CPUクーラーの天面に、6.67インチの曲面AMOLEDが回転しながら載っている——DeepCoolがComputex 2026で公開した360mm AIO「SILENTNOX PRO 360」は、もはやモニターを一枚増やしたようなインパクトです。フラッグシップ空冷「Assassin V Vision」も4.5インチLCDを背負って登場し、ロープロの「AN600 VC」、ミドルレンジ「AK700 VC」と合わせて計4機種が披露されました。
曲面AMOLEDが回る——フラッグシップAIO「SILENTNOX PRO 360」
DeepCool初の「曲面ディスプレイ搭載AIO」が、SILENTNOX PRO 360です。360mmラジエーターとCPUブロックの王道構成に、6.67インチ・2K解像度のAMOLEDディスプレイを乗せました。
ポンプは第7世代を採用し、トップカバーは360度回転可能なマグネット式で、無線接続で動作します。曲面ディスプレイがケース内で自由に向きを変えられるため、サイドパネル越しに見せたいときも、上面から覗き込むレイアウトでも、表示面をユーザー側に最適化できます。アニメーション壁紙やシステムモニタリングを「常に見える角度」で運用できる体験は、フラットLCD搭載AIOにはなかった新しい楽しみ方になりそうです。
4.5インチLCD+8本ヒートパイプの空冷フラッグシップ「Assassin V Vision」
空冷側のフラッグシップが、Assassin V Visionです。大型のアルミブロックに8本のヒートパイプを通し、フィンへ熱を連続的に逃がす構造を採用しました。冷却ファンは140mmの大口径で、メモリスロットに干渉しないフルRAMクリアランスを確保しているとされています。
トップには4.5インチのIPSディスプレイを搭載し、解像度は854×480。任意のコンテンツを表示できるカスタマイズ性が用意されています。「空冷の上限を狙う」Assassinシリーズに、見せるPC需要を満たすディスプレイギミックを足してきた格好です。
静音・小型・ミニマルを担う実力派——「AN600 VC」と「AK700 VC」
派手な2機種に並ぶ実用機として注目したいのが、AN600 VCとAK700 VCです。どちらもRGBやディスプレイを盛らず、冷却の本質で勝負する構成になっています。
- AN600 VC: ベイパーチャンバーをベースに採用したロープロファイル空冷。120mmの薄型ファンを組み合わせ、RAMクリアランスを確保しつつ小さなフットプリントで素早い放熱を狙います。マーケティング資料では、動作音は27.2 dBA以下の超静音とされています。
- AK700 VC: シングルタワー構成のミドルレンジ。厚みのあるアルミヒートシンクに7本のヒートパイプを組み合わせ、トップカバーはシンプルです。RGBやディスプレイを排したミニマル志向のビルド向けで、こちらもフルRAMクリアランスを謳います。
ITX系の小型ケースにはAN600 VCが、光らせない・見せないシンプル構成にはAK700 VCが、それぞれフィットする性格付けです。
話題性と実利の同時押し——DeepCoolの二極戦略
今回披露された4機種を並べると、DeepCoolが「ディスプレイ搭載でアピールするフラッグシップ」と「実用性重視のミドル・ロープロ」の二極を同じシーズンに当てているのがよく分かります。Assassin V VisionとSILENTNOX PRO 360で話題性を取りに行き、AN600 VC・AK700 VCで実利用層を取りこぼさない構成です。
価格・発売時期や日本市場への投入有無は現時点で公表されていません。曲面AMOLED搭載AIOやLCD付き空冷は競合各社からも増えており、購入を検討するならディスプレイの実用性とポンプ・ファンの静音性をレビューで見極めるのがポイントになりそうです。
競合Lian Liも同サイズ6.67型曲面OLEDを投入——AIO「見せる化」の最前線
曲面ディスプレイ搭載AIOはDeepCool独走ではなく、Lian Liも同じ土俵に乗り込んでいます。CES 2026で発表されたHydroShift II LCD CURVED 360は、同じ6.67インチクラスの曲面OLEDを採用し、SILENTNOX PRO 360の有力な比較対象になります。
| 項目 | Lian Li HydroShift II 360P OLED Curved |
|---|---|
| ディスプレイ | 6.67インチ曲面OLED |
| 解像度 | 2288×1048 |
| 輝度 | 最大500nit |
| 可動機構 | モーター式デュアルアクシス(上下移動+最大45度チルト) |
| 制御ソフト | L-Connect 3 |
| 価格 | MSRP 339.99ドル(シリーズは279.99ドルから) |
| 発売 | 2026年Q2初頭 |
DeepCool側は360度マグネット回転式、Lian Li側はモーター駆動のチルトと、ディスプレイの「見せ方」のアプローチが異なる点が両機種の個性として際立っています。
DeepCoolはCPU冷却以外も総力展示——3200W PSU・ワイヤレスファン・7型液晶ケース
Computex 2026のDeepCoolブースは冷却4機種だけでなく、PCビルド全体を覆う新製品で構成されていました。台北・南港展覧館Hall 1で6月2日から5日まで展開されたブースでは、次のような周辺領域の発表もあわせて披露されています。
- 3200W 80 Plus Titanium PSU: 12V-2x6コネクタを4基備え、それぞれ600W供給に対応。自宅でAI推論マシンを構築するプロユーザー層を明確にターゲットにしています。
- ワイヤレスファン接続技術: 隣接するシャーシファン同士が内部のポイントコンタクトピンでデータと電力を共有する設計で、個別のPWM・RGB配線ブロックを排除し配線量を大幅に削減します。
- CH690 LCDケース: 7インチIPSディスプレイと4基のARGBファンをプリインストールしたパノラマケースで、ディスプレイ拡張路線を本体側にも広げています。
冷却単体ではなく、電源・配線・筐体まで含めて「次世代ビルド」を提案してきている格好です。
Q&A
Q. SILENTNOX PRO 360のディスプレイのサイズと解像度は? 6.67インチの2K AMOLEDディスプレイで、曲面形状を採用しています。トップカバーは360度回転式のマグネット構造で、無線接続で動作します。
Q. Assassin V Visionの空冷性能の要となるスペックは? 8本のヒートパイプを通した大型アルミブロックに、140mmファンを組み合わせた構成です。トップには4.5インチ・854×480のIPSディスプレイを搭載しつつ、メモリスロットへの干渉を避けるフルRAMクリアランスも確保しているとされています。
Q. 発売日や価格はいつ公開されますか? 現時点では発売日・価格・日本市場での販売有無は公表されていません。続報はDeepCool公式サイトおよびComputex 2026の各社レポートで順次明らかになる見込みのため、発売時期や対応モデルを正確に追いたい場合は公式発表をウォッチしておくのがおすすめです。
出典
- Wccftech — DeepCool Showcases Curved Screen AIO And Flagship Assassin V Vision Air Cooler With Dedicated Display
- XiaomiToday — LIAN LI Launches HydroShift II OLED Curved 360 AIO Cooler With 6.67-Inch Motorized Curved Display
- TechPowerUp — DeepCool GamerStorm at Computex 2026: 3200W Titanium PSU, CL600 Roomy Tower with Wood Trim