Galaxy Z Fold7の4,400mAhに対し、Motorola Razr Foldは約1.36倍となる6,000mAhを搭載——しかも価格はZ Fold7より若干安く設定されています。Motorolaが初のブック型折りたたみ機「Razr Fold」をUK・欧州を皮切りに、インド、米国、カナダへと展開しています。Snapdragon 8 Gen 5と80W急速充電も組み合わさり、GSMArenaが2026年6月7日付で「あなたはRazr Foldを買うか」を問う読者調査を実施しています。本記事を読めば、Z Fold7・Pixel 10 Pro FoldとRazr Foldのどれを選ぶべきか、スペックと価格の両面から判断材料が揃います。
ブック型としては後発、それでも価格と容量で差別化
Motorolaは2019年のRazrで初代フリップ型折りたたみ機を投入し、Samsungの初代Galaxy Z Flipに先んじた市場参入を果たしました。一方で、Samsungがブック型を世に送り出したのはその前年であり、Motorolaのブック型参入は今回が初めてです。
Razr Foldの価格は次の通りで、Galaxy Z Fold7の発売時価格よりわずかに安く設定されています。Samsungは最近価格を引き上げており、Z Fold8でも同様の傾向が続く可能性があると伝えられています。
| 地域 | 価格 |
|---|---|
| 欧州 | EUR 2,000(約34万円) |
| 英国 | GBP 1,800(約36万円) |
| インド | INR 150,000(約27万円) |
| 米国 | USD 1,900(約30万円) |
| カナダ | CAD 2,700(約30万円) |
決して安価な折りたたみ機ではありませんが、ブック型としては競争力ある水準です。GSMArenaの製品ページでは512GB/16GB RAMモデルがEUR 1,959.00(約33万円)で表示されています。
8.1インチ内側ディスプレイとペリスコープ望遠——スペックの実力
ディスプレイはカバー側が6.6インチの21:9 LTPOパネル(1080p+、最大165Hz)、内側が8.1インチLTPO(最大120Hz、2,232×2,484px)の正方形に近いアスペクト比です。両方のディスプレイでオプションの「Moto Pen Ultra」スタイラスが利用できます。
SoCはSnapdragon 8 Gen 5(Eliteバージョンではない点に注意)。カメラは背面3眼+前面2眼の構成です。
背面3眼
- メイン: 50MP(1/1.28インチセンサー、OIS)
- 望遠: 50MP 3x ペリスコープ 71mm(1/1.95インチセンサー、OIS)
- 超広角: 50MP(122°)
前面2眼
- セルフィー: カバー側32MP、内側20MP
防水・防塵はIP48/IP49準拠で、水没と水流の両方に対する保護等級を備えています。
6,000mAhの大容量はSi/Cバッテリーがカギ
Razr Foldの最大の差別化ポイントが、バッテリー容量と充電速度です。
| 機種 | 容量 | 有線 | 無線 |
|---|---|---|---|
| Motorola Razr Fold | 6,000mAh | 80W | 50W |
| Galaxy Z Fold7 | 4,400mAh | 25W | 15W |
| Pixel 10 Pro Fold | 5,015mAh | 30W | 15W |
GSMArenaは、この大容量を支えているのがSi/Cバッテリーであり、Samsung・Google・Appleは現時点でSi/Cバッテリーの採用を見送っていると指摘しています。
折りたたみ時の厚みは10.1mmで、Galaxy Z Fold7の8.9mmより厚いものの、Pixel 10 Pro Foldの10.8mmよりは薄く仕上がっています。重量は243gで、Z Fold7の215gより重く、Pixel 10 Pro Foldの258gより軽い中間ポジションです。
米国・欧州の競合状況——選択肢は限定的
GSMArenaによれば、米国・カナダで購入できるブック型折りたたみ機はSamsung、Google、そして近く参入予定のAppleに限られており、Motorolaの参入は選択肢を広げる意味で大きな出来事です。なお、Samsung・Google以外のブック型折りたたみ機が米国・カナダで広く流通していないのは当該地域に固有の事情であり、欧州・インドではHonorも展開しているとされます。Honor Magic V6が近く欧州で発売予定(価格未定、V5は€1,300で販売中)と紹介されています。
