GadgetDrop
CPU・GPU注目

ASUSが初の「ROG」DDR5メモリを公開、Crosshair X870E APEXで8800 MT/s OCに成功

GadgetDrop 編集部7
ASUSが初の「ROG」DDR5メモリを公開、Crosshair X870E APEXで8800 MT/s OCに成功

ASUSが、自社初となる「ROG」ブランドのDDR5メモリ「ROG 20th Edition」を発表しました。ROG Crosshair X870E APEXマザーボードを使った発表イベントでは、デフォルト6000 MT/sの製品を8800 MT/sまで引き上げるオーバークロックが披露されています。自作PCユーザーにとっては、ASUS純正のマザー・BIOS・メモリを組み合わせて高速メモリ環境を構築しやすくなる可能性がある一報です。

ROG 20th Edition DDR5メモリの主な仕様

ASUSは今週金曜、ROGブランドとして初のDDR5メモリ「ROG 20th Edition」を発表しました。最大48 GB容量に対応し、低レイテンシ重視と高速重視のプロファイルを切り替えられる「ROG-Mode」を搭載するのが特徴です。

製品の主な仕様は次の通りです。

項目内容
型番表記ROGACN6000CL30-24GBROG20
デフォルト速度6000 MT/s
デフォルトタイミングCL26(型番表記はCL30、ソース内に表記揺れあり)
モジュール容量24 GB(テスト時は2枚構成)
最大容量最大48 GB
専用機能ROG-Mode(低レイテンシ/高速の切替)

ASUSのマザーボードやグラフィックスカードでお馴染みのROGブランドが、ついにメモリにも展開される形です。Wccftechは、ASUSがメモリ分野に本格参入し、エンスージアスト層からメインストリーム層までを狙う製品展開を計画していると伝えています。

8800 MT/sへのOCデモ──水冷で20℃未満を維持

発表イベントでは、ASUS社内オーバークロッカーのSafedisk氏が、新たに発表されたROG Crosshair 2006マザーボード(2006年の初代Crosshairのレトロデザインを、X870EとAM5世代の機能で現代に再構築したモデル)上で、ROG 20th Edition DDR5のオーバークロック能力を披露しました。なお、今回のOCセッションのテストプラットフォームとして実際に使用されたのはROG Crosshair X870E APEXマザーボードです。

テスト環境とOC結果は以下の通りです。

  • CPU: AMD Ryzen 9 9950X3D2(ソース表記ママ)
  • マザーボード: ROG Crosshair X870E APEX
  • BIOS: 最新のAGESA 1.3.0.1(バージョン2301)
  • メモリ: ROG 20th Edition 24GB×2枚
  • OC後速度: 8800 MT/s(CL34)
  • 電圧: 1.70V
  • 冷却: 水冷でサブ20℃を維持
  • 検証ツール: RunMemtestPro
  • 結果: 47分稼働で平均カバレッジ114.50%

デフォルトの6000 MT/sから8800 MT/sまで一気に引き上げ、水冷とはいえCL34という現実的なタイミングで安定動作させた点が見どころです。Wccftechは、今回のキットがエンスージアスト向けOCメモリの世界でも上位に位置するスピードであり、ASUSがメモリ分野に本格参入することをアピールするデモになったと伝えています。

AM5環境のEXPO 1.2サポートも前進

今回の検証に使われたAGESA 1.3.0.1(BIOS 2301)は、ASUSの800シリーズマザーボードファミリーにおいてAMD EXPO 1.2の暫定サポートを有効化するものとされています。EXPO 1.2への対応が進めば、Ryzen環境でのDDR5メモリのプロファイル運用や互換性面でメリットが期待できます。

純粋なメモリスペック競争に加えて、マザーボード・BIOS・OCツールまで自社で揃えられるASUSがROGブランドでメモリを出してくる意味は小さくありません。Crosshair X870E APEXのようなOC特化マザーと組み合わせれば、エコシステム全体として最適化された動作が狙えることになります。AM5環境で本格的なメモリOCを検討しているユーザーにとっては、今後の市販モデルの正式スペックと価格情報を注視しておきたい一報です。

価格・販売スケジュールと「ROG Certified Memory Program」

ROGメモリは限定的な発売地域と高めの価格設定が明らかになっています。ROG DDR5 RGB Edition 20の中国での発売価格は5999元で、単純換算で約880ドル相当、販売開始は2026年6月下旬を予定しており、ライフタイム保証が付帯します。製品はASUSのROG Certified Memory PartnerであるBIWINと共同開発され、SK hynix M-dieを採用、ROG 20周年を象徴する黒・金・赤のデザインに仕上げられています。

価格背景にはメモリ市況の急変があります。2025年中盤に80ドル前後だった標準的なDDR5キットが現在は400ドル超に高騰しており、AIデータセンター向け需要が要因とされる中、ROGキットの価格は同等容量の市場価格の2〜3倍に位置します。

ROG Certified Memory Program参加ベンダー

あわせて発表された認証プログラムは、ASUSエコシステムを軸にした業界連合の様相を呈しています。

  • 参加するDRAMパートナーは合計14社
  • 主要メーカーとしてADATA、Corsair、G.SKILL、Kingstonなどが名を連ねています

EXPO 1.2が拡張するDDR5チューニングとZen 6への布石

検証で用いられたAGESA 1.3.0.1の中身を見ると、EXPO 1.2は単なるプロファイル追加にとどまらない大型アップデートになっています。新リビジョンはMRDIMM、CUDIMM、CSODIMMといった新しいDDR5モジュール形式のサポートと、モジュールジオメトリ対応を追加しています。

注目される新機能の一つがULL(Ultra-Low Latency)モードで、従来のDDR5-6000キットと比較して5〜7nsのレイテンシ低減が見込まれます。

ただし、現行のAGESA 1.3.0.1ファームウェアでは完全なCUDIMMサポートはまだ提供されておらず、フル実装はZen 6世代で行われる見込みです。BIOS配信のロードマップも明確化されており、ASUSはROG Crosshair、ROG Strix、ProArt、TUF X870の各シリーズを対象にBIOS 2301を展開しています。さらに600シリーズやB850マザーボード向けにも順次対応が拡大される予定です。EXPO 1.2は現行世代の延命と次世代Zen 6への橋渡しを兼ねた重要なアップデートになっています。

Q&A

Q. ROG 20th Edition DDR5メモリのデフォルト速度はどれくらいですか? デフォルトでは6000 MT/sで動作し、タイミングはCL26とされています(型番表記はCL30で、ソース内に表記の揺れがあります)。

Q. オーバークロック時の安定性はどう確認されていますか? RunMemtestProでテストされ、47分の稼働で平均カバレッジ114.50%という結果が示されています。水冷によって温度は20℃未満に保たれていました。

Q. 検証に使われたCPUとマザーボードは何ですか? CPUはAMD Ryzen 9 9950X3D2、マザーボードはROG Crosshair X870E APEXで、AGESA 1.3.0.1(BIOS 2301)が使用されています。

出典

ポストLINEで送るはてブ
GD

GadgetDrop 編集部

スマホ・PC・AI・XRなど幅広いテクノロジーを、スペックの行間まで読む視点で解説します。速報から深掘り分析まで、テック選びと業界理解に役立つ情報をお届けしています。