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NVIDIA初のコンシューマPCチップ「RTX Spark」発表——Apple M5に挑戦、1,200億パラメータをローカル実行

GadgetDrop 編集部8
NVIDIA初のコンシューマPCチップ「RTX Spark」発表——Apple M5に挑戦、1,200億パラメータをローカル実行

NVIDIAがコンシューマ向けPC用統合チップ「RTX Spark」を発表しました。90GBの超大型3Dシーン、12K動画編集、最大1,200億パラメータの大規模言語モデルのローカル実行までを1台のノートPCで——というのが同社の訴求点です。MacRumorsは、グラフィックスカード中心だった同社がラップトップ全体を駆動するシリコンへ初めて踏み込む格好で、明確にApple Siliconとの対決姿勢を示していると報じています。第一弾の搭載機はMicrosoftのSurface Laptop Ultraです。

90GBシーンも1,200億パラメータLLMも——RTX Sparkが謳う性能

NVIDIAは月曜日、台北で開催中のComputexにて、CEOのJensen Huang氏がRTX Sparkを発表しました。同社はこのチップを「これまでに作られた中で最も効率のよいPCチップ(the most efficient PC chip ever built)」と位置づけ、アプリ間を横断して能動的に動く「チームメイト」のようなAIエージェントを常時走らせる用途を想定しています。

性能の訴求として、NVIDIAは以下の具体的な動作を可能にすると説明しています。

  • OptiXとDLSSを用いた90GBの超大型3Dシーンのレンダリング
  • NVIDIA Blackwellデコーダによる12K 4:2:2動画の編集
  • コンテキスト長100万トークン・1,200億パラメータの大規模言語モデルの実行
  • レイトレーシング・DLSS・Reflexを有効にしたAAAゲームを1440p解像度かつ100fps超でプレイ

ユーザー視点に翻訳すれば、ChatGPT級規模のモデルをクラウド接続なしでローカル動作させたり、外付けGPUなしでAAAタイトルを快適にプレイしたりといった用途がノートPC1台で完結する可能性を示すスペックです。

アーキテクチャはAppleのチップと同様にArmベースで、Blackwell世代のRTX GPUとGrace CPUを組み合わせた構成です。実態は昨年発売された小型「パーソナルAIスーパーコンピューター」DGX Sparkに搭載された「GB10」と同じチップに当たり、それを一般PC市場へ持ち込む布陣となります。

初搭載機はSurface Laptop Ultra——最大128GBのユニファイドメモリ

第一弾の搭載モデルとして名前が挙がっているのが、Microsoftの15インチ新型ノート「Surface Laptop Ultra」です。

項目仕様
ディスプレイmini-LEDタッチスクリーン
タッチパッドSurfaceシリーズ史上最大のハプティックタッチパッド
ポート類HDMI、USB-C、USB-A、SDカード、ヘッドホン
メモリ最大128GBユニファイドメモリ
ローカルAIモデル最大1,200億パラメータ※

※「最大1,200億パラメータ」は、MicrosoftがNVIDIA提示の理論性能値に基づき示している数値です。

Microsoftは本機を「これまでに作った中で最もパワフルなSurface」と表現しています。クラウドに頼らずこのクラスのモデルを手元で扱える前提のノートPCは、現時点では極めて限られます。機内モードや出先のオフライン環境でも大規模モデルを動かせるという体感価値が、最大のセールスポイントになり得ます。

Apple M5への挑戦と展開規模

RTX Sparkがぶつかる相手として明確に名指しされているのが、オンデバイスAI処理用のラップトップ向けチップとして高い評価を得ているAppleのM5です。Armベースの統合SoCで競合する構図となり、AIワークロードの処理性能と電力効率を軸にした比較が今後の焦点となります。

展開規模も大きく、NVIDIAによればRTX Sparkは最終的にAsus、HP、MSI、Lenovo、Dellなどが手がける約30機種のノートPCと10機種以上のデスクトップに搭載される見通しです。MacRumorsは、Microsoft単独のチャレンジではなく、Windowsエコシステム全体でApple Siliconに対抗するアーキテクチャ転換の一手と読める構図だと位置づけています。

