Cooler Masterが手がけるモジュール式マクロパッド「MasterHUB」のレビューをTom's Hardwareが公開しました。クリエイター向けとして高い拡張性を謳う本製品ですが、ソフトウェア面の未熟さが完成度を引き下げているという評価です。
Kickstarterで1時間以内に目標達成——ただし発売後も課題を抱えたまま
MasterHUBは約2年前にKickstarterで公開されたプロジェクトで、1時間以内に目標金額を達成し、最終的に267,491ドルを調達した。その後、バッカーへの出荷が開始されたのは約1年前のことで、現在はAmazonでCreator Kitが136〜170ドルで購入できる。
同価格帯の競合製品としてはElgato Stream Deck+(170ドル)が挙げられる。ただしTom's Hardwareは、発売後もプラグインや機能追加といった当初の約束が十分に果たされていない点を指摘している。総評は「可能性はある。ただし、あくまで可能性にとどまっている」という厳しいものだ。
本体サイズと構成——Stream Deck XLより一回り大きい
MasterHUBのCreator Kitには以下のモジュールが同梱される。
- ベースモジュール(本体)
- 15キーIPS液晶モジュール
- 5フェーダーモジュール
- 2ローラーモジュール
加えて、3ノブモジュールとエンコーダーダイヤルモジュール(クリック可能なダイヤルとカスタマイズ可能な画面付き)が別売りされている。モジュールはホットスワップ対応で、ベースの各スロットにポゴピンコネクタで接続する仕組みだ。
本体サイズは190×126.5mmで、Elgato Stream Deck XL(182×112mm)よりも一回り大きい。ベース単体の厚みは16.2mm、モジュール装着時は約25.4mmになる(ボタン・ノブの高さは含まない)。重量はベース単体で346g(12.2oz)、Creator Kitのモジュールをすべて装着すると**677g(1.5lbs)**に達する。
付属品は長さ**1.8m(6フィート)**のUSB-C to USB-Cケーブルとマグネット着脱式のラバースタンド。スタンドはベースを水平・垂直の2方向に対応した角度で設置できる。ベース側面にはmini DisplayPortとUSB-Cポートが備わっており、縦横いずれの向きにも対応する。システム要件はWindows 10のみで、macOSやLinuxへの対応は現時点では記載がない。
IPS液晶キーの質感は良好、ソフトウェアが失速の主因
15キーIPS液晶モジュールは、各キーが**15mm(0.6インチ)**角の透明プラスチックカバーを持ち、その背後に大型フルカラーIPSディスプレイが配置される構造だ。Elgato Stream Deck MK.2やLoupedeck採用のRazer Stream Controller Xに近い構成で、Tom's Hardwareはキーの触感について「好ましい」と評している。
ただし総合評価でネガティブ要素として挙げられているのは「ソフトウェアの問題」「価格の高さ」「サイズの大きさ」の3点。特にソフトウェアについては、プラグインや外部サービスとの連携が不十分であり、複雑なワークフローへの対応には難があるとTom's Hardwareは結論づけている。
購入を検討するなら——競合との差別化が問われる局面
Tom's Hardwareの最終評価は「シンプルな用途であれば検討に値するが、プラグインや連携機能を求めるなら他を選んだ方がよい」というものだ。価格はElgato Stream Deck+と同水準でありながら、ソフトウェアエコシステムの成熟度では差がある状況だ。
購入を検討するなら、自分のワークフローが「キー・フェーダー・ローラーの物理操作だけで完結するか」が最初の判断ポイントになる。外部アプリとの深い統合を必要とする用途では、現時点では選択が難しいと言える。
Q&A
Q. MasterHUBのCreator Kitには何が入っていますか? ベースモジュール、15キーIPS液晶モジュール、5フェーダーモジュール、2ローラーモジュール、1.8m USB-C to USB-Cケーブル、マグネット着脱式ラバースタンドが同梱される。3ノブモジュールとエンコーダーダイヤルモジュールは別売りだ。
Q. macOSでは使えませんか? Tom's Hardwareが掲載しているスペックでは動作環境にWindows 10のみが記載されており、macOSへの対応は明記されていない。
Q. Stream Deck XLと比べてどのくらい大きいですか? MasterHUBは190×126.5mm、Stream Deck XLは182×112mmで、MasterHUBがひと回り大きい。モジュールをすべて装着した際の重量は677gに達し、携帯性よりもデスク据え置き前提の設計だ。
出典
- Tom's Hardware — Cooler Master MasterHUB review: A modular stream deck with potential