Appleが先週、App Storeに4つの大きな変更を一挙発表しました。ユーザー向けの個人最適化推薦「Personalized Collections」、開発者向けのリッチ素材「Creative Assets」とAsset Library、Mac App StoreのApple silicon専用バイナリ解禁、そして7月の年齢レーティング質問票更新です。日本のユーザーにとっては、Personalized Collectionsが当面は米国の英語環境先行となるため即時の体感変化は限定的ですが、日本の開発者にとっては夏以降の対応項目が複数並ぶ重要なアップデートです。
Personalized CollectionsとApp Notesで推薦理由が見える化
最も目に見える変化は、ユーザーの興味や行動に合わせてアプリ・ゲームを提案する「Personalized Collections」です。各推薦の横には「App Notes」と呼ばれる説明が表示され、なぜそのアプリがおすすめされているのか理由が示されます。
このコレクションはApp StoreのApps、Games、Searchの各タブに表示され、ダウンロードや利用パターンの変化に応じて内容が更新されます。Appleによると、まずは米国の英語環境で利用可能となり、その後に他の言語・地域へ順次拡大します。日本ユーザーにとっては、英語環境への切り替えで先行体験は可能なものの、正式な日本語・地域対応の時期は現時点で公表されていません。
Creative AssetsとAsset Library——素材単体で審査申請が可能に
開発者向けには、プロダクトページのヘッダーや検索結果に表示できる画像・動画素材「Creative Assets」が導入されます。従来のスクリーンショットやアプリプレビュー動画にとどまらず、季節コンテンツ・新機能・ブランドイメージなどを訴求するリッチな素材として活用できる位置づけです。カスタムプロダクトページや既存のプロダクトページ最適化テストツールとも組み合わせて利用できます。
App Store Connectには新たに「Asset Library」が用意され、すべてのクリエイティブ素材を一元管理できます。素材はアプリ内イベントやプロモーションをまたいで再アップロードなしに使い回せるほか、フルアップデートとは独立してApp Reviewへ素材単体で申請でき、期間限定キャンペーンなど時間に制約のある施策に対応しやすくなります。
さよならIntel——Mac App StoreはApple silicon専用バイナリ解禁
Mac App Storeの仕様も変わります。アプリ・ゲームのIntelサポートが不要となり、開発者はApple silicon専用バイナリで提出できるようになりました。Intel Mac向けバイナリ同梱の負担が外れ、ビルド・配布コストの軽減に直結します。
加えて、複数のIn-App Purchasesを1回のApp Review申請にまとめて提出可能となり、課金アイテム追加時の審査フローも効率化されます。
年齢レーティング質問票が7月更新——Time Allowancesと連動
App Store Connectの年齢レーティング質問票は7月に更新予定で、ソーシャルフィードを通じたユーザー生成コンテンツとのやりとりなど、ソーシャルメディア的な機能を含むかどうかを開発者が示せるようになります。
この変更は、iOS 27・iPadOS 27・macOS 27で提供予定の「Time Allowances」と連動します。Time Allowancesは保護者がエンターテインメント、ゲーム、ソーシャルメディアといったカテゴリ別に子どもの利用時間を細かく管理できる機能で、レーティング側で「ソーシャル機能を含むか」が明示されることで、よりカテゴリ別の精緻な制御につながるとの見方もあります。
日本の開発者にとっては、自社アプリがソーシャル要素を含むかどうかの整理と、Creative Assetsを活用したストア表現の見直しが、夏のリリースサイクルに向けた優先タスクとなります。
開発者向けチェックリスト
- 7月までに:年齢レーティング質問票の更新に備え、自社アプリのソーシャル機能(ユーザー生成コンテンツ、ソーシャルフィード等)の有無を整理
- 夏のリリースサイクルまでに:Creative Assets用の画像・動画素材を準備し、Asset Libraryでの一元管理を計画
- Mac版を提供する開発者:Apple silicon専用バイナリ化の可否を判断し、Intel対応継続/打ち切りの方針を決定
- 課金アイテム追加予定の開発者:複数In-App Purchasesのバンドル申請フローの活用を検討
App Store Bundles/Suites——異なる開発者同士でサブスクを束ねられる新制度
WWDC 2026では、サブスクリプション周りの構造改革も同時に発表されています。新たに導入される「App Store Bundles」と「App Store Suites」では、独立した開発者同士が手を組み、最大10本のアプリを組み合わせた割引サブスクリプションを提供できるようになっています。
従来との違い
- 従来:同一カタログ内の自社アプリ間でのみバンドル可能
- WWDC 2026以降:異なる開発者のアプリを横断してバンドル/スイート化が可能
- 併せてグループ購入やエンタープライズ向けのボリュームライセンスも追加
Appleは、BundleとSuiteの申請方法に関する詳細を今夏後半に案内するとしています。クロスデベロッパー型のバンドルが正式に解禁されることで、相補的なアプリを束ねて訴求する新しい販売モデルが登場し、単体配信では届きにくかったユーザー層へのリーチ拡大が期待されています。グループ購入やボリュームライセンスとあわせて、サブスクリプションの提供形態そのものが多層化される方向となっています。
Rosetta 2はmacOS 27が最後の汎用提供——Intel資産の整理が本格化
Apple silicon専用バイナリの解禁と並行して、Intel資産そのもののロードマップも更新されています。macOS 27 Golden GateはIntel Macに対応する最後のmacOSとなり、Rosetta 2が「汎用的なIntelアプリ実行手段」として提供されるのもこのバージョンが最後となります。
| バージョン | Intel Mac対応 | Rosetta 2の役割 |
|---|---|---|
| macOS 27 Golden Gate | 対応(最終) | 汎用ツールとして提供 |
| macOS 28以降 | 非対応 | 古い未保守ゲーム等、Intelフレームワーク依存の特定用途に限定 |
macOS 28以降はRosetta 2の機能が大幅に縮小され、保守が止まったゲームなど一部のIntel依存ソフト向けに用途が絞り込まれる方針が示されています。Mac App Storeで提供を続ける開発者にとっては、Apple silicon専用バイナリへの切り替えだけでなく、Rosetta依存ライブラリ・プラグインの棚卸しも、夏以降の検討項目として浮上しています。
Q&A
Q. Personalized Collectionsはいつから日本でも使えますか? まず米国の英語環境で提供が始まり、他の言語・地域への展開は順次となります。日本での具体的な提供時期は公表されていません。
Q. Mac App StoreがIntel非対応になると、既存のIntel Macユーザーへの影響はありますか? 今回の変更は、開発者がApple silicon専用バイナリを提出できるというものです。各アプリがIntel対応を続けるかどうかは開発者側の判断となるため、影響の有無はアプリごとに異なります。
Q. Creative Assetsはどのように申請しますか? App Store Connectの新しいAsset Libraryで素材を管理し、フルアップデートとは独立してApp Reviewへ単体申請できます。詳細な申請手順は出典元および公式ドキュメントを参照してください。
Q. Asset Libraryはいつから利用できますか? 発表時点ではApp Store Connectの新機能として案内されていますが、本記事のソースでは具体的な提供開始日は明示されていません。
Q. 年齢レーティング質問票の更新は7月のいつ実施されますか? Appleは「7月に更新される」と告知していますが、具体的な日付は本記事のソースでは明示されていません。