GSMArenaが触れた中ではBluetooth 6.1でデータを伝送するのは初とされるイヤホンであり、しかもケース込みで最大40時間再生——Oppoの新クリップ型オープンイヤホン「Enco Clip2」のハンズオン情報が公開されました。Dynaudio共同チューニングのデュアルドライバー(11mmウーファー+9mmツイーター)に、6nm AIチップによるオンデバイス・リアルタイム翻訳まで詰め込んだ意欲作です。本稿ではGSMArenaの実機レポートをもとに、現時点で分かっている内容を整理します。
装着感と外観:5gの軽量設計と「イヤリング風」の見た目
GSMArenaの実機レポートによると、Enco Clip2はクリップ型オープンイヤホンで定番となった「アコースティックボール+コンフォートビーン」構造を採用しています。レビュー機のカラーは「Luminous Gold」で、ケースには真珠光沢、イヤホン側には反射シルバー仕上げが施されています。GSMArenaは、この金属的な仕上げが「イヤリング風」の見た目を強めており、好みが分かれる可能性があると指摘しています。
装着感については、各イヤホン約5g、ケース込みで約46gという軽さで、ランニング中もずれない安定したフィット感が確認できたとGSMArenaは評価しています。
- 各イヤホン:約5g
- ケース込み総重量:約46g
- 形状:丸型ケースで小さめのポケットにも収まる
- IP55等級:ジムや雨天での使用に対応(水没は不可)
二つのイヤホンをつなぐアーチ部分には新たにニチノール(ニッケルチタン合金)が採用され、Oppoは数千回の屈曲後も構造を維持できると説明しています。Oppoは、チタンやアルミを使う競合モデルより耐久性で優れると主張しています。
音質・接続性:Bluetooth 6.1対応は買いか
Enco Clip2は11mmウーファーと9mmツイーターのデュアルダイナミックドライバーを搭載し、デンマークのオーディオブランドDynaudioが共同チューニングを手がけています。GSMArenaの短時間試聴では、オープンイヤー型としては解像度の高いサウンドステージと、印象的な低音応答が得られたと評価しています。ただし、ハイエンドのカナル型モデルと比べると音質面で妥協が必要との注釈も添えられています。
接続面では、Bluetooth 6.1への対応が大きなポイントです。GSMArenaは、Bluetooth 6.1でデータを伝送するイヤホンに触れたのは今回が初めてだとしており、従来世代に比べてプライバシーとバッテリー寿命の面で改善があるとしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ドライバー | 11mmウーファー+9mmツイーター(Dynaudio共同チューニング) |
| Bluetooth | 6.1 |
| 対応コーデック | LHDC 5.0、AAC、SBC |
| ペアリング | 2台ペアリング(dual-device pairing)対応 |
| 防塵防水 | IP55 |
加えて、6nmプロセスの「AI Quad-Core Chip」と専用NPUを内蔵し、新しいOppoスマートフォンとペアリングした際にはオンデバイスのリアルタイム翻訳が利用できるとされています。映画・TV視聴向けの空間オーディオ機能「Oppo Alive Audio」も搭載されています。
バッテリー・操作・価格:最大40時間再生と約180ユーロ
操作はタッチジェスチャーで、Oppo Hey Melodyアプリからタップ・スワイプの割り当てや4種類のEQプロファイルの切り替えが可能です。カメラのリモートシャッターやSpotifyのクイック起動にも対応します。
バッテリー持続時間についてOppoは、ケース込みで最大40時間の再生が可能としています。
- イヤホン単体:AACで9.5時間/LHDCで8時間
- ケース込み合計:最大40時間(Oppo公称値)
なお、同梱物はイヤホンと充電ケースのみで、充電ケーブルや追加のイヤークッション、その他のアクセサリーは付属しないとGSMArenaは記しています。これは最近の競合クリップ型イヤホンと大きく変わらない構成だと評価されています。
価格については、GSMArenaがAmazon Germanyで約180ユーロで購入可能と紹介しています。日本市場での販売有無や価格はソース記事に記載がないため、現時点では不明です。
