Wi-Fiが遅い・パスワードを忘れた・接続が切れる——スマートホームの中心にあるルーターの不調は日常生活を直撃します。News Computingが2026年8月15日に公開した記事では、ASUSルーターを工場出荷状態に戻す2つの正規手順と、機種によっては少なくとも8種類の異なるハードリセット手順に分岐する点が解説されています。カスタム設定がすべて消える強力な操作である一方、多くの症状に効く「万能薬(catch-all solution)」だと位置づけられています。
リセット前に必ずやるべき準備
ASUSはリセット前の準備として、アカウント情報・パスワード・戻したいカスタム設定をどこかに控えておくよう指示しています。工場出荷状態に戻ると、これらの情報は失われるためです。アカウント情報が不明な場合は、事前にISP(インターネットサービスプロバイダ)へ問い合わせるよう推奨されています。
さらに重要な警告として、ハードリセットは「AiProtection・Traffic Analyzer・Web Historyのすべてのデータログをクリアする」と明記されています。セキュリティ履歴や通信解析データを残したい場合は、リセット前に保存しておくかどうかを慎重に判断する必要があります。
ルーターのユーザー名とパスワードを忘れた場合も慌てる必要はありません。管理画面へのログイン情報は、多くの場合、本体背面または底面のラベル・シールに記載されています。ユーザー名とパスワードは、Advanced Settings タブの Administration セクションから System をクリックして変更できます。ただし一度変更した後はデフォルト値でログインできなくなる点には注意が必要です。
また、ルーターとPCは事前に無線または有線で接続しておく必要があります。有線接続する場合は、ACアダプタをルーター背面のDC-INポートに挿してコンセントへつなぎ、付属のネットワークケーブルでPCとルーターのLANポートを接続します。
手順1:管理画面にアクセスできるならWeb portal経由が最短
管理画面にアクセスできる状態であれば、ASUSはまずWeb portal経由でのリセットを推奨しています。
- ブラウザで
http://www.asusrouter.comにアクセス、またはルーター背面/底面に記載されたLAN IPアドレス(例:http://192.168.50.1)を入力 - ユーザー名とパスワードでログイン(初回アクセスの場合は、リセット操作の前にアカウント設定用のいくつかのステップを進めるよう案内されます)
- 管理画面左下の Advanced Settings 配下にある Administration タブへ進み、画面上部の Restore/Save/Upload Setting タブを開いてリストア操作を実行する
具体的なボタン配置や画面遷移は機種・ファームウェア世代によって異なるため、詳細はASUSのサポートページや公式解説を参照するのが確実です。
手順2:ログイン不能でも物理リセットボタンで復旧できる
Web portalにログインできない場合の代替手段が、本体背面のリセットボタンを用いた手動リセットです。ボタンによる手動リセットの具体的な操作方法は機種によって異なる場合があるため、自分のモデルのマニュアルまたはASUSサポートページの案内に従うのが確実です。
最終手段「ハードファクトリーリセット」——機種別に少なくとも8種類
上記2つでも解決しない場合、ハードファクトリーリセットという最終手段があります。ただしASUSは、ハードリセットの前に通常のリブート手順を試すよう推奨しています。
やや厄介なのは、ASUSルーターのハードリセット手順が モデル・型番によって少なくとも8種類に分岐している 点です。自分の機種に該当する手順は、ASUSのサポートページで型番を検索して確認する必要があります。
優先順位を1行でまとめると次のとおりです:① Web portalからのリセット → ② 背面ボタンによる手動リセット → ③ モデル別ハードファクトリーリセット。いずれの場合も、事前のバックアップとISP情報の確認だけは省略しないようにしましょう。
リセット後のファームウェア更新が必須——2026年に判明した重大脆弱性
工場出荷状態に戻した直後は古いファームウェアで再起動するため、リセット後すぐに最新版へアップデートする必要があります。2026年にはASUSルーターに関する重大な脆弱性が相次いで公表されています。
| CVE番号 | 公開時期 | CVSS | 影響と対策 |
|---|---|---|---|
| CVE-2025-15101 | 2026年3月25日通知 | 8.5 | Web管理画面のCSRF、firmware 3.0.0.6_102以前が対象 |
| CVE-2026-13385 | 2026年7月 | 高 | 3.0.0.4_386/388、3.0.0.6_102系で未認証リモートコマンド実行の恐れ |
| CVE-2025-59366 | 2026年 | 9.2 | AiCloud有効時の認証バイパス、9件の脆弱性に対応するfirmwareが配布 |
とくにCVE-2025-59366はCVSS9.2という極めて高い深刻度で、AiCloud機能を有効にしている環境では認証バイパスによる侵入経路となり得るため、ASUSは9件の脆弱性をまとめて修正したファームウェアを配布しています。CVE-2026-13385も未認証状態でリモートから任意コマンドを実行される恐れがあり、影響範囲が3.0.0.4_386/388や3.0.0.6_102系と広範です。リセット→再セットアップの最終工程として、最新ファームウェアへの更新まで完了させておくことが安全です。
買い替え検討時の選択肢——WiFi 7フラッグシップとWiFi 8の足音
リセットでも改善しない場合や機器自体の世代交代を考える場合、2026年の新製品ラインを把握しておく価値があります。ASUS Republic of Gamersは2026年1月21日にデュアルバンドWiFi 7ゲーミングルーター「ROG Strix GS-BE7200」を発表しています。
- RT-BE96U:BE19000トライバンド、320MHzチャンネル、10Gポート2基を備え、2.6GHzクアッドコアCPUに2GB RAMを搭載するフラッグシップ機です
- ROG Strix GS-BE7200:2026年1月21日に発表されたデュアルバンドWiFi 7対応のゲーミングルーターです
- ROG NeoCore WiFi 8 Router:CES 2026でASUSが披露したWiFi 8デモシステムの一環で、実環境スループット計測も初公開されています
WiFi 8標準の策定は2028年見込みとされており、現時点で買い替えるならWiFi 7世代が現実的な選択肢となっています。
処理能力に余裕のあるRT-BE96Uはヘビーユーザー向け、ゲーミング用途ならGS-BE7200という住み分けになります。
Q&A
Q. リセットするとインターネット接続情報も消えますか? はい。カスタム設定はすべて工場出荷状態に戻るため、ISPから発行されたPPPoEのユーザー名・パスワードや、Wi-FiのSSID・パスワードも再設定が必要になります。事前に控えておくか、ISPへの問い合わせ先を確認しておくと安全です。
Q. AiProtectionの脅威検知ログを残したい場合はどうすればいいですか? ハードリセットではAiProtection・Traffic Analyzer・Web Historyのログがすべて消去されるとASUSが明記しています。残したい場合はリセット前に保存しておくかどうかを事前に検討しておく必要があります。
Q. リセット後の初期SSIDやログイン情報はどこで確認できますか? 多くの場合、本体背面または底面のラベル・シールに、デフォルトのユーザー名・パスワードと接続情報が記載されています。ユーザー名やパスワードを一度変更してリセットした場合も、工場出荷状態に戻ればラベル記載のデフォルト値で再度ログインできます。