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英政府、NHSとPalantirの約3.3億ポンド契約を再検証——2027年「break clause」での早期解除も視野

GadgetDrop 編集部6
英政府、NHSとPalantirの約3.3億ポンド契約を再検証——2027年「break clause」での早期解除も視野

英国民保健サービス(NHS)が、米データ分析大手Palantirとの約3.3億ポンド(4.41億ドル/約690億円)契約の打ち切りを検討している——医療データという最も機微な情報を海外ベンダーに委ねる是非が、いま改めて問われています。

英政府はNHSとPalantirとの大型契約について、2027年の「break clause(中途解約条項)」を行使して打ち切るかを判断するとされ、Reutersが報じています。

議会報告書が「容認できない脆弱性」と指摘

きっかけは、議会委員会が公表した報告書です。英国の公共部門におけるPalantirの存在感の拡大を「unacceptable point of weakness(容認できない脆弱性)」と表現し、契約の見直しを促したと伝えられています。

技術相のLiz Kendall氏はTimes Radioに対し、現行のNHS契約のあらゆる側面を保健相が再検証していると述べ、2027年の初期契約終了時にbreak clauseを行使して契約を打ち切るかを判断するとしています。契約金額は£330 million(4.41億ドル/約690億円)規模とされています。

「現職の保健相は、英国にとって正しい取引を確保するために、契約のあらゆる側面を見直している」

2023年契約から2年——3つの懸念が浮上

Palantirは2023年11月に、NHSの医療情報を横断的に接続する「NHS Federated Platform」構築を担うパートナーとして契約を獲得しました。NHSの契約説明資料によれば、財務・商務・セキュリティ・技術的能力を実証することを参加事業者に求めた「厳格な」調達プロセスを経て決定されたとされています。

しかし、英国の国会議員は以下のような懸念から早期解約を求めていると報じられています。

  • データセキュリティ上の不安
  • 米国当局との関係:Palantirが米国の防衛・移民取り締まり当局と取引を持つこと
  • 助言機関の利益相反疑惑:The Financial Postによる報道で、英国の保健関連助言機関の高官が、入札時にPalantirのパートナーの一社に助言していたことが明らかになった点

さらに先月には、NHSがデータプラットフォームの一部において、Palantirの担当者などに識別可能な患者データへの広範なアクセスを与える可能性があると報じられ、機微な患者データの取り扱いについて批判の声(critics)も上がっていると伝えられています。

Palantirは「技術的に不可能」と反論

これに対しPalantirは、自社ソフトウェアは顧客の指示に厳密に沿った形でしかデータを処理できず、それ以外の用途に使うことは違法であるだけでなく、NHSが監督するきめ細かなアクセス制御によって「技術的にも不可能」だとコメントしているとされています。

ヘルスケアという機微な領域で、海外ベンダーのインフラ依存をどこまで許容するか——現時点では契約の継続・解除いずれも確定しておらず、2027年の判断時期に向けた続報を待つのが妥当です。

契約構造と判断時期——「3+2+1+1」方式の中身

FDP契約は単純な単年契約ではなく、「3+2+1+1」と呼ばれる段階的延長構造を採っているとされています。初期3年間に加え、2年・1年・1年の追加延長オプションが設けられており、最長で合計7年間運用される設計です。

期間区分年数終了時期
初期契約3年2027年3月
第1延長2年
第2・第3延長各1年
最大運用期間7年

保健相のZubir Ahmed氏は、2027年の延長オプションを発動するかどうかについて「本年中(later this year)」に決定を下す方針を示したと報じられています。また議会のScience, Innovation and Technology委員会は、公共部門全体の技術提供者の中でもPalantirを最も懸念すべき事業者として名指しで批判しており、判断時期は当初想定よりも前倒しで議論が進む可能性があります。

地方ICBの離反と独立監督機関の動き

中央政府の再検証と並行して、地域レベルでもFDPへの不参加表明が続いています。人口280万人を抱える英国最大級の医療圏のひとつであるGreater Manchester Integrated Care Boardは、Palantirが中核を担うFDPへの参加判断を保留し、署名を見送る方針を継続しているとされています。

独立した監督側の動きも顕在化しています。

  • National Data GuardianがNHS Englandに対し、Palantirスタッフが識別可能な患者データにアクセスした経緯の正式説明を求めたと報じられています
  • 同機関は当該アクセスについて事前に把握していなかったとされ、ガバナンス上の重大な欠落が示唆されています
  • 市民団体「Not With My NHS Data」キャンペーンを通じ、多数の英国市民が同オフィスに直接懸念を寄せていると伝えられています

中央の契約判断、地方ICBの離反、独立機関による調査要求という3層の圧力が同時進行しており、2027年の判断は単なる契約更新の可否を超えた政治的争点になっています。

Q&A

Q. 契約はいつ解除される可能性がありますか? 2027年の初期契約期間終了時に設けられた「break clause」を使うかどうかを、英政府が現在検証している段階です。解除が確定したわけではありません。

Q. 契約金額はどの程度ですか? NHSとPalantirの契約規模は£330 million(4.41億ドル/約690億円)とされています。

Q. なぜPalantirが問題視されているのですか? 議会委員会が公共部門でのPalantirの存在感拡大を「容認できない脆弱性」と評し、データセキュリティ、米国防衛・移民当局との関係、患者データへのアクセス範囲などが懸念点として挙げられています。

Q. ソース内で言及されている他の問題は? NHSのデータプラットフォームの一部で、Palantirの担当者などに識別可能な患者データへの広範なアクセスを与える可能性があるとの報道が先月あり、批判の声(critics)も上がっていると伝えられています。

出典

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