Bluetooth 6.1対応は買いか
今回はGSMArenaのハンズオン記事をベースとした初期レポートであり、長時間使用での音質・装着感・バッテリー実測値などはまだ検証されていない段階です。Bluetooth 6.1対応や6nm AIチップ、Dynaudio共同チューニングといった先進的な要素が並ぶ一方、オープンイヤー型である以上、遮音性や低音再現でカナル型に及ばない点は留意が必要です。
クリップ型オープンイヤホンに興味があり、Oppoスマートフォンとの組み合わせでリアルタイム翻訳まで活用したい人にとっては注目候補と言えます。音質最優先のユーザーや日本国内での正式販売を待ちたいユーザーは、より詳細なレビューと国内展開の続報を待つのが妥当でしょう。
Bluetooth 6.1がイヤホンにもたらす実利:プライバシーと省電力の両立
Enco Clip2が採用するBluetooth 6.1は、2025年5月に公開されたコア仕様で、プロトコル全体を刷新するものではなく、接続をより安全かつエネルギー効率の高いものにするリファインメントが中心です。
主な改善ポイント
- RPA(Resolvable Private Address)をランダムな間隔で更新できるようになり、Bluetoothスキャンによる端末追跡が大幅に困難になっています
- RPA_Timeout_MinとRPA_Timeout_Maxの2パラメーターが導入され、コントローラーが両者の間でランダムに更新周期を選択する仕組みです
- 同じランダム化アドレスの挙動が不要な無線ウェイクアップを減らし、イヤホンやウェアラブルのバッテリー寿命延長にも寄与しています
なお、SIGは2025年11月にBluetooth Core Specification 6.2を公開し、Shorter Connection Intervalなどを追加しています。市場全体では2025年時点でBluetooth 6.0/6.1搭載機器はまだ限定的で、2026年に普及拡大が予想されており、Enco Clip2はその波の先頭に位置するモデルと言えます。
クリップ型オープンイヤホン市場の現在地——競合と立ち位置
Enco Clip2が投入されるオープンイヤー市場は、構造的な転換点を迎えています。Omdiaによると、オープンイヤー製品は2025年に世界の個人向けオーディオ市場の10%超を占め、年間出荷台数は3000万台を超えました。特にエア・コンダクション方式のクリップ型がカテゴリの成長エンジンとなり3桁の出荷成長を記録、上位5社のシェアを合計しても50%未満という分散市場となっています。
| 競合モデル | 重量 | バッテリー(ケース込み) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| EarFun Clip 2 | 5.5g | 40時間 | 100以上の言語のAIリアルタイム翻訳対応 |
潮流の面でも示唆的な動きが報告されています。CES 2026ではオープンイヤーが単なるフォームファクター差別化ではなく、シナリオ駆動型の価値提案へと焦点が移行し、システムレベルの能力で差別化される段階に入りました。Enco Clip2のオンデバイス翻訳やAIチップ搭載は、まさにこの「シナリオ駆動」競争への回答に位置づけられます。
Q&A
Q. 他社のクリップ型オープンイヤホンと何が違いますか? GSMArenaが触れた中ではEnco Clip2がBluetooth 6.1でデータを伝送する初のモデルとされ、プライバシーとバッテリー寿命で改善があるとされています。さらに、Dynaudio共同チューニングのデュアルドライバー(11mmウーファー+9mmツイーター)、ニチノール製アーチによる耐久性、6nm AIチップでのオンデバイス・リアルタイム翻訳(対応Oppoスマホ限定)が差別化ポイントです。
Q. バッテリーはどのくらい持ちますか? Oppoの公称値では、ケース込みで最大40時間の再生が可能です。イヤホン単体ではAACで9.5時間、LHDC 5.0で8時間とされています。いずれもOppoによる公称値で、実使用での検証はこれからです。
Q. 日本でも購入できますか? GSMArenaの記事ではAmazon Germanyで約180ユーロと紹介されているのみで、日本での販売・価格に関する情報はソース記事に記載されていません。続報を待つ必要があります。