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通話中にBluetoothヘッドホンの音質が激落ちする理由と3つの対処法

GadgetDrop 編集部5
通話中にBluetoothヘッドホンの音質が激落ちする理由と3つの対処法

ZoomやDiscord、Microsoft Teamsで通話を始めた瞬間、Bluetoothヘッドホンの音質が急に悪くなった経験はないでしょうか。実はこれ、ヘッドホン本体の問題ではなく、Bluetoothの仕様に起因する現象です。BGRがKazim Alvi氏による解説記事で原因と具体的な対処法を紹介しています。

音質が落ちる本当の原因——プロファイルの自動切り替え

Bluetoothには、用途に応じて複数の「プロファイル」が存在します。音楽再生や動画視聴に使われるのが**A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)で、高品質なステレオ再生に対応しています。一方、通話に使われるのがHSP/HFP(Headset/Hands-free Profile)**で、こちらは音声の送受信を双方向で行える代わりに、音質は大幅に劣ります。

問題は、通話アプリを起動した瞬間にBluetoothが自動的にA2DPからHSP/HFPへ切り替わることです。この切り替えによってステレオ再生がモノラルに変わり、空間オーディオなどのエフェクトも無効化されます。つまり、会議中に音楽も聴いていた場合、突然片耳分のモノラル音声になり、ヘッドホンが別物のように聞こえる状態になります。Bluetooth技術自体は年々大きく進化していますが、通話と音楽再生の両方に対応するヘッドホンである以上、メーカー側が取れる手段には限界があるとBGRは説明しています。ただし、より新しいプロトコルを使うか、シンプルな回避策を取ることで改善できる可能性があります。

Windowsで試せる設定変更——2つのアプローチ

① ハンズフリーテレフォニーを無効化する

Windowsの設定から「Bluetooth とデバイス」→「デバイス」→「その他のデバイスとプリンターの設定」を開き、コントロールパネルでヘッドホンを右クリックして「プロパティ」→「サービス」タブへ進みます。ここで「ハンズフリーテレフォニー」と「リモート制御可能なデバイス」のチェックを外して保存します。

設定が元に戻ってしまう場合は、「services.msc」コマンドからサービス管理ツールを開き、「Bluetooth Audio Gateway Service」を無効化・停止することで固定できます。ただし、この操作はすべてのオーディオデバイスでハンズフリーテレフォニーが無効になる点に注意が必要です。

② Bluetooth LE Audio(TMAP)を有効化する

Microsoftは、A2DPやHSP/HFPに加えて**TMAP(Telephony and Media Audio Profile)**という新しいプロファイルを導入しています。Windows 11 22H2以降が対象で、PCとヘッドホンの両方がこの機能に対応している必要があります。対応している場合は、「設定」→「Bluetooth とデバイス」→「デバイス」の中にある「Bluetooth LE Audio」をオンにすることで利用できます。

マイクを変えるだけで解決?手軽な回避策

設定変更で改善しない場合、手軽な方法は通話中のマイク入力デバイスを切り替えることです。ZoomやDiscordなどのアプリには音声入力デバイスを変更する設定が内蔵されており、ここでノートPCの内蔵マイクやWebカメラのマイクを選択するだけで対応できます。

マイク入力をヘッドホン以外に切り替えることで、ヘッドホン側はA2DPプロファイルのまま高音質再生を維持できます。BGRは、ほとんどの人にとってはこの入力デバイスの変更で解決できると述べています。なお、入力デバイスの切り替えはスマートフォンよりPCのほうが容易で、スマートフォンでは対応が難しい場合もあります。

有線ヘッドホンへの切り替えも有効な選択肢のひとつです。有線接続はBluetoothプロファイルの制約を受けず、一般的に音声伝送においてより信頼性が高いとBGRは説明しています。ハイファイ愛好家が有線ヘッドホンを選ぶ理由のひとつでもあります。ただし、この方法を検討するのは通話中に限った話であり、組み込みの設定変更で音質が改善しない場合の選択肢となります。

どの対処法を選ぶか

まずはWindows 11 22H2以降の環境でBluetooth LE Audioに対応しているかどうかを確認するのが最初のステップです。対応していれば設定変更だけで改善できる可能性があります。対応していない場合や設定変更が効かない場合は、マイク入力の切り替えが手軽な回避策となります。有線ヘッドホンへの移行は、それでも解決しない際の選択肢として検討できます。


Q&A

Q. 通話中にBluetoothヘッドホンの音質が悪くなるのはなぜですか? 通話アプリを起動すると、BluetoothがA2DPからHSP/HFPプロファイルへ自動的に切り替わるためです。HSP/HFPは双方向通話に対応している一方で音質が低く、ステレオからモノラルへの変換も行われるため、空間オーディオなどのエフェクトも無効化されます。

Q. スマートフォンでも同じ方法で対処できますか? マイク入力の切り替えはスマートフォンでも理論上は可能ですが、PCと比べて操作が難しく、問題が生じる可能性があるとBGRは説明しています。Windows向けの設定変更(LE Audio有効化・サービス無効化)はPC専用の対処法です。

Q. Bluetooth LE Audioを使うには何が必要ですか? Windows 11 22H2以降のPCと、TMAP(Telephony and Media Audio Profile)に対応したBluetoothヘッドホンの両方が必要です。どちらか一方でも非対応の場合は利用できません。

出典

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GadgetDrop 編集部

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