**約32万台超のセキュリティカメラに、火災・爆発のリスク。**Wyzeが太陽光パネル付き「Solar Cam Pan」の大規模な自主リコールを発表しました。原因はハードウェア不良ではなく、付属する設置手順書の記載ミス。誤ったネジを使うとリチウムイオン電池の金属ケースを貫通させてしまう恐れがあり、すでに過熱・発火・火傷を伴う事故が複数報告されています。なお、今回のリコール案内は北米市場向けで、日本の正規流通に関する言及は確認できません。Android Authorityが報じました。
金属ケースを貫通——説明書の誤りが招いた発火リスク
Wyzeの公式発表によると、付属の設置手順書には誤りがあり、太陽光パネルブラケットをカメラ上部に取り付ける際、長い平頭木ネジでリチウムイオン電池の金属ケースを貫通させてしまう可能性があります。電池が刺さると急速に過熱し、火災や火傷による重傷・物損につながる恐れがある、と説明されています。
米国消費者製品安全委員会(CPSC)の集計では、これまでにセキュリティカメラの過熱、爆発・火災を伴う事故、そして消費者の軽度の火傷が報告されています。スマートホーム製品としては看過できない事故内容で、「説明書の誤り」が原因という点もこのリコールの大きな特徴です。
あなたのカメラは対象か?モデル番号「WYZESCPWH」を確認
リコール対象は、一定時期以前に購入された「Solar Cam Pan」セキュリティカメラに限定されます。本体カラーはホワイトで、背面に記載されたモデル番号「WYZESCPWH」が識別の手がかりです。
販売チャネルは幅広く、Home Depot、Best Buy、Micro Centerといった大型小売、Amazon、Temu、Wyze公式サイトといったオンライン、加えてB2B Renew, Inc.やReturnProでの取り扱い分も含まれていると案内されています。
本リコールは米国・カナダの販売分が対象として案内されており、日本市場での正規取り扱いに関する情報はAndroid Authorityの記事内では触れられていません。
⚠️ 重要:手続きを進めると、カメラは「使えなくなる」
補償の話に入る前に、必ず押さえておきたいポイントがあります。リコール手続きを進めると、対象カメラは無効化され、たとえ正しいネジを使っていた場合でも以後動作しなくなる、と案内されています。継続利用できる救済ではなく、回収・無効化を前提とした手続きであることを理解したうえで進む必要があります。
ユーザーが取るべき対応
Wyzeは、太陽光パネルブラケットを長い平頭木ネジでカメラ上部に固定した場合、直ちに使用を中止するよう呼びかけています。どのネジを使ったか不明な場合は、同社が公開している手順ガイドで確認可能です。
カメラを分解して内部を目視確認する方法も提示されていますが、その際はまず指定のファームウェアをダウンロードし、48時間待ってバッテリーを完全に放電させてから作業します。リチウムイオン電池を扱う以上、放電を待たずに分解するのは危険であり、この手順は必ず守るべき点です。
補償内容とリコール手続き
対象ユーザーには、以下のいずれかの補償が用意されています。
- 太陽光パネルアクセサリー付きの代替カメラとの無償交換
- 全額返金
- 元の購入価格相当のギフトカード
購入時のレシートがなくてもリコールに参加できる点は、購入から時間が経ったユーザーにとって朗報といえるでしょう。
手続きの流れは次のとおりです。
- 必要事項を記入したフォームを送信して情報を登録する
- バッテリーを放電させるための専用ファームウェアが配布される
- 対象カメラは無効化され、以後動作しなくなる(正しいネジを使っていた場合も同様)
- 地域・州の規制に従って廃棄する
該当機種を使っているユーザーは、補償内容も手厚く整理されているため、早めに手続きを進めるのが現実的な選択肢といえます。続報があれば追って取り上げます。
CPSC公表で判明した詳細台数と「正しいネジ」の仕様
米国消費者製品安全委員会(CPSC)は2026年6月4日付でリコールを公表しており、内訳は米国向けが約321,360台、カナダ向けが約2,560台と具体的な台数が示されています。対象となるのは2026年4月3日以前に購入された個体で、太陽光パネルをカメラ上部に取り付ける際に「長い平頭木ネジ」を誤って使用したケースに限定されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公表日 | 2026年6月4日(CPSC) |
| 米国販売台数 | 約321,360台 |
| カナダ販売台数 | 約2,560台 |
| 誤った部品 | 長い平頭木ネジ |
| 正しい部品 | 短いパンヘッドのマシンスクリュー |
| 事故報告 | 過熱13件・爆発火災6件・軽度火傷6件 |
Solar Cam Pan自体はワイヤレス駆動で、モーター制御によるパン・チルト機能とソーラーパネルを一体化した屋外モデルとして販売されていた製品です。
過去のプライバシー問題と相次ぐ訴訟リスク
ハードウェア面の不具合に加え、Wyzeは過去数年でプライバシー関連の問題も繰り返し指摘されてきています。直近では2026年4月、同社のウェブサイト訪問者の行動データを、Cookieの拒否設定にかかわらずTikTokやMetaといったSNS事業者へ共有したとして、ワシントン連邦地裁で集団訴訟が提起されました。
直近で報告された主なインシデント
- 2019年〜2020年: 認証情報を含む顧客データベースがインターネット上に23日間露出し、ライブ映像への直接アクセスが可能な状態となっていました
- 2024年2月: サードパーティ製キャッシュライブラリの不具合により、約13,000人のユーザーが他人の自宅のライブ映像やサムネイルに接続されてしまう事象が発生しています
- 2026年4月: ウェブトラッキングを巡る集団訴訟が連邦裁判所に提起されています
ハードウェアの安全性とソフトウェア・データ取り扱いの双方で課題が連続している点は、購入や継続利用を検討するうえで踏まえておきたい背景情報です。
Q&A
Q. リコール対象かどうかはどう確認すればよいですか? 本体カラーがホワイトで、背面のモデル番号が「WYZESCPWH」のものが該当します。まずは型番をチェックし、設置時に使用したネジ種を確認してください。
Q. 補償はどれを選べばよいですか? 継続して同等のカメラを使いたい場合は太陽光パネル付きの無償交換、ブランドから離れたい場合は全額返金、Wyze製品を引き続き使う予定があるならギフトカードという選び方が自然です。レシートが残っていなくても参加できる点は押さえておきましょう。
Q. 日本で購入したユーザーはどうなりますか? 今回のリコール案内は米国・カナダ市場向けに行われており、日本市場向けの取り扱いについては現時点で明らかにされていません。