「ワークアウトの心拍ログを取るにはApple Watchが必要」——その常識が変わるかもしれません。フィットネスアプリのStravaが、AirPods Pro 3の心拍トラッキング機能に対応しました。iPhoneアプリ単体での利用に加え、Apple Watchとの併用にも対応し、より精度の高いワークアウト記録が可能になります。
AirPods Pro 3から心拍データを直接ストリーミング
Stravaの最新バージョンでは、AirPods Pro 3を装着してワークアウトを行うと、耳から心拍データをStravaの「Mobile Record」へライブストリーミングできるようになりました。Strava自身も次のように説明しています。
「AirPods Pro 3を装着してワークアウトすれば、Stravaはあなたの心拍データを耳から直接Mobile Recordへライブストリーミングできます」
AirPods Pro 3はAppleとして初めて心拍計測機能を内蔵したAirPodsであり、Apple Watchを持っていなくても心拍データが取得できる点が大きな特徴です。ランニング中にApple Watchを着けない派のユーザーにとって、ワークアウト記録の選択肢が大きく広がります。
Apple Watchとの併用ではより正確な計測に
Apple Watchを使ってワークアウトをしている人にとっても、今回のアップデートはメリットがあります。Stravaは利用可能な心拍データのうち、最も精度の高いものを自動で選択するためです。
「Apple Watchとペアリングすれば、両方のデバイスが連携し、最も強いシグナルを自動的に選びます。ランニングでも、ライドでも、ウェイトリフティングでも、最も正確な計測が得られます。追加のセットアップも、追加の機材も不要。記録ボタンを押すだけです」
この機能を利用するための条件は、以下のとおりです。
- iOS 18以降が動作するiPhone
- AirPods Pro 3
Apple Watchは必須ではなく、AirPods Pro 3単体でも機能する点が今回のポイントです。
Apple Watch派でなくても、AirPods Pro 3で十分か
Stravaのアプリ自体はApp Storeから無料でダウンロードできます。AirPods Pro 3の心拍計測を活用したい場合は、本体の購入が必要です。Amazonでは現在$229(約3万4千円)で販売されており、通常価格の$249(約3万7千円)から値引きされています。
Apple Watchを持っていないがフィットネスログをきちんと取りたい人、あるいは運動時にスマートウォッチを着けたくない人にとって、AirPods Pro 3とStravaの組み合わせは現実的な選択肢になります。ランニングやライド、ウェイトリフティングといった幅広い種目で、耳から取得した心拍データをそのままStravaに流し込めるのは、これまでにない体験です。
関連トピック:理学療法(PT)の記録機能も追加
今月初めには、Stravaはトラッキング対象のスポーツに「理学療法(Physical Therapy)」のカテゴリも追加しています。Stravaは次のように述べています。
「PTエクササイズで連続記録を維持しましょう。カーフレイズの回数や、1週間・1ヶ月あたりの理学療法に費やした合計時間を確認できます」
リハビリや継続的なトレーニングを記録したいユーザー向けの機能拡張で、Stravaは今年に入ってからApple Watch向けのオフラインマップ対応や新しいワークアウトタイプの追加など、立て続けに機能拡張を行っています。
AirPods Pro 3の心拍計測を支える技術と「最適ソース自動選択」の仕組み
耳から心拍を取れる仕組みは、AirPods Pro 3に搭載された光電容積脈波(PPG)センサーによるものです。このセンサーは赤外線を1秒間に256回パルスさせて耳内の血流を測定し、アルゴリズムでそこから心拍数を算出しています。
片耳でも計測可能、Apple Watch併用時の判定ロジック
AirPods Pro 3は片耳だけの装着でも心拍モニタリングに対応しています。さらにApple Watchを併用した場合の挙動も明確で、直近5分間で最も正確なデータを示したデバイスが心拍トラッキングのソースとして採用されます。Stravaが「最も強いシグナル」と表現していた仕組みは、こうした時間ウィンドウ付きの精度判定に基づくものです。なお心拍センサーを内蔵するAppleのイヤホンはAirPods Pro 3のほかにBeats Powerbeats Pro 2のみで、旧世代のAirPodsには搭載されていません。対応ワークアウトは最大50種類にのぼり、ランニングやライドだけでなく多彩な種目で計測できる点も特徴となっています。
Strava側の2026年アップデート動向——記録対象の拡張が加速
今回のAirPods Pro 3対応は、Stravaが2026年に進めている記録対象拡張の流れの一部に位置づけられます。Stravaは185か国で1億9500万人超のユーザーを抱えるフィットネスプラットフォームで、機能拡張のペースを2026年に入ってから明確に上げています。
| 時期 | 主な追加機能 |
|---|---|
| 2026年3月 | 筋肉マップ機能のテスト導入、5競技(バスケットボール、バレーボール、ダンス、パデル、クリケット)追加 |
| 2026年4月 | 10言語を追加し全24言語に対応 |
| 2026年4月 | Annual Best Effortsによる年単位のPR追跡機能 |
特に筋肉マップとAnnual Best Effortsは、「ソーシャルフィード」から「実際のトレーニングツール」へとStravaを位置づけ直す方向性を示すものといえます。AirPods Pro 3対応もまた、ウェアラブルに依存しないログ収集の幅を広げる施策として、この潮流に連なるアップデートになっています。
Q&A
Q. AirPods Pro 3の心拍計測を使うのにApple Watchは必要ですか? いいえ、不要です。AirPods Pro 3単体で心拍データを計測し、Stravaにライブストリーミングできます。Apple Watchを併用する場合は、両デバイスのうち最も信号の強い方を自動的に選んで計測精度を高めます。
Q. Apple Watchと併用するとき、どちらの心拍データが使われますか? Stravaによれば、AirPods Pro 3とApple Watchの両方を装着している場合、Stravaが自動的に最も強い信号を選択して計測します。ランニング、ライド、ウェイトリフティングなど種目を問わず、ユーザー側で切り替え設定をする必要はありません。