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Motorola Razr Fold 7日間レビュー:スペック表に載らない「マルチタスク誘導UI」が他の折りたたみを上回ると評価

GadgetDrop 編集部9
Motorola Razr Fold 7日間レビュー:スペック表に載らない「マルチタスク誘導UI」が他の折りたたみを上回ると評価

Motorolaが初めて投入したブック型折りたたみスマートフォン「Razr Fold」を、Android AuthorityのBrady Snyder氏が7日間メインスマホとして使用したレビューを公開しました。最大の驚きは、アプリを数回切り替えると「分割画面で開きますか?」とOS側から提案してくる、スペック表のどこにも書かれていない「マルチタスク誘導型UI」にあるとSnyder氏は評価しています。大画面やバッテリー容量ではなく、ソフトウェアの作り込みこそが他の折りたたみと差別化する核心だ、というのが本レビューの主張です。

OSが能動的にマルチタスクを促してくる「Hello UI」

Razr FoldはAndroid 16ベースでMotorola独自のHello UIを採用しており、タスクバーや90:10分割表示、高速なアプリ切替といった機能自体はPixel 10 Pro FoldやGalaxy Z Fold 7と大きく変わりません。違いは「OSがユーザーに使うよう促してくる」点にあるとSnyder氏は指摘しています。

具体的には次のような挙動が挙げられています。

  • 2つのアプリを数回切り替えると「分割画面モードで開きますか?」というポップアップが表示され、タップするだけで直近2アプリが50:50で並ぶ
  • 分割後はスライダーをドラッグして90:10など好きな比率に調整可能
  • GmailやGoogle メッセージなど一部アプリ内のリンクをタップすると、自動的に元アプリと50:50の分割で Chrome が開く(Pixel系も同様だが、Galaxy系では同じ挙動にならないとされています)
  • タスクバーのアプリドロワーがPixel・Galaxyより小型で、使用中アプリを覆い隠さない
  • アプリスイッチャーには各アプリに分割画面ボタンが直接表示される(Samsung・Googleではサブメニューに隠れている)

Snyder氏自身、Pixel 10 Pro FoldやGalaxy Z Fold 7のレビュー機を試した際もメイン機にする気にはならず、結局「普通の大画面スマホ」として使ってしまっていたと振り返ります。Razr Foldは折りたたみならではの使い方を自然に促すため、初めて長期利用したくなった折りたたみだと評しています。

なお、Android Authority掲載の読者投票(小規模なサンプル)では「6,000mAhバッテリー+80W充電」が最多で、「マルチタスクソフト」「アクティブスタイラス対応」「Snapdragon 8 Gen 5+16GB RAM」が続く結果でした。母数が限られた投票である点に留意が必要です。

Snapdragon 8 Gen 5でも実用上は十分、ベンチでは中間ポジション

Razr Foldは$1,899(約28万円)からで、16GB RAM・512GBストレージを搭載します。チップはQualcomm Snapdragon 8 Gen 5で、Galaxy Z Fold 8に搭載が見込まれている「Elite」版ではない点が事前の懸念材料だったと述べられています。

しかし実使用では、記事執筆・音楽再生・動画視聴・ゲームなど一通りの用途で引っかかりは感じなかったとのこと。Geekbench 6のスコアは以下の位置付けです。

項目Razr Foldのスコア
Geekbench 6 シングルコア2,606
Geekbench 6 マルチコア8,690

Snyder氏の評価では、Tensor G5搭載のPixel 10 Pro Foldより高速で、Snapdragon 8 Elite搭載のGalaxy Z Fold 7より低いという、ちょうど中間のポジションになっています。

バッテリーはシリコンカーボン採用の6,000mAhで、メイン画面を多用しても1日の途中で電池切れになることはなかったと報告されています。80Wの有線急速充電にも対応し、Galaxy Z Fold 7で気になっていた電池消費の早さは解消されたとしています。

カメラ構成:50MP×3で内側セルフィーが高画素

背面カメラは5,000万画素を3つ揃えた構成で、内訳は以下の通りです。

  • メイン: 50MP Sony LYTIAセンサー(Galaxy Z Fold 7の200MPより画素数は低いがピクセルサイズは大きく、暗所性能で有利になりやすいとSnyder氏は評価。50MPと12MPビニングを切替可能)
  • 超広角: 50MP、画角122度
  • 望遠: 50MP、光学3倍ズーム(光学域を超えても精細感が残るが、ズームに応じて色味が変わる傾向があると指摘)

セルフィーカメラはメイン画面側が32MP、カバー画面側が20MPと非対称で、内側に高画素機を置く構成はビデオ通話用途で有利になる可能性があるとSnyder氏は述べています。