ブック型折りたたみを検討している読者にとっては、バッテリー容量と充電速度で頭一つ抜けたRazr Foldは、価格面でも競合よりわずかに安い水準にあります。判断のポイントはZ Fold7の薄型・軽量を優先するか、Razr Foldの大容量・高速充電・低価格を取るかに集約されます。
カラー・ヒンジ設計とMoto AI——ハード/ソフトの作り込み
Razr Foldのカラーは2色展開で、それぞれ素材仕上げが異なります。
- Pantone Blackened Blue: ダイヤモンドピケ風の織り模様を施したヴィーガンレザー仕上げ
- Pantone Lily White: シルクを思わせる柔らかな光沢を持つヴィーガンレザー仕上げ
ヒンジには精密設計のステンレス製ティアドロップ構造を採用し、ディスプレイ下にはチタン製インナースクリーンプレートを配置することで、折り曲げ時の圧力を均等に分散させています。ソフト面ではGoogle Geminiに加え、Motorola独自のMoto AIスイートを搭載しており、電源ボタン長押しでGeminiを、別のナール加工ボタンでPerplexityやMicrosoft Copilotを呼び出せます。Moto AIアプリでは文字起こし、ノート、画像生成に対応し、Amazon Musicと連携したプレイリスト自動生成や、ラフスケッチを完成イラストに変換する「Sketch to Image」機能も利用できます。米国では2026年5月14日からプリオーダーを受け付け、5月21日に1,899.99ドルで発売されており、Galaxy Z Fold7を約100ドル下回る価格設定となっています。
折りたたみ市場のシェア構図——米国とグローバルで異なる勢力図
調査会社IDCは2026年の世界折りたたみ市場が前年比30%成長すると予測しており、Apple初の折りたたみiPhoneは初年度でユニットシェア22%以上、金額シェア34%を獲得する見込みです。グローバル市場のシェアは下表のとおりで、SamsungとHONORが前年から大きく伸ばしています。
| 期間/地域 | メーカー | シェア |
|---|---|---|
| 2026年Q1 グローバル | Huawei | 40% |
| 2026年Q1 グローバル | Samsung | 25%(前年14%) |
| 2026年Q1 グローバル | HONOR | 19%(前年11%) |
| 2026年Q1 グローバル | Motorola | 14% |
| 米国 | Motorola | 50%(首位) |
米国市場ではクラムシェル型Razrシリーズの好調を背景にMotorolaが50%シェアで首位に立ち、Samsungが2位につけています。一方、グローバルではHuaweiが40%で先行し、Samsungが25%で続く構図であり、地域によって勢力図が大きく異なっています。Motorolaはクラムシェルで築いた米国の足場に、今回のブック型Razr Foldを加える形となっています。
Q&A
Q. Motorola Razr Foldはどこで買えますか? UK・欧州を皮切りに、インド、米国、カナダで販売されています。日本での発売予定は現時点で明らかにされていません。
Q. Galaxy Z Fold7やPixel 10 Pro Foldと比べてどこが優れていますか? バッテリー容量(6,000mAh)と充電速度(有線80W/無線50W)が最大の差別化ポイントです。重量はZ Fold7より重いものの、Pixel 10 Pro Foldよりは軽く、価格はZ Fold7の発売時より若干安く設定されています。
Q. Moto Pen Ultraスタイラスは本体に同梱されますか? Moto Pen Ultraはオプション扱いで、カバー側・内側のいずれのディスプレイでも利用できると案内されていますが、本体への同梱可否や別売価格などの詳細は明らかにされていません。
出典
- GSMArena — Weekly poll: will you buy the Motorola Razr Fold?
- Android Central — Motorola Razr Fold review: A new reason for Samsung to be nervous
- Android Headlines — Three Companies Control 84% of the Foldable Smartphone Market — Samsung Is Surging