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Appleを出し抜く34万円——Snapが2026年秋にARグラス「Specs」を先行投入

GadgetDrop 編集部6
Appleを出し抜く34万円——Snapが2026年秋にARグラス「Specs」を先行投入

Appleがディスプレイ付きARグラスを投入できずにいる空白期を突く形で、Snapが$2,195(約34万円)のシースルー型ARグラス「Specs」を発表しました。CEOのEvan Spiegel氏が「AWE USA 2026」で披露したもので、2026年秋に米国・英国・フランスで発売される予定です。$200の返金可能デポジットで本日から予約を受け付けます。

Appleの空白期を突く先行投入

注目すべきは、Snapが大手より先にこのカテゴリへ製品を投入する点です。Appleもレンズ付きのスマートグラスを開発中と伝えられていますが、製品化はまだ数年先とされ、最初に投入される製品はAI機能のみでディスプレイは内蔵されず、2027年後半まで登場しないとされています。

「プラスチック・チタン」フレームとデュアルSnapdragon

Specsは、Snapが「plastic titanium(プラスチック・チタン)」と表現するスイス製のTR90ポリマーで作られた軽量フレームを採用し、「数時間装着できる」軽さを謳っています。サイズは2種類で、47mmフレームが132g(4.7オンス)、52mmフレームが136g(4.8オンス)。度付きレンズは簡単に差し替え可能で、家族や友人との共有も想定されています。

内部にはSnapdragonチップを2基搭載し、片方がレンズ(ARコンテンツ)処理、もう片方がコンピュータビジョン処理を担当します。センサー類は以下の通りで、視覚・空間認識・音声入出力をひと通りカバーする構成です。

  • フルカラー高解像度カメラ × 2(映像撮影と表示)
  • 赤外線コンピュータビジョン用カメラ × 2(暗所でも周囲を認識)
  • 6軸IMU(慣性計測ユニット/頭の動きや傾きをリアルタイムに追跡)
  • マイクアレイ/ステレオスピーカー(空間オーディオ対応の音声入出力)

ハンドトラッキングによるジェスチャー操作と、自然な音声コマンドに対応する音声認識も備えています。

51度視野=115インチ相当のステレオ導波路ディスプレイ

ディスプレイはステレオ導波路ディスプレイ(stereo waveguide display)で、視野角は51度。Snapは「3メートル(10フィート)離れて115インチのスクリーンを見ているような体験」に相当すると説明しています。映像は液晶オン・シリコン(LCoS)方式のマイクロプロジェクタから投影され、周囲の明るさに応じてレンズが自動で減光する仕組みです。

前世代45分から最大4時間へ:大幅に伸びたバッテリー

バッテリー駆動時間は混合利用で最大4時間。装着したまま充電できる専用のマグネット式ケーブルと、20時間ぶんの充電に対応するケースが付属します。開発者向けに限定されていた前世代「Spectacles」の駆動時間がわずか45分だったことを踏まえると、大幅な強化といえます。

USB-C接続でPC・スマートフォン・ゲーム機の外部ディスプレイとしても利用でき、映画やTV番組の視聴、ホワイトボードへの書き込み、既存のSnapchatレンズの利用などが可能です。

開発エコシステム:Claude Code・Codex・Cursor統合

ソフトウェア面では、Lens StudioにAIエージェント型の開発機能が追加され、Claude Code・Codex・Cursorとの開発者向け統合も用意されています。レンズ側ではOpenAIとGeminiのAPIを使ったAR体験の構築が可能で、Snapchat向けに既に存在する大量のレンズ資産がそのまま動作する点も強みです。

価格は$2,195(約34万円)で、購入を検討するなら、自分が使いたいSnapchatレンズや開発したいAR体験が51度視野・最大4時間という制約のなかで成立するかが判断のポイントになります。

Android XR陣営とXrealが追随する2026年のARグラス競争

Snapが先陣を切る一方で、2026年はARグラス市場全体が一気に動く年となります。SamsungとGoogleは、共同開発するAndroid XR搭載スマートグラスを2026年秋に投入する計画を公式に明らかにしました。第1世代は音声+カメラ中心でディスプレイを搭載せず、ディスプレイ版は2027年のロードマップに置かれています。一方、XrealはAndroid XRを採用した初のディスプレイ型グラス「Project Aura」を2026年末までに投入予定としており、同じ年内にディスプレイ付きAR機が複数並ぶ形になります。

市場規模の予測も追い風です。

指標数値
AIグラス市場規模(2024年)19.3億ドル
AIグラス市場規模(2030年予測)82.6億ドル
CAGR27.3%
Ray-Ban Metaの前年比成長率210%

ディスプレイなしの「Ray-Ban Meta型」と、Specsに代表されるディスプレイ付き「空間コンピューター型」の二極化が鮮明になりつつあります。

「ポストスマートフォン」を狙うSnapの賭けと開発者の動き

Spiegel氏がSpecsに込めているのは、単なる新カテゴリー製品の投入ではなく、スマートフォン後の主役端末を取りに行く戦略的な賭けです。CNBCのインタビューでは、Specsを「現在入手可能な、最も高性能で、最も周囲を認識でき、最もアクセシブルな空間コンピューター」と位置付けています。さらにUploadVRに対しては、音声のみで動くスマートグラスを「電話のアクセサリやオープンイヤー型ヘッドホンのようなものだ」と切り捨て、ディスプレイを持たない競合との差別化を強調しました。

Specsは、現在入手可能な最も高性能・最も認識能力が高く・最もアクセシブルな空間コンピューターです。(Evan Spiegel氏/CNBC)

開発者エコシステムの動きも具体的に進んでいます。プレビュー段階の時点で、Specs向けの「Lens」は既に数百本がパブリッシュ済みと公表されました。Gizmodoは、SpecsをMetaの現行ディスプレイ型グラスではなく、未来の「Orion」ARグラスに対抗する位置付けの製品だと分析しており、競合の本命登場前にプラットフォームを固める狙いがうかがえます。

Q&A

Q. 日本では発売されますか? 発表時点で告知されている発売地域は米国・英国・フランスのみで、日本での発売予定は公表されていません。

Q. 前世代の「Spectacles」と何が違いますか? 前世代Spectaclesは開発者限定で駆動時間が45分でしたが、Specsは$2,195で一般向けに販売され、混合利用で最大4時間駆動します。Snapdragon 2基・51度視野・LCoSプロジェクタ・ハンドトラッキングなど、ハード面でも大幅に強化されています。

Q. Apple製のARグラスとどちらが先に出ますか? Specsが2026年秋に先行発売されます。Appleが最初に投入するスマートグラスはAI機能のみでディスプレイを内蔵せず、2027年後半まで登場しないとされています。

出典

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GadgetDrop 編集部

スマホ・PC・AI・XRなど幅広いテクノロジーを、スペックの行間まで読む視点で解説します。速報から深掘り分析まで、テック選びと業界理解に役立つ情報をお届けしています。