最大24コア/48スレッド・RDNA 5内蔵GPU・LPDDR6対応——Wccftechが報じたAMDの次世代フラッグシップAPU「Medusa Halo」の想定スペックは、現行Strix Halo(最大16コア/32スレッド・RDNA 3.5)から大幅な飛躍を見込ませる内容です。来週、台湾・台北で開幕する「Computex 2026」では、こうしたZen 6世代の予告に加え、Zen 5世代の追加SKU、なかでもRyzen 7 7700X3Dの正式登場が現実的な目玉として浮上しています。Wccftechが2026年5月30日に公開した予測記事の要点を、世代ロードマップと併せて整理します。
Zen 5世代の追加SKU——本命はRyzen 7 7700X3D、7800X3Dより安価に96MBのL3キャッシュか
Wccftechによると、AMDはCES後で最大級のイベントとなるComputex 2026に合わせ、Zen 5ベースのモバイル/デスクトップ向けSKUを追加で投入する可能性が高いとされています。AMDは過去のZen 4世代でも息の長いラインナップ展開を続けてきており、Zen 5でも同様のパターンが踏襲されると見られます。
モバイルでは、Ryzen AI Max+ 495をフラッグシップとする「Gorgon Halo」シリーズがすでに投入済みで、同シリーズの派生SKU追加が想定されています。Ryzen AI Max+ 495は前世代より高いブーストクロックを備えるとされており、その派生SKUが追加投入される見込みです。デスクトップで注目されているのは、Ryzen 9000系ではなくRyzen 7000系に追加されると報じられているRyzen 7 7700X3Dです。
| 項目 | Ryzen 7 7700X3D | Ryzen 7 7800X3D |
|---|---|---|
| コア/スレッド | 8C/16T | 8C/16T |
| L3キャッシュ | 96 MB | 96 MB |
| ベース/ブースト | 4.0 GHz / 4.5 GHz | 7700X3Dより高クロック(具体値はAMD公表情報を参照) |
クロック以外のスペックは7800X3Dと同等で据え置かれる見通しです。同じ8コア/16スレッド構成と96 MBのL3キャッシュを共有しつつ、ベース4.0 GHz/ブースト4.5 GHzというクロックダウンに留めることで、価格志向のゲーマーがより安価に3D V-Cacheの恩恵を享受でき、ゲーミング用途の予算を抑えやすくなる点が大きなメリットになりそうです。
最大24コア・RDNA 5内蔵——Medusa HaloはStrix Haloからの一大飛躍となるか
次世代のZen 6世代については、Computex 2026でのお披露目の可能性は「低いがゼロではない」とされています。先行投入されるのはモバイル側で、「Medusa Point」と「Medusa Halo」の2系統に分かれる見込みです。
Medusa PointはStrix Pointの後継で、より大きなFP10ソケットを採用すると報じられています。Zen 6では1つのCCDあたり最大12コアまで拡張される見込みで、現行Ryzenの「CCDあたり8コア」上限から見れば大きな飛躍となります。
特に注目はフラッグシップ級のMedusa Haloで、以下のような構成が想定されています。
- 最大24コア/48スレッド(Strix Haloの16コア/32スレッドから1.5倍)
- 最大96 MBのL3キャッシュ(Strix Haloの64 MBから増量)
- RDNA 5ベースの内蔵GPU(Strix HaloはRDNA 3.5)
- LPDDR6メモリ対応によるメモリ帯域の大幅な向上
Ryzen AI MAXシリーズの世代別ロードマップ
Wccftechがまとめた表をもとに、Ryzen AI MAXシリーズの世代比較を整理します。なお末尾の「?」が付く値は確定情報ではないため、不確定値として扱う必要があります。
| 世代 | MAX 500 (Medusa Halo) | MAX 400 (Gorgon Halo) | MAX 300 (Strix Halo) |
|---|---|---|---|
| プロセス | N2P | N4 | N4 |
| CPUアーキ | Zen 6 | Zen 5 | Zen 5 |
| 最大コア/スレッド | 24/48? | 16/32 | 16/32 |
| 最大ブーストクロック | TBD | TBD | 5.1 GHz |
| 最大L3キャッシュ | 96 MB? | 64 MB | 64 MB |
| GPUアーキ | RDNA 5 | RDNA 3.5 | RDNA 3.5 |
| 最大GPUコア | TBD | 40 CUs | 40 CUs |
| 最大GPUクロック | TBD | TBD | 2.9 GHz |
| メモリ | LPDDR6 | LPDDR5X | LPDDR5X |
| メモリ速度 | 14,400 MT/s? | 8,533 MT/s | 8,000 MT/s |
| メモリ帯域 | TBD | 273 GB/s | 256 GB/s |
| TDP | TBD | TBD | 45-120W |
