「ハッピーエンド」——人気サバイバルゲーム続編「Subnautica 2」の開発元 Unknown Worlds Entertainment が、パブリッシャー Krafton との長期係争でついに約2億5,000万ドル(約400億円)のアーンアウトを勝ち取る見通しと報じられています。 主要リーダーの排除によって支払い回避を狙ったとされる Krafton が、Subnautica 2 のヒットを引き金に最終的に折れたかたちです。M&A 後の業績連動報酬を巡る象徴的な決着として、注目を集めています。
なお、以下の内容は Windows Central による IGN・Korean Economic Daily 経由の報道に基づいており、Krafton および Unknown Worlds の公式発表ではない点を最初にお断りしておきます。
$1 の売上が $3.12 に化ける——アーンアウト還元式
報道によれば、Krafton は争点となっていた最大2億5,000万ドル(約400億円)のボーナスを Unknown Worlds の元株主に支払うことに同意したとされます。算定式は次のとおりです。
- 2021年の買収以降、Unknown Worlds の月間売上が6,980万ドル(約110億円)を超えた場合、超過売上1ドルにつき3.12ドルを元株主へ還元
- 還元総額の上限は2億5,000万ドル(約400億円)
- 今回の支払い発動には、Subnautica 2 の短期間での大ヒットが寄与したとみられる
"$3.12 for every $1, or up to $250 million, to Unknown Worlds' former shareholders every time the studio's revenue topped $69.8 million a month since the Korean game developer acquired the US firm in 2021."
CEO 排除で支払い回避を狙ったとされる Krafton——係争の経緯
Krafton は共同創業者の Charlie Cleveland 氏と Max McGuire 氏、そして CEO の Ted Gill 氏といったスタジオの主要リーダーを外すかたちで、約束していた2億5,000万ドル(約400億円)のボーナス支払いを回避しようとしたと指摘されていました。開発元側はパブリッシャーを提訴し、Krafton がボーナス発動条件のトリガーとなる作品リリースを意図的に遅延させたと主張しています。
訴訟は途中で大きな話題を集め、裁判官が開発元側の主張を部分的に支持する判断を示しました。さらに、Krafton の CEO が裁判の対応に ChatGPT を活用したと伝えられた点も注目を集めました。当事者間のやり取りの全容については公開されていない部分も残ります。
支払い発動の引き金は Subnautica 2 のヒット
Subnautica 2 は報道時点で100万本超を販売しているとされ、Xbox Game Pass 入りも果たしています。短期間で巨額の売上を計上したことが、買収契約に紐づくアーンアウト条件を満たす結果につながったとみられます。
ゲーム業界では、スタジオ買収時に「将来の業績」に応じて追加報酬が支払われるアーンアウト型の契約は珍しくありません。一方で、買収後のスタジオ運営権はパブリッシャー側にあるため、リリース時期や経営判断によって支払い条件が左右されやすいという構造的な論点も浮き彫りになりました。
ゲーマーにとっての意味——開発体制の安定化
開発元側にとっては、当初の契約通りの還元が実現する見通しとなったことで、係争に区切りが付く可能性があります。係争の長期化が解消に向かうことで、開発リソースが本来の作品作りに集中しやすくなる可能性があります。
Windows Central はタイトルでも「It's a happy ending」と表現しており、開発元にとっては想定通りの結末になりつつある一件です。一方で、Krafton・Unknown Worlds の双方からの正式な公式発表に基づく情報ではなく、第三者報道を経由した内容である点には留意が必要です。
報道ベースの段階で押さえておきたい要点は次の3点です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支払い見込み | 最大2億5,000万ドル(約400億円) |
| 算定式 | 月次売上が6,980万ドル超過分に対し $1 あたり $3.12 を還元 |
| 引き金 | Subnautica 2 の100万本超の販売実績 |
公表された情報の範囲では、最終的な支払い額・実行時期の確定は続報を待つ必要があります。
アーリーアクセス版の販売実績とゲーム仕様
Subnautica 2は2026年5月14日にSteam、Epic Games Store、Xbox Series X|Sでアーリーアクセスがスタートしています。技術面では前作までのUnityからUnreal Engine 5へと開発エンジンが刷新されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アーリーアクセス開始日 | 2026年5月14日 |
| 価格 | 29.99ドル(米国) |
| プラットフォーム | Steam / Epic / Xbox Series X|S |
| 協力プレイ | 1〜4人Co-op(シリーズ初) |
| 開発エンジン | Unreal Engine 5 |
販売面ではアーリーアクセス開始30分で数十万人のプレイヤーを集め、1時間で100万本、12時間以内に200万本を販売したと報じられています。シリーズで初めてマルチプレイヤー要素が導入され、最大4人での協力プレイに対応した点も大きな話題となっています。さらにストアページからは現在Kraftonの名前が削除されており、Unknown Worlds Entertainmentが開発・パブリッシャーの両方として記載される状態に変更されています。価格は29.99ドルに設定されており、アーリーアクセス段階から強い初動を見せています。
判決を下した裁判所とKraftonへの財務インパクト
今回の決着の土台となった判決は、デラウェア州衡平法裁判所のLori W. Will副判事によって下されたものです。
アーンアウト期間と支払い規模
- アーンアウト獲得期間は2026年9月15日まで延長され、さらに2027年3月15日まで延長される可能性が残されています
- Korean Economic Dailyの報道によれば、今回の支払いはKraftonの2025年営業利益の35%に相当する規模になります
- 初月だけで2億1,800万ドルの支払いが発動する試算となっており、上限の2億5,000万ドルに近い額が一気に積み上がる構造です
- Subnautica 2はこれまでに400万本を販売し、1億ドルの売上を生成したと伝えられています
財務面のインパクトは巨大であり、初月の試算額がアーンアウト上限の大部分を占める設計となっている点が特徴です。獲得期間の延長余地が残されていることもあわせ、Krafton側にとっては短期的なキャッシュフロー負担と、Unknown Worlds側にとっての回収機会の確保という両面が浮き彫りになっています。
Q&A
Q. 2億5,000万ドル(約400億円)はまとめて支払われるのですか? 報道では、買収後の月間売上が6,980万ドルを超えた分について「$1 あたり $3.12」を還元し、その累積額が最大で2億5,000万ドルに達する仕組みと伝えられています。一括支払いではなく、業績連動の積み上げ型の条項である点が特徴です。
Q. なぜ Krafton はそこまでして支払いを回避しようとしたとされるのですか? 争点となっている金額が最大2億5,000万ドル(約400億円)と、単独の追加報酬としては極めて大規模なためです。報道によれば、Krafton はスタジオ主要リーダーの排除や作品リリース時期の操作によってアーンアウト条件の発動回避を試みたとされ、財務インパクトの大きさが背景にあったと読まれています。
Q. 開発元 Unknown Worlds Entertainment はこれからも Krafton の傘下で活動するのですか? 2021年の買収以降、Unknown Worlds は Krafton 傘下のスタジオとして活動しています。今回の支払い合意で長期化していた係争に区切りが付く可能性はありますが、両社の今後の関係性についての公式アナウンスは確認できていません。
Q. Subnautica 2 は現時点でどのような実績を残していますか? Windows Central の報道によれば、Subnautica 2 は100万本を超える販売を記録しているとされ、Xbox Game Pass でも提供されています。短期間での売上が、アーンアウト条件の発動につながったとみられています。