Intel Macは完全に置き去り、そしてRosetta 2には「2027年秋」という明確なカウントダウンが刻まれました。次期Macソフトウェア「macOS 27」では、M1以降のApple Silicon搭載Macが必須となり、Rosetta 2依存アプリは2027年秋までに対応版へ更新されなければ動作しなくなるとされています。Intel iMacや古いプロアプリを業務で使い続けているなら、移行計画を要するニュースです。
WWDC 2026の基調講演を前に、MacRumorsがまとめた事前情報をもとに、押さえておきたい5つのポイントを整理します。
① Intel Mac対応が完全終了、Rosetta 2にも「2027年秋」のタイムリミット
最もインパクトが大きいのはハードウェア・移行まわりです。macOS 27ではIntel Macのサポートが完全に打ち切られるとされています。現行のmacOS TahoeがIntel Mac向けの最後のバージョンとなり、macOS 27ではM1以降のApple Silicon搭載Macが必須になる見込みです。AppleはIntel搭載Macの新規販売を2023年に終えており、ハード面・ソフト面ともにIntel時代に一区切りが付く格好です。
Rosetta 2にも明確な期限が示されたと伝えられています。macOS 27ではRosetta 2が引き続き利用できるが、macOS 28では提供されないとされ、Rosetta 2に依存するアプリは2027年秋までにApple Silicon対応版へ更新されなければ動作しなくなるとされています。古いプロアプリ・周辺機器ドライバ・社内ツールを抱えている環境では、対応バージョンの提供状況を早めに洗い出しておくべき局面です。
② SiriがMacで「使う機能」へ——新UIと専用アプリ化の可能性
「Macではほぼ使わない機能」だったSiriが、macOS 27をきっかけに常用ツールへ変わるかもしれません。iOSで進化が報じられている新しいSiriは、Macにも同時に降りてくる見込みとされています。macOS 27ではSiri向けの新インターフェースが計画され、Mac向けの専用Siriアプリが提供される可能性も指摘されています。
iPhone側ではSiriがDynamic Islandに統合されると報じられており、ダークなインターフェースがWWDCのグラフィックスから示唆されているとされています。Mac版もiOS側に近いデザインになる可能性が高そうですが、Macのノッチ部分にDynamic Island的な要素が持ち込まれるかは現時点では明らかにされていません。後述するShortcuts自動生成との組み合わせで、「思いついた操作をその場で口頭から自動化に落とし込む」体験につながるかが見どころです。
③ AI機能でPhotos・Shortcuts・Writing Toolsの日常作業を時短
iOS 27向けに報じられているAI機能の多くは、macOS 27にも展開される見通しです。Macユーザーの作業時短に直結しそうな主な強化点は次の通りです。
- Photos: 写真の枠の外まで生成する「Extend」と、撮影後にパース(視点)を変えられる「Reframe」が追加されると報じられています。自然言語で写真編集を指示できるツールも開発中とされますが、macOS 27の出荷時点では間に合わない可能性があると伝えられています。
- Image Playground: より写実的な画像を生成する新モデルがテスト中で、アプリ側のUI調整も入る可能性があります。
- 壁紙生成: iOS 27ではImage Playgroundを用いた壁紙生成機能が計画されており、macOS 27にも降りてくる可能性があるとされています。
- Shortcuts: 「こういう動きをするショートカットが欲しい」と自然言語でSiriに伝えると、AIが自動でショートカットを生成してアプリに追加してくれる仕組みが追加されると報じられています。これまで敷居が高かった自動化が、口頭ベースで一気に身近になる可能性があります。
- Writing Tools: スペルチェックに加えて文法チェックが追加され、書き換え・文章生成の機能も拡張されると伝えられています。長文メールや資料作成での見直し工程の短縮が期待できます。
- Safari: 開いているタブをグループへ自動整理する機能が追加される見通しで、調査作業でタブが膨れ上がりがちなユーザーにはリサーチ効率の改善につながりそうです。
④ 「Snow Leopard型アップデート」で日常の動作がキビキビするか
派手な新機能と並行して、macOS 27ではバグ修正とパフォーマンス改善が大きなテーマになると見られています。BloombergのMark Gurman氏は、AppleがiOS 27・macOS 27で「Snow Leopard型のアップデート」に取り組んでいると報じています。
Appleが内部品質とパフォーマンスの底上げを狙っているとされており、新機能の派手さよりも、起動・ウィンドウ操作・アプリ切り替えといった日常動作の体感速度がどこまで磨き込まれるかが焦点になりそうです。なお、タッチスクリーン搭載のOLED MacBook ProはmacOS 27のリリースサイクル中に登場する可能性があるとされ、その登場時期は早くても2026年末、より現実的には2027年と見込まれています。コード内にタッチ操作向けの調整が忍ばせてある可能性があり、リサーチャーの調査が注目されます。
