Appleが、刷新されたSiriをGoogle Geminiモデルを軸に構築する——WWDC 2026の基調講演はそうした見出しとともに幕を開けました。さらにこの日は、Tim Cook氏がCEOとして登壇する最後の基調講演でもありました。発表されたのはiOS 27・iPadOS 27・macOS 27(Golden Gate)・watchOS 27・visionOS 27・tvOS 27の6つのOS。約1時間半に及んだキーノートを、MacRumorsの10分ダイジェストをもとに整理します。
刷新された「Siri AI」——基盤にGoogle Geminiモデル
今回の目玉が、刷新されたSiri AIです。AppleはSiriを単なるアシスタントから独立した「Siriアプリ」へと位置づけ直し、iOS 27とmacOS Golden Gateの両方で利用可能になります。
新しいAIアーキテクチャはGoogle Geminiモデルを軸に構築されていると報じられており、さらにAppleの「Private AI」のワークロードはGoogleのサーバー上で実行されるとも伝えられています。
Siri AIは音声の表現力やテンポをユーザーがカスタマイズでき、macOS Golden GateではSpotlightからリッチなSiri会話を開始できます。ただし、新Siri AI機能は2026年後半時点ではEU圏で提供されないとされ、規制対応の影響が残ります。利用には「ウェイトリスト」への登録が必要です。
Tim Cook、CEOとして最後のフェアウェル
もう一つの大きなニュースが、Tim Cook氏がCEOとして登壇する最後の基調講演となり、自らフェアウェル(別れの言葉)を述べた点です。長年Appleを率いてきたCook氏の最終キーノートとして、今回のWWDCは記憶される一日になりました。
iOS 27・iPadOS 27——日常がどう変わるか
iOS 27 / iPadOS 27では、UI面でLiquid Glassの改良と透明度スライダーが追加され、見た目を自分好みに整えやすくなりました。AI機能の広がりも顕著で、日常の操作にAIが入り込む場面が一気に増えています。
- Visual Intelligence: カメラを向けるだけで割り勘計算や食事の栄養情報を取得でき、visionOSにも対応
- Safari: Webページの更新を自動監視して通知。AIによるタブ整理やAI生成拡張機能にも対応
- Shortcuts: 自然言語でショートカットを作成
- Photos: AIによるリフレーミングと編集ツール
- Image Playground: フォトリアリスティック生成と新編集ツール
- Passwords: 弱い・漏洩したパスワードを「Agentic AI」が自動修正
- Camera: Siriモード搭載とUI刷新
- Health: 周閉経期・閉経期トラッキングを追加
- CarPlay: 動画アプリ対応など新機能
- Calendar / Reminders: 新しいAI機能と自然言語サポート
- Wallet: 「Create a Pass」機能を追加
- Genmoji: iOS 27で全面的に刷新
- Home: AIによる動画説明とスマートな通知
ペアレンタルコントロールも強化され、「Ask to Browse」「Time Allowances」、再設計されたScreen Timeが導入されました。iOS 27の対応機種はiPhone 11以降で、iPadOS 27は一部のiPadがサポート対象外となります。
なお、iOS 27のコードからは折りたたみiPhoneを示唆するアプリのリサイズ対応や新フレームワーク文字列が見つかったと報じられており、次のハードウェアの動きを匂わせる要素として注目されています。
watchOS 27・tvOS 27と「最も強力なオンデバイスAI」の条件
watchOS 27は動的なアプリグリッド、新ジェスチャー操作、Workout Buddyのアップグレード、睡眠トラッキング改善などを盛り込みました。一方でApple Watch Series 8・Ultra 1・SE 2およびそれ以前のモデルはサポート対象外となり、互換性リストからApple Watch Series 9が誤って外れていたことも報じられています。
tvOS 27では新機能が追加された一方、Apple TVの2モデルがサポート対象から外れます。AirPodsにはカスタムEQが導入されました。
開発者向けにはXcodeとFoundation Models Frameworkの改善が発表されました。そして見逃せないのが、Appleが「最も強力なオンデバイスAI」と位置づける機能はiPhone 17 ProまたはiPhone Airが必須とされた点です。最新のオンデバイスAI体験を求めるなら、ハードウェアのアップグレードが前提になります。
また、フルレゾリューションのiCloud共有アルバムがAndroidとWindowsにも開放され、Apple外のプラットフォームとの接続も一歩進みました。
ベータは開発者向けに即日提供されており、新Siriを試したい場合はウェイトリストへの登録が必要です。EU圏のユーザーは2026年後半時点でも新Siri AI機能を利用できない見込みである点には、注意が必要です。
Q&A
Q. なぜAppleは自社モデルではなくGoogle Geminiを選んだのですか? 公式に理由は語られていません。報じられている内容としては、新しいAIアーキテクチャがGoogle Geminiモデルを軸に構築されており、Apple Private AIのワークロードもGoogleのサーバー上で実行される設計になったとされています。背景にある戦略的意図は現時点では明らかにされていません。
Q. 既存のiPhoneでも新Siri AIは使えますか? 互換iPhone・iPad・Macで利用可能とされていますが、「最も強力なオンデバイスAI」機能についてはiPhone 17 ProまたはiPhone Airが必須です。基本的な新Siri体験と、最上位のオンデバイスAI機能で必要なハードウェアが分かれている点に注意が必要です。
Q. EU圏では本当に使えないのですか? 新Siri AI機能は2026年後半時点でEU圏に提供されないとされています。提供開始時期や条件は明らかにされておらず、EUユーザーは当面、現行Siriのまま様子を見ることになります。