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TensorWaveが3.5億ドル調達——MI325Xを8,192基稼働、AMD MI355X大量導入でNVIDIA対抗へ

GadgetDrop 編集部5
TensorWaveが3.5億ドル調達——MI325Xを8,192基稼働、AMD MI355X大量導入でNVIDIA対抗へ

AI向けGPUクラウド事業者のTensorWaveが、3.5億ドル(約540億円)のSeries B資金調達を発表しました。同社はすでにAMD Instinct MI325Xを8,192基オンラインで稼働させており、AMD陣営でも最大級のAI学習クラスタを保有しています。今回の調達でMI355Xの大量展開を加速し、近く出荷が見込まれる次世代Instinct MI455XによるNVIDIA Vera Rubinとの対決に向けた布石とする狙いです。

MI325X 8,192基稼働の事業者が3.5億ドル(約540億円)でAMD基盤を一気に拡張

TensorWaveは2026年6月10日(米国時間)、Series Bラウンドで3.5億ドル(約540億円)を調達したと発表しました。Wccftechによれば、調達資金はAMD Instinct MI355X GPUを使った追加キャパシティの展開に充てられ、LLM学習・高スループット推論・生成AIといったメモリ集約型ワークロードを主なターゲットとしています。

CEO兼共同創業者のDarrick Horton氏は、「AIの次の段階は、誰が実験から本番運用に移行できるだけの十分な計算資源にアクセスできるかで決まる」と述べ、モデルやワークロードが拡大する中で、メモリ容量・性能・柔軟性を備え、単一エコシステムにロックインされずスケールできるインフラが企業に必要だと強調しました。同社はすでにFireworks AIやLuma AIといったAI企業に対し、AMDベースのインフラを提供しており、大規模な生成AIワークロードや本番推論システムを支えているとされています。

MI325Xが8,192基稼働、2GW超の長期キャパシティを確保

TensorWaveは2025年5月のSeries A以降、米国内でも有数規模のAMDベースAI学習クラスタを運営しており、現時点でInstinct MI325X AI GPUを8,192基オンラインで稼働させています。さらに北米の複数の新規データセンターで、Instinct MI355Xの大規模展開が進行中です。

  • Instinct MI325X:8,192基がすでに稼働
  • Instinct MI355X:北米の複数の新規データセンターで展開中
  • 長期キャパシティ:2ギガワット(2GW)超の長期AIデータセンター容量を確保
  • 対象セグメント:エンタープライズ、研究機関、AIネイティブ企業

同社は2024年の時点で「2025年までに世界最大のAMDベースクラスタを構築する」との計画を打ち出しており、今回のSeries Bはその延長線上の動きと位置づけられます。投資元であるMagnetarの共同創業者兼社長Ross Laser氏は、「AIインフラ構築競争は、信頼性を犠牲にせずスピードで提供できるプロバイダーへの差し迫った需要を生んでいる」とした上で、「TensorWaveはAMDとのパートナーシップと規律ある実行力を持ち、AMDベースのAIワークロードにおいて最も重要な計算プロバイダーの一つになる位置にあると我々は考えている」とコメントしました。

次世代Instinct MI455X vs NVIDIA Vera Rubinの構図

AMDは近く、次世代のInstinct MI455X GPUアクセラレータの出荷を開始する見込みとされています。Wccftechは、MI455Xについて「さらなる機能と計算性能を提供しつつ、TCO(総所有コスト)を低減する」とAMDが位置づけていると報じており、NVIDIAのVera Rubinシリーズと次世代データセンター市場で競合していく見込みとしています。

なお関連動向としてWccftechは、PCセグメントの低迷でディスクリートGPUの出荷が0.6%減少しているとも報じており、AI向けデータセンターGPU需要とコンシューマー向けGPU市場の温度差が一段と鮮明になっています。

So What?——一般ユーザーにも効いてくる「選択肢の広がり」

NVIDIA一強の構図が崩れていくと、AI関連サービスの利用料金やラインアップにも波及していきます。クラウド事業者が安定的に計算資源を確保できれば、AIチャットや生成AIサービスの値上げ圧力が緩み、提供できる事業者の裾野も広がるからです。TensorWaveのようにMI325Xを8,192基稼働させ、2GW超の長期キャパシティを押さえた事業者にとって、MI325X→MI355X→MI455Xというアップグレードパスは、NVIDIAの供給制約や垂直統合型サプライチェーンに頼らずに大規模AIワークロードを動かす現実的な代替を提示する上で重要な意味を持ちます。

「AMDのAIアクセラレータ陣営が、Series Bクラスのキャパシティ需要を着実に取り込みつつある」というのが今回の本質です。MI455X vs Vera Rubinの本格対決は、データセンターの選定基準そのものを揺さぶる転換点になりそうです。

Q&A

Q. TensorWaveが調達した3.5億ドル(約540億円)は何に使われますか? AMD Instinct MI355X GPUを中心としたAIインフラのキャパシティ拡張に充てられます。具体的にはLLM学習、高スループット推論、生成AIアプリケーション向けのメモリ集約型ワークロードを想定した展開で、すでに確保している2GW超の長期キャパシティを実体化していく投資です。

Q. なぜAMDを選ぶAIインフラ事業者が増えているのですか? TensorWaveのHorton氏は「単一エコシステムにロックインされない選択肢」を理由に挙げています。NVIDIA GPUの供給制約や垂直統合型サプライチェーンを避けつつ、メモリ容量・性能・柔軟性で大規模ワークロードに耐える基盤を求める企業の需要を取り込めるためです。Fireworks AIやLuma AIなどがすでに採用しているとされています。

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