⑤ Liquid Glassは残留、「わずかな再設計」で日常操作の見やすさを微調整
macOS TahoeでMacに導入されたLiquid Glassデザインは、macOS 27でも引き続き採用される見通しとされています。「Liquid Glassをやめてほしい」という声は一定数あるようですが、Appleが廃止に踏み切る兆候はなく、代わりに「わずかな再設計(slight redesign)」を計画していると報じられています。
Liquid Glassの透過や影の表現は、iPhoneほどMacに馴染んでいないとの指摘があり、ここを中心に微調整が入る可能性があります。Tahoe以前のデザインに戻る話ではなく、ウィンドウ重なり時の視認性やメニューバーの読み取りやすさなど、日常操作で目に入る部分の仕上げ直しに近い位置付けと読めます。
なお、macOS 27の正式名称は現時点では明らかにされていません。AppleはMacソフトウェアにカリフォルニアの地名を用いており、X上でAppleが共有した「Project Big Bear」というhashmojiファイル名からmacOS Big Bearが候補として挙げられているほか、Snow Leopard型アップデートになる場合はTahoe湖近くの入江名にちなんだmacOS Emeraldが選ばれる可能性も指摘されています。
現時点ではWWDC直前のリーク・観測情報が中心であり、最終的な内容は基調講演で固まります。なお、macOS 27は6月8日のWWDC基調講演後に開発者向けに提供され、7月にパブリックベータが続き、秋に正式リリースが予定されているとされています。Intel Macを業務で使い続けているユーザーや、Rosetta 2依存アプリを抱えている環境では、今のうちに移行計画を立てておきたいところです。新機能の評価は、WWDCの正式発表とパブリックベータでの実際の挙動を確認してから判断するのが妥当でしょう。
SiriにChatGPT・Gemini・Claudeを差し替えできる「Extensions」枠組み
Bloomberg報道によると、iOS 27・iPadOS 27・macOS 27ではSiriに「Extensions」と呼ばれる新フレームワークが導入される見込みです。設定内の「Apple Intelligence and Siri」セクションから、用途ごとに好みのAIプロバイダーを振り分けられる可能性が指摘されています。
- 研究・情報収集にはGoogle Gemini
- コーディング支援にはAnthropic Claude
- 創作・文章生成にはChatGPT
加えてAppleは、Siriの中核機能の一部でGoogleと共同開発したカスタムAIモデルを採用する方針が報じられており、Geminiチームとの協業が一段深まる構図です。専用Siriアプリはテキスト・音声の両モードでの対話に対応し、新しい「Ask Siri」機能と刷新されたビジュアルデザインも組み合わされるとされています。
Rosetta 2終了の実務影響——警告ポップアップと1万8,800本超のIntelアプリ
開発者・ユーザー双方の準備期間を考慮し、macOS Tahoe 26.4ではRosetta 2依存アプリの起動時に警告ポップアップが表示される仕組みが導入されています。コミュニティ管理のデータベースでは、Apple Silicon向けに再コンパイルされていないIntel専用Macアプリが1万8,800本以上カウントされており、レガシー業務ソフトから専門オーディオプラグインまで広範囲に影響が及ぶとされています。
自分の環境でどのアプリが影響を受けるかは、以下の手順で洗い出せます。
- 「このMacについて」→「詳細情報」→「システムレポート」を開く
- 「ソフトウェア」配下の「アプリケーション」を選択
- 各アプリの種類欄でIntel依存の項目を確認
なおAppleは、Intelフレームワークに依存する古い未保守のゲームタイトル向けに、限定的なRosetta機能を残す方針も示しているとされています。
Q&A
Q. Intel iMac ProやMac Pro(Intel版)はmacOS 27の対象になりますか? 対象外と見込まれています。macOS 27はM1以降のApple Silicon搭載Macが必須とされており、現行のmacOS TahoeがIntel Mac全般にとって最後の対応バージョンとなる見通しです。iMac ProやIntel版Mac ProもIntelチップ搭載モデルである以上、同様にアップグレード不可と読むのが妥当です。
Q. Rosetta 2依存アプリは具体的にいつまで使えますか? macOS 27ではRosetta 2が引き続き利用できるとされていますが、macOS 28では提供されないと報じられています。Rosetta 2に依存するアプリは2027年秋までにApple Silicon対応版へ更新されなければ動作しなくなるとされており、利用中のアプリの対応状況は早めに開発元へ確認しておくのが安全です。
Q. macOS 27の正式名称はいつ判明しますか? 現時点では明らかにされていません。Apple公式の発表は6月8日のWWDC基調講演を待つ必要があります。前述の通り、Appleが共有した「Project Big Bear」のhashmojiファイル名からmacOS Big Bearが候補として挙げられているほか、Snow Leopard型アップデートになるならTahoe湖近くの入江名にちなんだmacOS Emeraldが選ばれる可能性も指摘されています。