| 投入時期 | 2027-2028 | 2026-2027 | 2025 |
世代ごとにメモリ帯域と最大コア数が段階的に引き上がる構図で、特にMAX 500世代ではプロセスがTSMC N2Pへ進む見通しです。GPUに関してWccftechは、ComputexでRDNA 5(RX 10000系)が登場する可能性は低いと見ており、RX 9000系のリフレッシュやラインナップ拡張に留まる可能性が指摘されています。なお携帯ゲーム機分野については、Wccftechは「現状AMDはRyzen Z2スタックに依存しており、Intelが投入するArc G3 Extremeのような上位チップとは現時点では競合できない」と報じています。Strix Haloベースのハンドヘルドは数が少なく高価で、マス層には届きにくいという課題も挙げられています。
リーク・予測ベースの内容が中心のため、現時点では「Zen 5世代の追加SKUと7700X3Dは現実味があるが、Zen 6世代のお披露目は限定的にとどまる可能性が高い」と捉えるのが妥当です。実際の発表まで続報を待ちましょう。
Ryzen 7 7700X3Dの価格・電力・情報源——300ドル/120W、リーカー発の噂段階
噂段階に留まるRyzen 7 7700X3Dについて、価格と電力、情報源に関する追加情報が報じられています。発端はリーカーchi11eddogによる情報で、各メディアが集約した内容によれば、想定小売価格はおよそ300ドル前後、TDPは120Wが見込まれています。AMDは2026年5月時点でこのSKUを公式に発表しておらず、現状はあくまでリーカー由来の情報に留まっている点が強調されています。
- 想定価格: 約300ドル
- TDP: 120W
- 7800X3D比のブーストクロック: 約10%減
- 情報源: リーカー「chi11eddog」(AMD関連のリーク的中歴あり)
- AMDの公式発表: 2026年5月時点で未発表
300ドルという価格水準は7800X3Dの市場価格と比べて大幅に低く、低予算でゲーミング性能を底上げしたいユーザー層を狙ったポジショニングが想定されています。
Medusa Halo Miniと内部構成——AT3 GPU・N2P/N3Pチップレットの詳細
フラッグシップ級のMedusa Halo以外にも、内部チップレット構成と派生バリアントに関する情報が出てきています。リーク情報によれば、内蔵GPUは「AT3」と呼ばれるブロックを採用し、最大48 CU(3,072シェーダー)構成でL2キャッシュを最大20MB備える可能性が指摘されています。製造プロセスについてもコンピュートダイ(CCD)がTSMC N2P、IO Die(IOD)はN3Pという、マルチノードのチップレット構成が想定されています。
派生SKUとして「Medusa Halo Mini」の存在が伝えられている点も注目すべきポイントです。
- 4× Zen 6コア + 8× Zen 6cコア + 2× Zen 6 LPコアの計14コア構成
- 128-bit LPDDR5Xメモリコントローラを採用
- 上位版の384-bit LPDDR6から構成を縮小し、薄型・省電力ノートPC向けに振った設計
フラッグシップとの差別化により、Ryzen AI Maxファミリー内でセグメントの幅を広げる狙いがうかがえます。
Q&A
Q. Ryzen 7 7700X3Dと7800X3Dの違いは何ですか? 報じられているスペックでは、コア構成(8C/16T)とL3キャッシュ(96 MB)は同じで、ベース4.0 GHz/ブースト4.5 GHzというクロック差が主な違いとされています。それ以外のスペックは据え置きと見られます。
Q. Computex 2026でZen 6搭載製品は発表されますか? 登場の可能性は「低いがゼロではない」と報じられています。仮にお披露目があるとしても、モバイル向けのMedusa Point/Medusa Haloが先行する見通しで、デスクトップ版は後になると見られます。
Q. Medusa Haloは現行Strix Haloと比べてどれくらい飛躍するのですか? 報じられている想定スペックでは、最大コア数が16→24(+50%)、L3キャッシュが64 MB→96 MB(+50%)、GPUアーキはRDNA 3.5→RDNA 5、メモリは LPDDR5X(8,000 MT/s)→LPDDR6(14,400 MT/s?)へと、CPU・GPU・メモリの全方位で世代間の差が大きくなる構図です。ただしいずれも現時点では予測値であり、確定情報ではありません。
出典
- Wccftech — From Zen 5 Refreshes To Next-Gen CPUs, Here’s What To Expect From AMD At Computex 2026
- Tom's Hardware — AMD rumored to ready budget-friendly Ryzen 7 7700X3D for suffering gamers
- Notebookcheck — Detailed AMD Medusa Halo and Medusa Halo Mini APUs leak claims up to 26 Zen 6 cores and next-gen RDNA 5 iGPUs