価格と発売時期——プレミアム帯狙い

Surface Laptop Ultraの発売はMicrosoftによれば「年内(later this year)」とされています。一方で価格は現時点で発表されていません。NVIDIAは、RTX Spark搭載機の第一陣が市場のプレミアム帯を狙うとの見方を示しています。

ハイエンドAI処理を手元のノートPCで完結させたいクリエイターや開発者にとって、注目すべき第一弾と言えます。コンシューマ市場でApple M5の牙城を崩せるかを見極めるうえで、次の判断材料となるのは電力効率と価格の2点です。実機ベンチマークでのワットパフォーマンスと、プレミアム帯の中でどの価格レンジに着地するか——この2点が公開された段階で、ようやくApple M5との実質的な比較が可能になります。

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2030年までのSparkロードマップ——Vera RubinからRosa Feynmanへ

NVIDIAはRTX Sparkを一過性の製品で終わらせない姿勢を打ち出しています。Jensen Huang氏は今後のプラットフォーム世代ごとにSparkチップを継続投入すると公言し、2030年までの長期ロードマップを示しました。

世代投入時期メモリ
Grace Blackwell Spark2026年LPDDR5X 最大128GB
Vera Rubin Spark2027〜2028年LPDDR6
Rosa Feynman Spark2029〜2030年HBM Next

Vera Rubin SparkはLPDDR6規格を採用し、初代の600GB/秒を上回る帯域と電力効率の改善が見込まれています。Rosa Feynman Sparkの名称が公開ロードマップに登場したのは今回が初めてで、Rosa CPUとCX10ネットワーキングを伴うとされています。コンシューマPC領域への参入が単年の試行ではなく、データセンター製品と並走する常設ラインへ位置づけられたことを示す内容となっています。

2チップレットSoCとMediaTek協業——RTX Sparkの内部構成

RTX Sparkの内部構成は2チップレットSoCで、NVIDIA Blackwell GPUチップレットとMediaTekが設計したCPU・I/Oチップレットをシリコンブリッジで接続し、最大600GB/秒のチップ間帯域を確保しています。CPUとGPUはNVLink-C2Cインターコネクトで結ばれ、ユニファイドメモリを共有する構成です。

演算ユニットの内訳

  • Blackwell GPU: 6,144基のCUDAコア、FP4精度対応の第5世代Tensorコア
  • Grace CPU: Armベースの20コア構成
  • ゲーミング性能: モバイル版RTX 5070に匹敵、DLSS 4.5とMulti Frame Generationに対応
  • AI演算性能: Surface Laptop Ultraで1ペタフロップス

NVIDIAシリコンがWindows PCの主プロセッサとして採用されるのは今回が初めてで、IntelとAMDが長年握ってきたx86デュオポリーに正面から切り込む形となっています。

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Q&A

Q. RTX Sparkは具体的にどんなチップですか? NVIDIA初のコンシューマPC向け統合チップで、Armベースの構成です。Blackwell世代のRTX GPUとGrace CPUを組み合わせており、実態としては昨年のDGX Sparkに搭載された「GB10」と同じチップをPC市場向けに展開するものです。

Q. どのメーカーのPCに搭載されますか? 最初の搭載機はMicrosoftのSurface Laptop Ultra(15インチ)です。最終的にはAsus、HP、MSI、Lenovo、Dellなどから約30機種のノートPCと10機種以上のデスクトップに搭載される見通しとされています。

Q. なぜ第一陣はプレミアム帯狙いとされているのですか? NVIDIAは第一陣について市場のプレミアム帯を狙うとの見方を示していますが、その具体的な理由は現時点では明らかにされていません。最大128GBのユニファイドメモリ構成や1,200億パラメータ級のローカル実行といったハイエンド志向のスペックを踏まえると、エントリー価格帯から出すような製品ではない、というポジショニングが反映されたものと読めます。なお、Apple M5搭載機との具体的な価格比較は公表された情報の範囲では行われていません。

出典

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