Apple Home対応のスマートボタン市場に、Threadと充電式バッテリーという2つの強みを兼ね備えた新製品「Airversa QliQ」が登場しました。9to5MacのHomeKit Weeklyでレビューが公開され、Bluetooth依存と使い捨て電池という従来製品の弱点を同時に解消する設計が注目されています。
Airversa QliQが解決する2つの不満
スマートボタンは便利な一方で、「Bluetooth接続による反応の遅さ」と「コイン電池交換の手間」という不満がつきまとってきました。Airversa QliQはこの2点を同時に解消する点が大きな差別化ポイントになっています。
通信はThreadを採用しており、Apple TVやHomePod miniといったThread対応のApple Homeハブが必要です。電源は内蔵の充電式バッテリーで、底面のUSB-Cポートから充電できます。バッテリー残量がなくなると赤色のLEDインジケーターで通知される仕組みです。1回の充電で最大2か月稼働すると報じられており、頻繁な電池交換から解放されるのは日常的に使うアクセサリとしては大きな利点です。
3ボタンで最大9種類のオートメーションを操作
本体には3つの物理ボタンが搭載され、それぞれにシングルクリック・ダブルクリック・長押しの3アクションを割り当てられます。単純計算で1台あたり最大9種類のオートメーションをトリガーできることになり、シンプルな照明ON/OFFから、カーテンを開けて照明を点け音楽を再生する複合シーンまで柔軟に組めます。
押下時には触覚フィードバック(軽い振動)とビープ音が返るため、暗所や手元を見ずに操作する場面でも反応を確認できます。サウンドや振動はAirversa純正アプリから無効化することも可能ですが、基本機能の利用にはアプリは必須ではありません。
設置面ではマグネット式のウォールプレートが同梱され、磁性のある面ならどこにでもスナップ装着できます。玄関脇・ベッドサイド・読書スペースなど、シーンに合わせて貼り替えやすい構成です。
セットアップは「Apple Homeでコードを読むだけ」
HomeKit over Threadのデバイスのため、セットアップは非常にシンプルです。サードパーティ製アプリのダウンロードや新規アカウントの作成は不要で、Apple HomeアプリでHomeKitコードをスキャンし、部屋を割り当ててボタンに動作を紐付けるだけで使い始められます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 接続方式 | Thread(Threadハブ必須) |
| 必要なハブ | Apple TV / HomePod mini など |
| ボタン数 | 3ボタン × 3アクション=最大9オートメーション |
| 電源 | 内蔵充電式バッテリー(USB-C) |
| バッテリー持続 | 最大2か月 |
| マウント | マグネット式ウォールプレート同梱 |
| フィードバック | 振動+ビープ音(アプリで無効化可) |
利用シーンの例として、9to5Macでは玄関脇に貼り付けて長押しで「帰宅シーン」を起動する使い方や、リクライナー横で読書用のディマー設定を呼び出す使い方、ナイトテーブルに置いてドア施錠・アラーム作動・全消灯・空調を一括で行う「就寝シーン」用途などが紹介されています。
購入を検討するうえでのポイント
ThreadとUSB-C充電式という2つの仕様により、反応速度・運用コストの両面で従来のBluetooth+コイン電池型ボタンよりも長期運用に向いた設計になっています。一方で、Threadハブ(Apple TVやHomePod mini)が手元にない環境ではそもそも利用できないため、Apple Homeを本格的に組んでいる人向けの製品である点は留意が必要です。
Airversa QliQはAmazonにて1個パックと2個パックが販売されています。日本市場での販売有無や価格についてはソース記事に記載がありません。すでにApple TVやHomePod miniを設置済みでスマートボタンの追加を検討している人にとっては、有力な選択肢になりそうです。
価格と競合製品——IKEA Bilresaとの厳しい比較
QliQの市場での立ち位置を理解するには、価格と競合の存在を押さえておく必要があります。Airversa QliQは1個パックがUS$29.99、2個パックがUS$54.99で販売されています。当初は2025年後半に予定されていたリリースが遅延し、ようやく市場投入された経緯もあります。
| 製品 | 価格 | プロトコル |
|---|---|---|
| Airversa QliQ | US$29.99〜 | HomeKit over Thread |
| IKEA Bilresa | US$5.99 / £3.00 | Matter over Thread |
競合となるIKEAのBilresaスマートボタンは、英国で£3.00、米国でUS$5.99という他を圧倒する価格帯で展開されており、さらにMatter over Threadに標準対応している点も大きな特徴です。一方のQliQはHomeKit over Threadのみの対応で、現時点ではMatterには非対応となっています。AirversaはSleekpoint Innovations傘下のブランドで、同社はThorboltスマートロックも展開しています。価格差は5倍以上と大きく、QliQが充電式バッテリーや3ボタン構成といった独自の付加価値で差別化を図れるかが、今後の評価軸になりそうです。
アクセシビリティと将来のMatter対応——設計に込められた配慮
QliQが他のスマートボタンと一線を画すのが、アクセシビリティへの配慮です。押下時の触覚・聴覚・視覚という3種のフィードバックは、視覚や聴覚に障害のあるユーザーにとって有用な設計とされています。
触覚・聴覚・視覚のフィードバックは視覚や聴覚に障害のあるユーザーにとって有用
本体はV0グレードの難燃素材を採用しており、安全性と耐久性にも配慮されています。対応ハブはHomePod mini、HomePod(第2世代)、Apple TV 4K(第2/3世代 Wi-Fi+Ethernet)で、ボタンから30フィート以内に設置する必要があります。バッテリー残量が20%を下回ると赤色LEDで通知される仕組みのため、充電タイミングを逃しにくい設計です。なおAirversaはQliQに将来Matter対応のアップデートを適用できるよう設計しているとされており、Matter対応が必須の人は対応確定を待つ判断もあり得ます。セットアップ時にはBluetoothが使われますが、Thread Border Routerなしでの常用はパフォーマンス低下のため推奨されません。
Q&A
Q. Airversa QliQを使うのに必須の機器は何ですか? Apple TVやHomePod miniなど、Threadに対応したApple Homeハブが必要です。Threadハブを持たない環境では利用できません。
Q. バッテリー交換は必要ですか? 本体に充電式バッテリーが内蔵されており、USB-Cで充電します。1回の充電で最大2か月持続するとされており、使い捨てコイン電池の交換は不要です。
Q. 専用アプリのインストールは必須ですか? 基本機能の利用には不要です。Apple HomeアプリでHomeKitコードをスキャンするだけでセットアップできます。ビープ音や振動の無効化など細かいカスタマイズを行いたい場合のみ、Airversa純正アプリを使います。
出典
- 9to5Mac — HomeKit Weekly: The Airversa QliQ brings a rechargeable Thread smart button to Apple Home
- Homekit News and Reviews — Airversa Finally Releases its First Smart Button With Thread
- Homekit News and Reviews — Airversa QliQ Smart Button w/Thread (review)