えてマルチタスクに不満を抱えていたAndroid Authorityの記者 Shimul Sood 氏が、Android 17ベータの「App Bubbles」を試したところ印象が一変したとレビューを公開しました。最近使ったアプリ一覧をスクロールして開き直す手間がなくなり、InstagramとSlackを往復しても作業文脈が途切れない——なぜスラブ型でも折りたたみ機ユーザーが満足できたのか、その鍵が浮遊ウィンドウ機能にあります。
折りたたみ機の感覚をスラブ型で再現する浮遊アプリ群
Android 17の「App Bubbles」は、よく使うアプリを小さな浮遊ウィンドウとして画面上に常駐させ、タップ1つで瞬時に行き来できるマルチタスク機能です。Sood 氏のレビューによれば、ピン留めできるアプリ数には上限が設けられており、青天井ではないことが「画面が浮遊ウィンドウのカオスにならずに済む」と肯定的に評価されています。
同氏が Pixel 10a に設定したバブル構成として、Instagram・WhatsApp・Chrome・Slack・YouTube Music の5アプリの組み合わせが紹介されており、仕事と気晴らしのアプリを織り交ぜたこの構成は本人いわく「日常ルーティンのスナップショット」のようなものだとされています。
Galaxy Z Fold からの乗り換えで感じた不満を解消
Sood 氏は Pixel 10a の前に Samsung Galaxy Z Fold を使用しており、大画面で複数アプリを並べる体験に慣れていたとのことです。スラブ型の Pixel 10a に移った直後は、最近使ったアプリ一覧をスクロールしてアプリを開き直す動作の繰り返しに不便を感じていたと振り返っています。
App Bubblesを導入してからは、バブルをタップしてアプリに入り、別のバブルにスワイプして戻る、という流れに変わり、「作業の流れが途切れない」と表現しています。「スラブ型スマホで折りたたみ機のマルチタスクをひと切れ持ち歩いているような感覚」とも述べられており、コンパクトな小型機でも実用的な並行作業が可能になったと伝えています。
浮遊ウィンドウでも各アプリは「狭く」感じない
レビューで特に印象的な指摘は、コンパクトな浮遊ウィンドウでもアプリの使い勝手が損なわれないという点です。Instagramを開けばリールのスクロールやストーリーへの反応、メモのシェアといった操作がいつも通り行え、「レイアウトが小さくなっているのに、機能が削ぎ落とされた感じはしない」と評価されています。
5アプリの内訳としては、WhatsAppは通知ドリブンで使うアプリとして、Slackは仕事の緊急度を瞬時に判断するために、Chromeはふと湧いた疑問の検索用に、YouTube Musicは急に思い出した曲を流す用途に、と各アプリの役割が具体的に紹介されています。生産性に振り切りたいユーザーであれば、Gmail・Docs・Slackなど仕事アプリだけをバブルにする運用も可能だと示唆されています。
Pixel 10aと組み合わせる意味——ハードよりソフトの問題
レビューの結論として Sood 氏は、Pixel 10a 自体は「コンパクトで軽く、初日から付き合いやすい」端末だったと評価したうえで、不満の本質はハードではなくソフトにあったと総括しています。常に複数のタスクを並行で考える脳に、ソフトが追いついていなかっただけだという見立てです。
今回のレビューは正式リリース前のAndroid 17ベータ版に基づく評価のため、最終版での挙動や対応機種の範囲については続報を待つのが妥当です。正式版で対応機種が広がれば、これまで分割画面や最近のアプリ一覧に頼ってきたコンパクト機のマルチタスク観そのものを変える可能性があり、スラブ型Pixelで切り替え作業のストレスを感じてきたユーザーにとって、Android 17が現実的な選択肢を増やす契機になりそうです。
App Bubblesの起動・終了操作と運用上の制約
App Bubblesの基本操作は、ランチャーでアプリアイコンを長押しし、バブルオプションをタップすると、現在の画面を離れずに呼び出せる移動可能なオーバーレイとしてアプリが開く仕組みで、同時に最大5つのバブルを実行できます。不要になったら画面下部にドラッグ&ドロップして閉じる挙動です。大画面端末では運用が拡張されており、タスクバーの一部としてバブルバーが用意され、バブルの整理や画面上のアンカーポイント間での移動が可能です。
ただし操作面の課題も指摘されています。
Android 17 Beta 3でバブルを開く方法は1つだけで、ホーム画面やアプリドロワーに戻ってアプリアイコンを長押しし、バブルアイコンをタップする必要があります。既に開いているアプリを離れなければバブルを起動できないなら、通常起動と比べて手間は減っていません。
Samsungのポップアップウィンドウが通知ドラッグやEdge Panelなど複数経路で起動できるのに対し、Googleの現状実装は導線が一本化されている点が改善余地として挙げられています。
正式リリース時期と対応機種、AI機能の線引き
Android 17は2026年5月12日にThe Android Showで正式発表されました。コードネームは「Cinnamon Bun」とされ、安定版は2026年6月にリリース予定です。Beta 4は2026年4月16日にリリースされた最終予定ベータで、APIサーフェスはロック済み、安定版ロールアウト前の追加機能はありません。
対応範囲と機能差は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対応Pixel | Pixel 6からPixel 10シリーズまで |
| サードパーティ展開 | Samsung、OnePlus、Motorola、Xiaomiが安定版リリース後の数か月以内に各社ビルドを展開予定 |
| Gemini Intelligence要件 | 12GB以上のRAMとGemini Nano v3対応が必要で、8GB RAMのPixel 10aは非対応 |
App Bubbles自体はプラットフォーム機能として対応Pixel全体に届く一方、目玉のAI機能は搭載メモリで線引きされる構図となっています。
Q&A
Q. App Bubblesはどのくらいのアプリをピン留めできますか? レビューでは上限が設けられていることが示されており、Sood 氏はその制限について画面が散らかりすぎない適度な数だと評価しています。具体的な上限数の詳細は出典元を参照してください。
Q. App BubblesはPixel 10a専用の機能ですか? レビュー記事ではPixel 10aでAndroid 17ベータを使った検証が紹介されていますが、対応機種の正式な範囲は現時点では明らかにされていません。正式版の展開条件は続報を待つ必要があります。
Q. Pixel 10aのマルチタスクはApp Bubblesでどう変わりますか? 最近使ったアプリ一覧をスクロールして開き直す手間がなくなり、バブルをタップして即座にアプリに入り、別のバブルにスワイプして戻れるようになったとレビューでは報告されています。折りたたみ機からの乗り換えユーザーでも作業の流れが途切れにくくなると評価されています。
出典
- Android Authority — I hated multitasking on my Pixel — until I tried Android 17’s app bubbles
- 9to5Google — Multitasking 'Bubbles' now live in Android 17 Beta 3 update
- Android Developers Blog — The Second Beta of Android 17