Android向けPS2エミュレーター「ARMSX2」がバージョン1.0.8へアップデートされ、Mali GPU搭載デバイスへの対応が強化されました。Tensor G5搭載のPixel 10より前の世代のPixel、MediaTek製チップ搭載機、そしてエントリー向けSamsungスマートフォンを使っているユーザーにとって、見逃せないアップデートです。Mali GPUはMediaTekのHelioおよびDimensityプロセッサーの多くに採用されており、Tensor G5より前のすべてのTensorチップにも使われていたことから、恩恵を受けるデバイスの幅は広いと伝えられています。
Mali GPU向けの専用ビルドが不要に——グラフィック問題も改善
今回の最大のポイントは、Mali GPUへの統合サポートです。これまでMali搭載デバイスのユーザーは、Mali専用の別ビルドを使う必要がありましたが、v1.0.8からはメインビルドに直接組み込まれました。
Android Authorityによると、ARMSXチームは「Mali向けのサポートはARMSX2 1.0.8で大幅に改善されました。Mali ユーザーは、最新のグラフィック修正と互換性改善の恩恵を受けるために、Mali専用の別ビルドに頼る必要がなくなりました」と説明しているとのことです。
具体的な改善点としては、グラフィックの不具合の減少、OpenGLレンダラー使用時の動作安定化、そして動作可能・安定動作するゲームの増加が挙げられています。ただし、ブラックスクリーンが表示される場合は、「Blending」オプションを「Maximum」に設定し、「Show GPU on Stats」をオフにする必要がある可能性があるとチームは補足しています。
低スペック端末にも朗報——FPS制限と0.25x解像度で動作幅が拡大
Mali GPU対応の強化以外にも、v1.0.8では複数の機能が追加されています。
- HostFSサポートの追加(ホストファイルシステムへの直接アクセスが可能になり、ISOイメージなしでゲームを起動できる可能性があります)
- PS2のVU1ハードウェアエミュレーションの改善(VU1はPS2のベクター演算ユニットで、より正確なエミュレーションによりゲームの互換性や描画精度が向上します)
- **ディスク交換(Disc Swapping)**のサポート
- FPS制限機能の追加
- 新しい内部解像度オプション(0.25x・0.5x・0.75x)の追加
特に内部解像度の低倍率オプション(0.5xや0.25x)とFPS制限機能は、処理能力が低めのデバイスでPS2ゲームを動かす際に役立つ選択肢です。スペックに余裕のない端末でも、これらの設定を組み合わせることで動作を安定させやすくなります。
現状の限界と「ARMSX2 Refresh」への期待
ARMSX2は現在、x86からArmへの変換(トランスレーション)方式を採用しています。このため、最初からArm向けに設計されたNetherSX2などのエミュレーターと比べると、パフォーマンス面では劣る部分があります。
ただし、ネイティブArm対応を目指した「ARMSX2 Refresh」が開発中であるとAndroid Authorityは伝えています。現バージョンで動作が満足いかない場合は、このRefresh版を待つのも選択肢のひとつかもしれません。
現時点では、Mali GPU搭載のPixelやMediaTek・Samsung端末を持つユーザーはv1.0.8へのアップデートを試す価値があります。一方、Snapdragon搭載機のユーザーや、より高いパフォーマンスを求める場合は、ARMSX2 Refreshの続報を待つのが妥当な判断と言えるでしょう。
Q&A
Q. ARMSX2はどこでダウンロードできますか? ソース記事(Android Authority)にはダウンロード先の直接URLは記載されていません。ARMSXチームの公式Discordで最新情報やダウンロード案内が告知されているとのことですので、出典元記事のリンクを経由してDiscordへのアクセスを確認してみてください。
Q. Snapdragon搭載のスマートフォンでも使えますか? ARMSX2はSnapdragon非搭載デバイス向けの改善に注力したアップデートです。Snapdragon端末での動作については今回のアップデートで特に言及されていません。Snapdragon向けには、NetherSX2などのArm向けネイティブ設計のエミュレーターが引き続き有力な選択肢です。
Q. ARMSX2 Refreshはいつリリースされますか? 現時点では開発中であることが伝えられているのみで、具体的なリリース時期は確認されていません。