Microsoftが先週リリースしたPatch Tuesday更新「KB5094126」および「KB5093998」の適用後、BSODやBitLockerロックアウト、OneDrive・Dropboxへのアクセス障害など複数の不具合がユーザーから報告されている。Microsoftは執筆時点でこれらの問題を公式に認めていない。HP製PCやLenovo製PCを使用している環境では特に注意が必要だ。
報告されている不具合の全体像
今回報告されている主な不具合は以下の4点だ。
- ブルースクリーン(BSOD):特にHP製PCでエラーコード「0xc0430001」が多発
- システムのフリーズ:Lenovo製PCで発生している可能性があると報告されている
- BitLockerの回復ロックアウト:更新適用後にBitLockerの回復キー入力を求められる
- OneDrive・Dropboxへのアクセス障害:エクスプローラー上でアクセスできなくなる
Neowinによると、Microsoftは付随するダイナミック更新としてKB5094149・KB5095971・KB5094156も同時にリリースしているが、いずれの問題も現時点で同社は公式に認めていない。
HP製PCのBSOD——Secure Bootとの関連が疑われる
最も多く報告されているのが、HP製PCでKB5094126適用後に発生するブルースクリーン(エラーコード:0xc0430001)だ。Neowinは、進行中のSecure Boot証明書更新に関する既知の問題との関連を指摘しているが、断定はしていない。
回避策として、ダイナミック更新(KB5094149等)も展開している場合は、インストールメディア(USBインストーラーやISOファイル)にboot.stlファイルが含まれているかどうかを確認することが重要だと報じている。このファイルはSecure Bootがブートファイルを検証するために使用されるもので、Windowsのバージョンとシステムアーキテクチャが一致している必要がある。
対処方法としてMicrosoftが推奨しているのは「Update WinPEスクリプト」の使用だ。これにより、イメージの更新と必要ファイルの処理が自動で行われる。手動で対応する場合は、Windows端末のWindows\Boot\EFIフォルダからboot.stlファイルをコピーし、インストールメディア内の対応フォルダに配置する方法がある。
OneDrive・Dropbox障害の原因はUACとの競合か
OneDriveおよびDropboxのアクセス障害については、ユーザー自身が原因の特定に成功している。Microsoftフォーラムへの投稿によると、問題のあるGPO(グループポリシー)構成の組み合わせが引き金になっているという。
該当ユーザーは次のように説明している。「調査した結果、KB5094126を適用した環境でUACを無効化し、かつユーザーがローカル管理者である組み合わせでOneDriveがエクスプローラー上で機能しなくなることがわかった。UACを再度有効にすると、KB5094126がインストールされたままでも正常に動作した」。
この問題はUACを無効にしているGPO設定を持つ企業・組織の管理環境で特に発生しやすいと見られる。UACを再有効化することで回避できる可能性があるが、組織のポリシーによっては変更に制約が生じる場合もあるため、IT管理者は慎重に検証することが求められる。
更新を適用すべきか——環境別の判断材料
Patch Tuesday更新のため、特にセキュリティパッチを含む可能性があるが、不具合の性質上、一部の環境では慎重な対応が求められる。
- HP製PCを使用している場合:BSODのリスクがある。インストールメディアを使う運用をしているなら、boot.stlファイルの確認を先に行うことが望ましい
- Lenovo製PCを使用している場合:フリーズの報告がある。適用後に問題が発生した場合はMicrosoftフォーラムやRedditの続報を確認したい
- OneDriveを業務で使用している企業環境:UACを無効化しているGPO設定がある場合、IT管理者がテスト環境で動作確認してから本番展開することを推奨する
Microsoftがこれらの問題を公式に認め、修正プログラムを提供するまでは、問題が発生しやすい環境では様子を見る判断が妥当だ。続報に注目したい。
<!-- ENRICH:START -->Secure Boot証明書2026年6月期限切れと自動更新ロールアウトの背景
HP製PCのBSODと関連が疑われるSecure Boot証明書更新は、2026年6月に2011年以来運用されてきた既存証明書が一斉に期限切れを迎えるという大規模移行が背景にあります。Microsoftは新しい2023証明書を多年にわたり段階配信しており、Windowsの品質更新には対象デバイス判定の信頼度データが含まれ、十分な成功シグナルが確認されたデバイスにのみ自動配信される設計です。
期限切れ後のデバイスの挙動
- 起動と通常動作は継続し、標準のWindows Updateも引き続き適用されます
- 一方で、Windows Boot Manager・Secure Bootデータベース・失効リストといった早期ブート段階の保護更新は受け取れなくなります
- 新規に発見されたブートレベル脆弱性への緩和策も適用されません
なお、Windows Securityアプリには証明書更新ステータスの確認画面が追加されており、6月の期限に間に合うかどうかをエンドユーザー自身が把握できるようになっています。
KB5094126で導入された新機能群——不具合の陰で進む機能強化
不具合報告が目立つ一方で、KB5094126には体感性能やマルチデバイス連携を強化する新機能も多数搭載されています。Low Latency Profileはアプリ起動やスタートメニュー展開といった操作トリガーに合わせてCPU周波数を1〜3秒間だけ最大までブーストする仕組みで、バッテリー消費を大きく押し上げずにUI応答性を改善する設計です。
| 機能 | 概要 |
|---|---|
| Low Latency Profile | 操作時に1〜3秒間CPUを最大クロックへ一時ブースト |
| Shared Audio | Bluetooth LE Audio搭載機器2台で同一音声を共有再生 |
| Multi-App Camera | 複数アプリで同時にWebカメラを利用可能 |
| Windows Search | 2文字入力時点でローカルファイル検索が始動 |
| Task Manager | プロセス単位でNPU使用率を表示 |
Shared Audioはタスクバーのクイック設定から有効化でき、長年「1アプリ1カメラ」だった制約も解消されています。
<!-- ENRICH:END -->Q&A
Q. KB5094126を適用済みの場合、アンインストールはできますか? 一般的なWindowsの更新プログラムと同様に、「設定→Windows Update→更新の履歴→更新プログラムをアンインストール」から削除が可能だ。ただしMicrosoftは現時点でアンインストールを公式に案内してはいない。
Q. OneDriveの障害は一般ユーザーにも発生しますか? Neowinが報じた情報によると、OneDrive障害はUACを無効化しつつユーザーがローカル管理者である特定のGPO構成が原因とされている。この条件は主に企業のIT管理環境に該当するため、標準設定の個人ユーザーへの影響は限定的と考えられる。ただし現時点でMicrosoftは公式確認を行っていない。