オンデバイスAIの普及で、スマートフォンのRAM要件が一気に跳ね上がっています。Android AuthorityのRobert Triggs氏は、2026年に8GB RAM搭載のAndroidスマホを買うことはもはや「すでに時代遅れの選択」だと評価しています。GoogleもAppleも、最新AI機能の最低要件として12GBを掲げ始めているためだと同メディアは伝えています。
8GBではもう足りない——Gemini Nano 4が要求するRAM容量
オンデバイスAIモデルは、応答性を保つため常時RAMに読み込まれている必要があるとされます。Android Authorityによれば、Gemini Nano 4の派生モデルであるGemma 4 E2Bは4.2GB、E4Bは5.9GBのサイズに達し、Gemini Nano 3が必要としていた4GB未満から大きく増加していると報じられています。
Google公式の要件としても、Gemini Intelligenceは最低12GB RAM、加えてAI CoreとGemini Nano v3以上が必須とされています。昨年のミドルレンジや一部のハイエンドでも、8GB以下の機種はすでに最新AIツールの対象外になっていると同メディアは伝えています。
予算層向けのGemini GoはAndroid Goハンドセットに一部のAssistant機能を提供しますが、それでも2GB RAMが必要で、4GBしか積んでいない端末では厳しいのが実情だとAndroid Authorityは指摘しています。
AppleもiOS 27で12GBへ——iPhone 17 Pro系とiPhone Airのみ対応
Appleも同じ方向に動いているとされます。Apple Intelligenceは当初8GB RAMを要件としていましたが、iOS 27からはExpressive Voicesや強化版ディクテーションといったオンデバイスAI機能で12GB RAMが必要になり、Googleの要件と並んだと報じられています。
結果として、現時点でAppleの最新AI機能に対応するのはiPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro Max、iPhone Airの3機種のみとなり、iPhoneが長年保ってきた後方互換性の傾向が崩れた形だとAndroid Authorityは報じています。
12GBでも実質7GBしか残らない——快適に使うなら16GBを狙うべきとの指摘
AI機能を常駐させる前提だと、12GB RAM搭載機でもアプリやゲームに使える実質的なメモリは約7GB程度になるとAndroid Authorityは試算しています。4〜5GB級のモデルをオンデマンドで数秒で読み込むことは現実的ではないため、AIモデルは常にRAMに居座る必要があるためだと説明されています。
| RAM容量 | 2026年時点での位置づけ(Android Authorityの整理) |
|---|---|
| 8GB以下 | 最新AI機能の対象外、すでに時代遅れ |
| 12GB | 現行の最低ライン |
| 16GB以上 | 数年先まで余裕を持たせたい人向け |
Android Authorityが実施した読者投票(86票)でも、2026年のAndroidスマホに許容できるRAM最小値として「12GB」が44%で最多となり、「8GB」の28%を上回ったと報じられています。「16GB」も8%、「それ以上」が2%と、上位帯への期待がうかがえると同メディアは伝えています。
買い替えを検討するなら——$600のミドルでも$1,000超のフラッグシップでも
ミドルレンジに$600(約9万円)を出すにせよ、最先端フラッグシップに$1,000(約15万円)超を出すにせよ、今後5年以上使うつもりなら可能な限り多めのRAMを選ぶのが妥当だとAndroid Authorityは述べています。Androidの最上位帯には16GB RAM機が揃っていますが、512GB/1TBストレージ構成でのみ選べるケースもあり、価格はさらに上振れする傾向があると伝えられています。
世界的なメモリ需給逼迫で価格は記録的な高水準に達しており、RAMを多く積むこと自体が割高になっている点には注意が必要だと同メディアは指摘しています。それでもAI機能を活かしたいなら、12GB以上、できれば16GBを目安に選ぶのが、2026年以降を見据えた現実的な判断だとAndroid Authorityは結論づけています。
Galaxy S26 Ultraは16GB搭載で先行——NPU性能も39%向上
Samsungが発表したGalaxy S26シリーズでは、上位モデルのGalaxy S26 Ultraが16GB RAMを採用し、AI常駐前提の構成に踏み込んだとされています。一方でS26 Plusは12GB RAM構成にとどまり、ラインナップ全体での16GB統一は見送られたとAndroid Headlinesは報じています。
主要スペックの整理(公開情報ベース)
- S26 Ultra:16GB RAM/256GB・512GB・1TBストレージ
- S26 Plus:12GB RAM構成
- 共通SoC:Snapdragon 8 Elite Gen 5
- NPU性能:S25 Ultra比で39%向上
Samsung自身も、S26シリーズを「これまでで最もintuitiveかつproactive・adaptiveなGalaxy AI体験」を提供する製品として位置づけており、オンデバイスAIタスクの常時実行を前提にハード設計が組み直されているとされています。RAM容量とNPU強化を組み合わせることで、より重いオンデバイス処理に耐える狙いがあるとみられています。
メモリ需給逼迫の数字——BOM比率が10%台から30〜40%へ
メモリ市況の悪化はRAM増量コストに直接効いてきています。Gartnerは2026年末までにDRAMとSSDを合わせた価格が130%上昇すると予測しており、TrendForceは2026年第1四半期の8GB+256GB構成のメモリ契約価格が前年同期比で約200%急騰したと報告しています。
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| 8GB+256GB構成の契約価格 | 1Q26で前年同期比約200%上昇 |
| スマホBOM内のメモリ比率 | 従来10〜15% → 直近30〜40% |
| 2026年平均スマホ価格(IDC予測) | 過去最高の$523(前年比+14%) |
| 2026年出荷台数(IDC予測) | 11.2億台(-12.9%、過去最大の落ち込み) |
スマホ全体のBOM(部品コスト)に占めるメモリ比率は、従来の10〜15%から直近では30〜40%へと跳ね上がっているとTrendForceは指摘しています。IDCの予測では、2026年のスマートフォン平均価格は前年比14%上昇して過去最高の$523に達し、出荷台数は12.9%減の11.2億台と過去最大の落ち込みになる見通しとされています。RAM増量の値ごろ感が損なわれる構図が続いています。
Q&A
Q. すでに8GB RAMのスマホを使っていますが、すぐ買い替えるべきですか? Android Authorityによれば、最新のオンデバイスAI機能(Gemini IntelligenceやApple IntelligenceのiOS 27世代)を使いたい場合は買い替え検討の価値があるとされています。AIを使わない通常のアプリ・ゲーム用途であれば、8GBでも当面は動作するとされています。
Q. 12GB RAMを買えば数年は安心ですか? 変化のペースを踏まえると、長期利用を前提とするなら16GB以上を狙うのが無難だとAndroid Authorityは指摘しています。AIモデルのサイズは今後も拡大する可能性があるためです。
Q. なぜAI機能はそんなにRAMを消費するのですか? 4〜5GB規模のモデルをオンデマンドで読み込むと数秒では起動できず応答性が損なわれるため、モデルを常時RAMに常駐させる必要があるからだと説明されています。結果として12GB機でも実質7GB程度しかアプリ用に残らない計算になるとされます。
出典
- Android Authority — Why I’d never buy an Android phone with 8GB RAM in 2026
- Android Headlines — RAM Race: Samsung Galaxy S26 Goes to 16GB as iPhones Get Stuck
- Gartner — Surging Memory Costs Will Reduce Global PC and Smartphone Shipments in 2026