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AppleがIntelと米国でチップ製造へ——トランプ氏が表明、Intel株は9%急騰

GadgetDrop 編集部7
AppleがIntelと米国でチップ製造へ——トランプ氏が表明、Intel株は9%急騰

かつてMacのチップ供給で袂を分かったAppleとIntelが、再び接近していると報じられています。台湾TSMCへの一極依存という弱点が露呈するなか、米国のトランプ大統領は木曜日、AppleがIntelと協業し、自社チップの一部を米国内で製造することに合意したと表明したとMacRumorsは伝えています。発言を受けてIntel株は寄り前取引で9%上昇し、Apple株も0.6%上げました。ただしApple・Intel両社からは現時点で公式コメントは出ていません。

トランプ氏の発言とWSJの先行報道

トランプ大統領の表明はソーシャルメディアへの投稿で行われたとMacRumorsは伝えています。Apple・Intel双方はまだ正式に認めていないものの、The Wall Street Journalは先月、AppleとIntelがIntelによるApple向けプロセッサ製造を視野に入れた予備合意に達したと報じたとされています。

枠組みとしては、現在TSMCが担っているのと同じく、Appleが設計したチップをIntelが受託製造する形になる見通しと伝えられています。これまでの噂では、IntelはApple製品のうち下位グレードのプロセッサ——具体的には一部のiPad・Macに使われている最下位グレードのM系チップ——を担う可能性が指摘されていました。

かつて袂を分かったApple、Tan新CEOで動くIntel

Appleは自社シリコンへ移行する以前、MacにIntel設計のチップを採用していましたが、当時はチップの遅延が繰り返し発生していました。現在はArmベースのチップを自社設計してTSMCに製造委託することで、より予測可能なペースでアップデートを投入できる体制を築いています。AppleがこれまでサプライヤとしてIntelを選ばなかった背景には、Intelの製造技術がTSMCやSamsungに後れを取ってきたことと、両社の難しい歴史の双方があります。

その構図はLip-Bu Tan氏の体制下で変わりつつあります。Tan氏はPat Gelsinger氏の退任を受けて昨年Intelの新CEOに就任し、苦戦してきた製造部門の立て直しを進めてきました。Tan氏の取り組みは成果を見せている兆候があり、数値面でも追い風が鮮明です。

  • Intel株価: 過去12カ月で464%上昇
  • 時価総額: 6,087億ドル(約95兆円)に到達
  • 米政府の関与: 昨年Intel株式の10%を取得。未払いのChips Act補助金89億ドル(約1兆4,000億円)を株式へ転換

サプライチェーン分散を急ぐApple——TSMC一極集中の弱点

Appleにとって今回の動きは、サプライチェーン分散という喫緊の課題に直結します。現時点でApple Siliconを製造しているのは台湾を拠点とするTSMCのみであり、依存リスクが高い状態が続いています。

Apple直近の決算発表でCEOのTim Cook氏は、当四半期にiPhone 17の供給が制約を受けたと述べ、その理由としてTSMCから十分な量のA19およびA19 Proチップを確保できなかったことを挙げました。AIブームに伴うAIサーバ向け需要の急増により、TSMCは消費者向けデバイス用チップに割けるキャパシティが細っており、Appleは生産枠の確保で従来より弱い立場に置かれているとMacRumorsは伝えています。

読者への示唆

iPhoneユーザーにとって、最新のA19・A19 Proが今すぐIntel製になる話ではありません。仮に合意が事実でも、対象は一部iPad・Macの下位グレードチップが中心と見られ、現時点では「米大統領の発言と先行報道に基づく観測段階」と捉えるのが妥当です。

Intel 18A-Pがリスク生産入り——主要顧客の採用状況

Intelのファウンドリ戦略は、製造ノード側でも具体的な進展を見せています。性能強化版である Intel 18A-P がリスク生産フェーズに到達したと伝えられています。

項目18A-Pの位置づけ
性能向上標準18A比で**+9%(または消費電力-18%**低減のいずれか)
採用表明済み顧客Amazon、Microsoft、米国防総省(DoD)
評価段階Broadcom、Nvidia

顧客面では、Amazon、Microsoft、そして米国防総省(DoD)が18A採用を正式に表明しています。BroadcomとNvidiaも最新プロセスを評価中と報じられていますが、実製品への採用コミットには至っていません。さらに後継ノードの Intel 14A についても、主要顧客向けに早期Process Design Kit(PDK)が配布され、複数の顧客がテストチップ製造の意向を示していると伝えられています。Appleが受託先候補として再浮上した背景には、こうしたエコシステム拡大の流れがあります。

TSMCアリゾナの拡張とAppleの米国投資5,000億ドル

サプライチェーン分散の動きは、TSMC側の米国拠点拡張とも連動しています。Appleはアリゾナ州のTSMC Fab 21からのチップ調達を拡大しており、年末までに1億個を超えるチップを同拠点から購入する計画と報じられています。

  • Apple側の投資規模: 米国向け5,000億ドルコミットの一環として、Fab 21への多額拠出が行われています
  • 第2 fab稼働: 2028年予定で、N3・N2プロセスを採用しAIデータセンター向けチップを製造する見通しです
  • 供給逼迫: TSMCの生産枠は2028年まで埋まっているとされ、新アリゾナ fabも稼働前から予約で満杯と報じられています

この需給ひっ迫こそが、Appleが代替ファウンドリとしてIntelへの分散を急ぐ構造的な動機となっています。アリゾナ拠点の生産能力が中長期にわたり予約済みである以上、Appleにとって新たな受託先の確保は避けて通れない経営課題となっています。

Q&A

Q. iPhoneのチップがIntel製になるのですか? これまでの噂では、Intelが担う候補は一部iPad・Macで使われている最下位グレードのM系チップなど下位プロセッサが中心とされています。iPhoneの最新A19・A19 ProはTSMC製で、ここを置き換えるという報道は出ていません。

Q. なぜAppleは今Intelとの提携に動いているのですか? Apple SiliconはTSMCに製造を一極集中させており、直近ではTim Cook CEOがA19・A19 Proの供給制約に言及するなど、TSMC依存の弱点が顕在化しているためです。AIサーバ需要の急増でTSMCの消費者向けキャパシティが圧迫されていることも背景にあります。

Q. Mac・iPadユーザーへの影響はありますか? これまでの噂が事実であれば、対象は最下位グレードのM系チップを搭載する一部のiPad・Macと見られます。上位M系チップはTSMC製造が続く見込みで、ハイエンドのMac・iPad製品ラインへの直接的な影響は現時点では報じられていません。

Q. 実際の製造はいつ始まる見込みですか? 具体的な製造開始時期は、公開情報の範囲では明らかにされていません。Apple・Intel双方の公式コメントもまだ出ておらず、現状はトランプ大統領の発言とWSJによる予備合意の報道に基づく観測段階です。

出典

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