Google の親会社 Alphabet が、AIコンピューティング基盤への投資資金を確保するため、800億ドル(約12.4兆円)相当の株式を売却すると発表しました。Engadgetが2026年6月2日付で報じています。買い手のひとつには Berkshire Hathaway が含まれており、100億ドル(約1.5兆円)分を取得します。世界トップクラスの時価総額を持つ企業が、AI投資のためにこの規模の資金調達に踏み切ったかたちです。
800億ドル調達の内訳と用途
Alphabet はプレスリリースで、株式売却によって調達した資金を「前例のない顧客需要に応えるための、世界クラスのAIコンピューティング基盤への投資」に充てると説明しました。同社の声明によると、調達した手取り金は「公募増資(underwritten public offerings)と私募(private placement)」を通じて得られ、「一般的な企業目的、特にAIインフラとグローバルコンピュート能力をスケールさせるための設備投資」に使われる予定です。
買い手として明示されているのが Berkshire Hathaway です。同社はすでに約200億ドル(約3.1兆円)相当の Alphabet 株を保有しており、今回さらに100億ドル分を追加取得します。
設備投資は最大1,900億ドル規模
Alphabet は直近の決算説明会で、今年の設備投資額を1,800億〜1,900億ドル(約28兆〜29.5兆円)と見込んでいると述べていました。さらに、この水準は2027年に「大幅に増加する可能性が高い」と示唆しています。
| 指標 | 金額 |
|---|---|
| 今回の株式売却額 | 800億ドル(約12.4兆円) |
| Berkshire Hathawayの取得額 | 100億ドル(約1.5兆円) |
| 今年の設備投資見込み | 1,800〜1,900億ドル(約28〜29.5兆円) |
| 2026年Q1売上 | 1,100億ドル(約17兆円、前年同期比+22%) |
Alphabet の2026年第1四半期の売上は1,100億ドル(約17兆円)に達し、2025年同期比で22%増加しました。今回の株式売却は、こうした売上規模を持つ企業がさらに外部から資金を調達する局面に入ったことを示すものです。
AI軍拡競争の現在地——AnthropicとOpenAIも巨額調達
今回の Alphabet の動きは、AI業界全体の資本投下競争の一端を示すものです。報道によれば、Anthropic は先週、最新のラウンドで650億ドル(約10兆円)を調達したと明らかにし、株式公開(IPO)の申請も済ませました。OpenAI は累計で1兆ドル(約155兆円)を超える支出コミットメントを抱えていると報じられています。
一方で、こうした巨額投資が利益として回収できているかは別の問題です。Engadgetの記事内では「Is AI Profitable Yet?」というウェブサイトが紹介されており、Amazon・Alphabet・Meta・Microsoft・OpenAI・Anthropic のいずれもAI支出に対して利益を出せる水準には程遠く、唯一 NVIDIA が大きな収益を上げていると指摘されています。
設備投資の今後の見通し
設備投資の2027年見通しについては「大幅に増加する可能性が高い」という同社の示唆にとどまり、具体的な金額レンジは公表されていません。
AI基盤に対するハイパースケーラーの資本投下動向を追う読者にとっては、Alphabet 規模の企業が株式売却による資金調達に動いた事実そのものが、引き続き注視に値するトピックといえます。
Q&A
Q. Alphabet が今回の株式売却で調達した資金の用途は? Alphabet はプレスリリースで、調達した手取り金を「一般的な企業目的、特にAIインフラとグローバルコンピュート能力をスケールさせるための設備投資」に使うと説明しています。背景には、今年の設備投資見込みが1,800〜1,900億ドル規模に達し、2027年は「大幅に増加する可能性が高い」と同社自身が示唆している状況があります。
Q. Berkshire Hathaway の100億ドル取得について、何が明らかになっていますか? Berkshire Hathaway はすでに約200億ドル相当の Alphabet 株を保有しており、今回100億ドル分を追加取得します。
Q. 他社のAI投資との比較ではどう位置づけられますか? Anthropic は先週650億ドルを調達したと発表し、OpenAI は1兆ドル超の支出コミットメントを抱えていると報じられています。Alphabet の800億ドル調達はこの軍拡競争の一翼であり、Amazon・Meta・Microsoft を含むハイパースケーラー各社についてもAI支出に対して利益を出せる水準には程遠いと指摘されています。