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Metaがスマートグラス用アプリから顔認識コードを密かに削除——Wiredが発見した翌日に対応

GadgetDrop 編集部5
Metaがスマートグラス用アプリから顔認識コードを密かに削除——Wiredが発見した翌日に対応

Ray-BanやOakleyブランドのMetaスマートグラスを装着した人とすれ違うだけで、自分の顔データが生体識別子に変換され、端末内に保存される——そんな状態が現実に「出荷」されていたことをWiredが突き止めたと報じられています。Metaはこの顔認識アルゴリズムとみられる休眠コードを、Wiredによる発見の翌日に丸ごと削除しました。社内で「Name Tag」と呼ばれていたこの機能を巡り、プライバシー上の懸念が改めて浮上しています。

休眠状態でも“出荷”された「Name Tag」コードの中身

Wiredは、Metaスマートグラスの中核機能を担うMeta AIアプリのコードを精査する過程で、顔認識アルゴリズムとみられる休眠コードを2026年6月4日に発見したと報じられています。同アプリはユーザーのスマートフォンとスマートグラスをBluetoothで接続するために必要なものですが、装着中にすれ違うすべての人の顔データを取得できる状態にあったと伝えられています。

つまり、Ray-BanやOakleyブランドのMetaスマートグラスを着けた人とカフェや路上ですれ違っただけで、こちらの顔写真がその人の端末に生体識別子として保存され、次に会ったときに自動照合される——そんな仕組みが、ユーザーが気づかないところで出荷段階のアプリに同梱されていたことになります。

このコードには、顔写真を生体識別子に変換して端末内に保存し、新たな顔スキャンと照合する仕組みが含まれていました。社内では「Name Tag」という名称で呼ばれていたとされ、2026年2月にThe New York Timesが報じた「Metaがスマートグラスに顔認識機能を導入しようとしている」という内容と同じ取り組みの成果である可能性が指摘されています。

報道翌日にコードを削除——Metaの説明

Wiredが該当コードを発見した翌日の2026年6月5日、Metaは問題のコードを完全に取り除くアップデートを配信したと報じられています。Metaのコミュニケーション担当バイスプレジデントAndy Stone氏はWiredへの声明で、この機能はあくまでパイロット的な取り組みであり、同社は「ここで何をするか、あるいは何もしないかについて最終決定を下していない」と述べたと伝えられています。

ただし、休眠状態とはいえ、このコードを書き、レビューし、実環境に出荷したのは現役のMetaエンジニアです。起動されなかったことが端末所有者やその周囲の人々にとって安心材料になるとは限らない、とWiredは指摘しています。コードの削除とPR声明が迅速に行われたこと自体、Metaがこの種の侵襲的機能について綱渡りを強いられていることを示唆していると報じられています。

想定されていた用途

このツールは、以前会ったことのある人物をユーザーが思い出しやすくする手段として設計された可能性が示唆されています。便利な機能である一方、顔のデータを顔面装着型カメラに取り込まれるよりも「名前を忘れてしまった」と素直に認められる方が大半の人にとって望ましい解決策だろう、との見方が示されています。

盗撮・労働問題まで——スマートグラスを取り巻く逆風

MetaのスマートグラスはLuxottica傘下のRay-BanやOakleyとの提携で製造されていますが、すでに各方面で懸念が広がっています。マノスフィア寄りのSNSインフルエンサーが女性を盗撮・嫌がらせに利用している事例が報告されているほか、2025年12月にはニューヨーク市の地下鉄で男性のMetaグラスを破壊したとされる女性が告発される事件も起きたと報じられています。

さらに2026年3月には、スウェーデンの新聞による調査でケニアの労働者がMetaスマートグラスの映像(性的な親密行為や入浴シーンを含み、所有者の認識なく撮影されたとみられる映像)をレビューしていたことが明らかになり、Metaはクラスアクション訴訟を提起されたと報じられています。今回の顔認識コード削除も、こうした「装着者の周囲の人々を巻き込むプライバシーリスク」への警戒感が高まる中で起きた出来事であり、単発の不祥事ではなく一連の流れの中に位置づけられます。

「完全撤回」ではない——再登場の余地は残る

外部による発見の翌日にコードが削除されたという経緯を踏まえると、現時点でMetaが顔認識機能を完全に断念したと判断するのは早計です。Stone氏自身が「何もしないかどうかも含めて最終決定はしていない」と述べていることから、形を変えて再登場する可能性は残されています。スマートグラスの購入や利用を検討する際は、続報を慎重に追いつつ、自身と周囲の人々のプライバシー保護の観点で判断するのが妥当です。

Q&A

Q. Ray-BanやOakleyブランドのMetaグラスを着けた人とすれ違うと、自分の顔データが取られていたのですか? Wiredによれば、該当コードは休眠状態で実際には起動されていなかったとされています。ただし、起動されれば装着者がすれ違った人の顔データを生体識別子として端末内に保存し、再会時に照合する仕組みが含まれていたと報じられており、技術的にはそうした動作が可能な状態で出荷されていた点が問題視されています。なお該当コードは2026年6月5日のアップデートで削除されたと報じられています。

Q. Metaはこの機能を完全に廃止すると明言しましたか? 明言していません。Andy Stone氏はWiredへの声明で、これはパイロット的な取り組みであり「何をするか、あるいは何もしないかについて最終決定を下していない」と述べたと伝えられています。

出典

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GadgetDrop 編集部

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