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NVIDIAとSK Hynix、複数年技術提携を締結——Vera Rubin・RTX Spark向け次世代メモリを共同開発へ

GadgetDrop 編集部7
NVIDIAとSK Hynix、複数年技術提携を締結——Vera Rubin・RTX Spark向け次世代メモリを共同開発へ

NVIDIAとSK Hynixが、AIインフラ向け次世代メモリを共同開発する複数年の技術提携を発表しました。Jensen Huang氏のComputex(台北)に続く韓国訪問で明らかになったもので、対象はVera Rubin AIスーパーコンピューターVera CPURTX Spark搭載PC、Jetson Thorロボティクス基盤と、データセンターからパーソナル/フィジカルAIまでを横断します。

Vera Rubin世代の供給網はこれで盤石か

NVIDIAとSK Hynixは、NVIDIAのAIインフラロードマップに整合する次世代メモリの複数年技術提携を結びました。提携は先端メモリの供給を支えるもので、長期化する開発サイクル、先端製造、そしてAIファクトリーの世界的な構築を維持するために必要な設備投資に対応する狙いがあります。

背景にはAgentic AIの台頭によるメモリ供給の逼迫があります。両社は供給を最新のAIインフラ計画に追随させることを目指しており、SK Hynixにとっては「NVIDIAが切り拓く新市場」への用途分散にもつながる動きです。

AIインフラ・パーソナルAI・フィジカルAIの3領域を横断

今回の提携で特徴的なのは、対象がデータセンター向けにとどまらず、NVIDIAが切り拓こうとしている新市場全体に広がっている点です。SK Hynixは以下4つのプラットフォーム向けメモリを共同開発します。

  1. Vera Rubin AIスーパーコンピューター(データセンター向けAIインフラ)
  2. Vera CPU(NVIDIA独自CPU)
  3. RTX Spark搭載PC(パーソナルAI)
  4. Jetson Thorロボティクスコンピューティング基盤(フィジカルAI)

データセンターのAIインフラに加え、パーソナルAI(RTX Spark)やフィジカルAI(Jetson Thor)にまで踏み込む構図で、SK Hynixにとってもメモリ事業の用途分散につながる動きです。

半導体設計・製造にもNVIDIAスタックを適用

提携には、半導体そのものの設計・製造プロセスにNVIDIAのソフトウェア群を取り込む計画も含まれます。両社はCUDA-XライブラリとPhysicsNeMoを活用し、半導体シミュレーション、TCADワークフロー、社内エンジニアリングコードを高速化します。

さらにSK Hynixは、OmniverseOpenUSDによるシーン最適化、cuOptを組み合わせてファブ(工場)のデジタルツインを構築し、完全自律のファブ運用を進める方針です。メモリベンダーがNVIDIAのスタックを設計から製造、運用まで縦断的に採用する形となります。

Jensen Huang氏のコメント

Jensen Huang氏は今回の発表に際し、AIファクトリーと先端メモリの関係性を次のように語りました。

「AIファクトリーは次の産業革命のエンジンであり、先端メモリはその性能に不可欠です。SK HynixはNVIDIAにとって並外れたパートナーであり、NVIDIAのAIコンピューティングプラットフォーム向けの先端メモリ技術を提供するうえで中心的役割を果たしてきました。私たちは共にAIファクトリー向け次世代メモリを共同開発し、フロンティアモデルの学習からエージェント型AI、フィジカルAIに至るまで、AIインフラの世界的な拡大の加速を支えていきます」

Huang氏はComputexでの台北訪問に続いて韓国を訪れ、長年のエコシステムパートナーであるSK Hynixと今回の合意に至りました。

RTX Sparkや次世代GPUへの含意

具体的な投資額や生産能力の数値は公表されていません。ただ、テックリテラシーの高い読者にとっての要点は、Vera Rubin世代と派生プラットフォーム(4種類)の供給網が複数年契約として制度化されたという点にあります。これにより、RTX Spark搭載PCやJetson Thor搭載ロボティクス機器の出荷タイミングが、メモリ調達のボトルネックに左右されにくくなる可能性が高まります。実際の歩留まりと出荷時期にどう波及するかが、次の注目点になります。

HBM4のサプライヤー構図とSK Hynixのシェア

Vera Rubin向けHBM4の供給網は、SK Hynix一社独占ではなく、SamsungとMicronを含む三社体制で構成されています。NVIDIAは3社すべてをVera Rubin向けHBM4サプライヤーとして認定済みで、その中でSK Hynixが最大の取り分を握る構図です。

サプライヤーVera Rubin向けHBM4配分2026年HBM4市場シェア予測
SK Hynix約60〜70%54%
Samsung約25〜30%28%
Micron残り18%

SK Hynixが共同開発パートナーとして突出した位置を占める一方、Samsungは早期納入で巻き返しを狙い、Micronも一定の枠を確保しています。複数年提携が制度化されても、ハイエンドAIメモリ市場が単独供給に集約されたわけではなく、三社競合の構図は維持されています。

Vera Rubin量産スケジュールと16-Hi HBM4への要求

Vera Rubinは2026年6月に本格量産入りし、Q3(7〜9月)からAWS、Google Cloud、Microsoft Azure、Oracleといった主要クラウド事業者向けに出荷が始まる計画です。HBM4世代の実機投入が目前に迫っていることになります。

仕様面で進む高速化・高積層化

  • ピン速度の引き上げ:NVIDIAはHBM4の転送速度をピンあたり11Gbps超に押し上げており、SK Hynix・Samsung・Micronの3社はHBM4の設計修正を余儀なくされています。
  • 16-Hi(16層積層)への移行要求:NVIDIAはメモリ各社に対し、12層HBM4の次段階となる16-Hi HBMを2026年Q4までに納入するよう求めており、積層数の引き上げ競争が本格化しています。
  • 量産タイミング:SK HynixのHBM4本格量産は2026年第3四半期が見込まれ、Vera Rubinの出荷時期と整合する形でラインが立ち上がる予定です。

スペックの上振れと納期短縮が同時に要求されており、メモリ各社の歩留まり確保が次の焦点となります。

Q&A

Q. SK Hynixが半導体製造プロセスに取り入れるNVIDIA技術は何ですか? CUDA-XライブラリとPhysicsNeMoによるシミュレーションとTCADワークフローの高速化、ならびにOmniverse・OpenUSD・cuOptを用いたファブのデジタルツイン構築です。最終的には完全自律のファブ運用を目指します。

Q. パーソナルAI・フィジカルAIに該当する製品はどれですか? パーソナルAIはRTX Spark搭載PC、フィジカルAIはJetson Thorロボティクスコンピューティング基盤が該当します。これまでデータセンター中心だったSK HynixのNVIDIA向け供給が、エッジ・端末側にも広がる形です。

Q. 提携は具体的な数量や金額を公表していますか? 現時点では投資額や生産能力の具体的な数値は明らかにされていません。複数年の技術ロードマップに沿った供給契約という枠組みと、Vera Rubin・Vera CPU・RTX Spark・Jetson Thorという4つの対象プラットフォームのみが公表されています。

出典

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