重量243gとIP49——購入前に確認しておきたい弱点

弱点として最も大きいのは243gという重量で、加えて大きなカメラバンプによりトップヘビーな持ち味があるとも指摘されています。本体保護はGorilla Glass Ceramic 3とIP49で、防塵性能は一般的なIP68/69等級ほど高くない点には注意が必要です。ディスプレイは8.1インチ 2K LTPOのメインと6.6インチのカバー画面という構成です。

SamsungとGoogleの「いいとこ取り」、ただし重さは覚悟が必要

総評としてSnyder氏は、Razr FoldをGalaxy Z Fold 7の薄さ・性能と、Pixel系折りたたみのソフトウェア体験・バッテリー持ちを兼ね備えた選択肢だと位置付けています。むしろ「マルチタスク」と「バッテリー寿命」では現行折りたたみ機の中でトップだとも述べています。

8.1インチの大画面・スタイラス対応・分割画面誘導型UIの恩恵を最大限活かしたい人にとっては、$1,899(約28万円)と243gという代償を払う価値があるかどうかが判断軸になりそうです。スペック比較表だけでGalaxy Z Fold 7やPixel 10 Pro Foldと並べると見えない部分こそが、このレビューの肝だと言えるでしょう。

米国発売スケジュールと周辺アクセサリ:レビューでは触れられない購入時のディテール

レビュー本文では本体仕様が中心でしたが、購入計画に直結する販売情報も整理されています。米国では2026年5月14日にMotorolaの公式サイトとBest Buyで予約注文が開始され、5月21日に正式発売されました。同日には別売$99のMoto Pen Ultraも投入されています。欧州価格は€1,999、英国価格は£1,799.99からと、為替を考慮しても日本のユーザーが並行輸入を検討する際の指標になります。

カラーと特別仕様

本体色はPantoneのBlackened BlueとLily Whiteの2色展開で、FIFAワールドカップを意識した特別版も用意されています。構造面ではヒンジがステンレス鋼製で、内側ディスプレイ下にはクリースを目立たなくするためのチタンプレートが配置されています。充電面の補足として、80Wの有線急速充電に加え50Wのワイヤレス充電にも対応し、最大7年間のOS・セキュリティアップデートが提供される点も長期利用を見据えた評価軸になります。カメラはDXOMARKでGold評価を獲得し、「#1 foldable camera system」と位置付けられています。

2026年の折りたたみ市場:MotorolaはSamsungとAppleの間で何位に立つのか

レビューでは競合機との機能比較が中心でしたが、市場規模の文脈を加えると本機の位置づけがより鮮明になります。IDCの予測によれば、2025年の世界折りたたみ出荷台数は2,060万台にとどまる一方、2026年は前年比30%成長へ加速する見込みです。Omdiaも2026年に出荷が前年比50%急増すると予測しています。

米国市場でのMotorolaのポジション

  • 2026年MWCでIDCのアナリストが、米国折りたたみ市場におけるMotorolaのシェアは50%に達したと公表しました(ただしSamsungも存在し、Apple参入後の動向は未知数)
  • Counterpoint Researchの分析では、Motorolaは2026年末までに首位Samsungとの差を数ポイントに縮める見通しで、前年は約2倍の差がありました
  • Samsung・Huawei・Motorolaの3社が2025年の折りたたみ世界出荷の80%を占めています
  • IDCはApple初の折りたたみが投入初年度で台数シェア22%超、金額シェア34%(想定平均価格$2,400)を獲得すると予測しています

Razr Foldの$1,899という価格設定は、Apple参入前に米国市場でのプレゼンスを固めたいMotorolaの戦略と整合しています。

Q&A

Q. Razr Foldの「マルチタスクが優れている」というのは具体的に何が違うのですか? 分割画面機能そのものは他社の折りたたみとほぼ同じですが、Razr Foldはアプリを数回切り替えると分割画面の利用を提案するポップアップを出したり、メール内のリンクを自動で50:50分割で開いたりと、OSが能動的にマルチタスクの使用を促してくる点が違うとSnyder氏は指摘しています。

Q. Snapdragon 8 Gen 5搭載で性能不足にならないですか? Geekbench 6でシングル2,606・マルチ8,690というスコアで、Pixel 10 Pro Fold(Tensor G5)よりは高く、Galaxy Z Fold 7(Snapdragon 8 Elite)よりは低い中間ポジションです。実用上は記事執筆・動画視聴・ゲームなどで遅さは感じなかったとSnyder氏は評価しています。

Q. 243gという重量は実際どのくらい重いのですか?IP49も気になります。 ブック型折りたたみとしては重い部類で、加えて大型カメラバンプによりトップヘビーな持ち味があるとSnyder氏は指摘しています。IP49は「4」が固形物(粉塵)に対する保護等級を示し、一般的なスマホで採用されるIP68/69より粉塵側の保護が弱い表記となります。耐水側は維持されますが、砂やほこりの多い環境で使う想定なら確認しておくのが無難でしょう。

出典

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