かつて$50(約7,800円)を払って利用していた履歴書ツール相当のものが、今やClaudeへの短いプロンプトと約1時間の作業でほぼ無料で再現できる——。記者Anurag Singh氏(Android Police、Neowin、Dexerto、MakeTechEasier等への寄稿歴あり)が、AnthropicのAIアシスタント「Claude」を使って、複数テンプレート対応の履歴書ビルダーサイトを構築した体験を報告しました。コア機能は15分以内に揃い、残り時間はUI調整とデプロイ周りに費やされたとのことです。
コーディング非専門家でも「動くサイト」が作れた経緯
筆者は2019年からWordPressベースのテックブログを運営し、その後ポートフォリオサイトや各種ツールの自作も試みてきましたが、既存テーマの切り貼りでは満足のいく成果に到達できなかったと振り返ります。自身については「コーディング専門家ではない」「自力で完全なWebサイトを作れるほどではない、少なくとも以前はそう思っていた」と率直に記しています。
今回のきっかけは、転職活動中の友人が応募職種ごとに履歴書を作り分ける必要に迫られていたこと。同じ履歴書を全応募に使い回すことはできず、似た職種でも企業ごとに微調整が必要——そこで、テンプレートを切り替えて編集できる専用サイトをClaudeで作ることにしました。
筆者は2019年当時、テンプレート利用とPDF出力のために有料ツールへ約$50(約7,800円)を支払った経験にも触れ、同等の仕組みを自分で短時間に組めたことへの驚きを綴っています。
最初のプロンプトだけで土台が完成
完成したサイトには、履歴書ビルダーに求められる基本機能が一通り揃っています。
- ヘッダー画像の追加
- 企業ロゴの差し替え
- 職歴セクションの並べ替え
- 新規セクションの作成・レイアウトのカスタマイズ
- PDFとしてのエクスポート
筆者がClaudeに与えた最初のプロンプトは、おおむね以下のような内容だったと記しています。
モダンな履歴書ビルダーサイトを、複数の履歴書テンプレート付きで作ってほしい。ホームページでテンプレートを選んだら即座に編集に入れるようにし、エディタではテキスト変更、セクション並べ替え、企業ロゴ更新、新セクション追加、PDFエクスポートに対応すること。UIはミニマルで高速、レスポンシブにすること。
この最初のプロンプトだけで、レイアウト・基本構造・編集機能・全体フローの土台が驚くほど速く生成されたとのこと。コア機能は15分以内に揃い、その後はUIの磨き込みやフィードバック反映、細かな調整に時間を使ったとされています。具体的な調整項目の詳細は出典元を参照してください。
Vercelへのホスティングが「一番時間がかかった」
完成後はVercelにホスティング。軽量なプロジェクトながら、オンラインに置くことでどこからでもアクセスでき、編集・PDF出力・応募までをローカルファイルに煩わされず行える点を利点として挙げています。
興味深いのは、筆者が「(コーディングよりも)Vercelへの接続のほうが実際には時間を要した」と述べている点です。コードを書く工程よりも周辺の環境設定のほうが手間取った、というのが率直な感想です。
個人開発のハードルはどこまで下がったのか
筆者は、以前なら数日かかっていた作業が数時間で形になる体感を強調しており、Claudeによって思っていたよりも簡単にWebサイトを構築できたと評価しています。料金プランやどのプランで作業したかについては、提供されたソース範囲には記述がありません。
ただし今回の事例は、明確な仕様(履歴書ビルダー)を持ったシンプルな静的寄りのWebアプリ。より複雑なバックエンド、認証、決済、セキュリティ要件を伴うサービスに同じ手法がそのまま通用するかどうかは、記事の射程外です。あくまで「テンプレート選択・編集・PDF出力」というスコープが明確だったからこそ、1時間で動くものが手に入った、と読むのが妥当でしょう。
似た小規模ツールを自作したい読者にとっては、いきなりフルスクラッチで書き始めるのではなく、要件を簡潔なプロンプトに落とし込んで土台を生成させ、自然言語で磨いていくアプローチを試す価値はありそうです。
Claude Code側の最新動向——Opus 4.7とレート上限引き上げ
筆者が体験したような「プロンプトで動くアプリを作る」開発スタイルは、Anthropic側のアップデートでさらに後押しされています。2026年5月6日に開催されたCode w/ Claude 2026イベントでは、Claude CodeとAPIの開発者向けレート上限が引き上げられ、Pro・Max・Enterpriseの5時間制限が倍増されることが発表されました。同イベントではAnthropicプラットフォーム上のAPI利用量が前年比17倍に伸びていることも示され、コーディング用途での需要拡大がうかがえます。
モデルと利用形態の拡張
Claude Opus 4.7がMaxおよびTeam Premiumの新しいデフォルトモデルとなり、コーディング作業向けに推奨される「xhigh」エフォートレベルと、対話的に調整できる/effortスライダーが導入されました。利用面でもClaude CodeはCLIから始まり、IDE統合を経て、フルスクリーンのプレビューやリッチな出力に対応するデスクトップ版へと展開されています。履歴書ビルダーのような小規模ツールでも、こうした上限緩和とモデル強化はそのまま追い風になります。
AI Webビルダー市場の中での位置づけ——Vercel v0との対比
元記事の筆者はClaudeで生成したコードをVercelにデプロイしましたが、Vercel自身もAIによるWeb構築ツール「v0」を展開しており、同じ領域の選択肢は急速に広がっています。v0は2024年に一般提供を開始して以降、400万人以上が利用してアイデアをアプリ化してきました。2026年2月のアップデートではGit統合、VS Codeスタイルのエディタ、データベース接続、エージェント型ワークフローが追加され、コンポーネント生成ツールから本格的な開発プラットフォームへと進化しています。
| ツール | 主な強み | 料金の起点 |
|---|---|---|
| Claude(汎用AI) | 自然言語からの自由なコード生成 | プラン依存 |
| v0 by Vercel | React/Next.js特化、ワンクリックデプロイ | Free($0、$5クレジット)、Premium($20/月) |
v0はNext.js、Tailwind CSS、shadcn/uiコンポーネントライブラリを使って本番運用に耐えるReactコードを生成します。仕様が明確なツールを短時間で立ち上げたい場合、Claudeでフルスクラッチに近い形で書かせる方法と、v0のような特化ツールに任せる方法を比較検討する余地が生まれています。
Q&A
Q. 今回のサイトはどのくらいの時間で完成しましたか? 全体で約1時間、コア機能だけなら15分以内に完成したとされています。残り時間はUIの磨き込みやフィードバック反映、細かな調整に使われました。
Q. デプロイにはどんな仕組みを使っていますか? Vercelにホスティングしており、ローカルファイルに縛られずどこからでも編集・PDF出力できる利点を挙げています。なお筆者は、コーディングよりもVercelへの接続のほうに時間がかかったと述べています。
Q. 同じ手法はどんな案件に向きそうですか? 今回の事例は「テンプレート選択・編集・PDF出力」というスコープが明確な、シンプルな静的寄りのWebアプリでした。より複雑なバックエンド、認証、決済、セキュリティ要件を伴うサービスに同じ手法がそのまま通用するかは、記事の射程外と筆者は位置付けています。仕様が明確な小規模ツールであれば、簡潔なプロンプトで土台を生成させ、自然言語で磨いていくアプローチが有効と読めます。
出典
- XDA Developers — I used Claude to code an entire website, and it worked better than I expected
- Simon Willison's Weblog — Live blog: Code w/ Claude 2026
- Claude Code Docs — What's new