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Samsung 870 EVO 8TBが$4,139(約64万円)で出品か——SATA SSDがNVMeより高騰する異常事態をMicro Centerで確認

GadgetDrop 編集部7
Samsung 870 EVO 8TBが$4,139(約64万円)で出品か——SATA SSDがNVMeより高騰する異常事態をMicro Centerで確認

$4,139(約64万円)——8TBのSATA SSDに付けられた値札とされています。米国の人気PCパーツ販売店Micro Centerで、Samsung 870 EVO SATA SSDが同等容量のハイエンドM.2 NVMe SSDよりも高い価格で並んでいる可能性があるとWccftechが報じました。記事はRedditユーザー u/naldyjams氏の投稿を基にしています。

1TBで$519スタート、8TBは$4,139

Micro Centerに並んでいるとされるSamsung 870 EVOシリーズの店頭価格は以下の通りです。

容量価格
1TB$519(約8万円)
2TB$1,039(約16万円)
4TB$2,069(約32万円)
8TB$4,139(約64万円)

870 EVOはSATA接続の2.5インチSSDで、シーケンシャル速度はM.2 NVMe SSDより大幅に遅い世代の製品です。それにもかかわらず、最安の1TBで$519(約8万円)からという価格設定は、Wccftechが「これまで見た中で最も高価なコンシューマー向けSSDかもしれない」と表現するレベルに達していると伝えられています。

NVMe SSDより高いという逆転現象——背景は「生産量の少なさ」か

Wccftechは価格高騰の理由について、生産量がM.2 SSDより少ない可能性を挙げる一方、「速度面で劣るSATA SSDがこの価格で売られるべきではない」と評価しています。需給の歪みが値付けに直結している可能性があるとの見立てです。

同店および他のオンラインストアで購入できるNVMe SSDと比べると、価格の歪みが鮮明になるとされます。

  • WD_Black SN7100 1TB(NVMe) — $189(約2万9千円)
  • Samsung 990 PRO 1TB(NVMe) — $249(約3万8千円)
  • Samsung 870 EVO 1TB(SATA、Amazon) — $449(約7万円)
  • Samsung 870 EVO 1TB(SATA、Micro Center) — $519(約8万円)

より高速で新しい規格のNVMe SSDが、同容量のSATA SSDの半額以下で買える状況とされています。Wccftechは、同じMicro Centerでハイエンド級のSamsung M.2 NVMe SSDが$3,000(約47万円)を下回る価格で並んでいたとする直近の報道にも触れ、SATA SSDがM.2を上回る今回の値付けは想定外だったと報じています。Amazon上のSamsung 870 EVO 1TBが$449であることも、Micro Centerの店頭価格がさらに上振れしている可能性を示しています。

「Limit 2 per Household」だが棚は埋まっている

注目すべきは、Micro Centerが「Limit 2 per Household(1世帯あたり2台まで)」という購入制限を掲示しているとされる点です。投稿された写真では棚に多数のSSDが積まれているとされ、Wccftechは「深刻な品薄には見えない」と疑問を呈しています。需給逼迫を理由にした価格付けと、実際の在庫状況に乖離があるという見立てです。

SSDをめぐっては最近、別のRedditユーザーがAmazonでSamsung 990 PRO SSDを1台注文したところ、誤配により10台(合計約$4,800、約75万円相当)が届いたという事例も関連記事として報じられています。市場全体で価格・物流双方に混乱が見られる可能性があります。

今は買い時ではない——ストレージ計画は据え置きが妥当

Wccftechは「いかなる事情があってもこの価格でSSDを買うべきではない」とし、「しばらくはSATA SSDを避けたほうがよい」と明確に述べています。現時点でSSDの新規購入や容量拡張を計画している場合は、価格の落ち着きを待つ判断が妥当でしょう。Wccftechの言葉を借りれば、結論はシンプルです——「しばらくはSATA SSDを避けるべき」。

NAND供給逼迫の構造的背景——契約価格と工場出荷量から読むSSD高騰

870 EVOの異常価格の背後には、NAND Flash市場全体の深刻な需給逼迫があります。TrendForceはQ1 2026のクライアントSSD契約価格が前四半期比で40%以上上昇すると予測しており、これはNAND製品カテゴリの中でも突出した上げ幅とされています。Kingstonの担当者によれば、NAND価格は2025年第1四半期から246%上昇し、そのうち70%が直近60日に集中していると指摘されています。

供給側の出荷量と先行き予測

出荷量の縮小と契約価格の追加上昇予測が、店頭価格の高止まりを裏付けています。

指標数値
Samsungウェハー生産(2025年)490万枚
Samsungウェハー生産(2026年)468万枚
Q2 2026の追加価格上昇予測70〜75%

極端な例として、Tom's Hardwareの調査では平均的な8TBコンシューマー向けNVMe SSDが$1,476に達し、グラム単価で金を上回るとされています。価格は当面、上方向のプレッシャーを受け続ける状況です。

Samsung「SATA SSD撤退」報道とSamsungの公式否定

Micro Centerでの価格異常の背景には、Samsung自身の事業方針をめぐる別の混乱もあります。リーカーのMoore's Law Is Deadは、Samsungが2026年1月にSATA SSD生産を終了すると伝えました。同氏は、AmazonのトップSSD販売の約20%がSATAベースで、その大部分をSamsungが占めると指摘しています。

Samsungは噂を否定

これに対しSamsungは公式に反論しています。

「Samsung SATAまたは他のSSDの段階的廃止に関する噂は虚偽である」(Samsung Electronics広報)

ただし市場の反応は止まっていません。噂が広まった段階でSATA市場では既に価格上昇が観測されており、需給バランスが揺らいでいる様子がうかがえます。加えてMicronが消費者向け事業から撤退する動きを見せていることも、SATA SSDを含む消費者向けストレージ市場の将来不安を増幅させ、現行在庫の値付けを更に押し上げる要因となっています。リーカー発の噂と公式否定が並走するなか、市場価格だけが先行して動いている構図です。

Q&A

Q. なぜSATA SSDがNVMe SSDよりも高いのですか? Wccftechは生産量がM.2 SSDより少ない可能性を理由として挙げています。ただし「速度面で劣るSATA SSDがこの価格で売られるべきではない」とも指摘されており、需給の歪みが一因と見られます。

Q. 今、Samsung 870 EVOを買うべきですか? Wccftechは「いかなる事情があってもこの価格で買うべきではなく、しばらくはSATA SSDを避けるべき」と明言しています。NVMe SSDの方が同容量で安価かつ高速とされるため、購入を検討しているならNVMe側を選ぶ判断が妥当です。

Q. 代替としてどのNVMe SSDを選ぶべきですか? Wccftechが比較対象として挙げているのは、WD_Black SN7100 1TB($189・約2万9千円)とSamsung 990 PRO 1TB($249・約3万8千円)です。いずれもSATAの870 EVO 1TBより大幅に安価かつ高速とされ、同記事は「より良く、より速いNVMe SSDが手に入る」としています。容量・予算に応じてこの2モデルが現実的な選択肢となる可能性があります。

出典

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