Googleが2016年にAndroidの電話アプリをアップデートしてスパム電話の警告機能を導入して以来、さまざまな対策が講じられてきました。それでもスパム電話問題は依然として解消されていません。そこで米連邦通信委員会(FCC)が、問題の根本から対処しようと通信キャリアへの規制強化に乗り出しています。既存の「Know-Your-Customer(KYC)」ルールを厳格化し、義務を怠ったキャリアへの罰則導入も視野に入れた議論が2026年現在、進んでいます。
スパム発信者は回線を取得できなくなる? FCCが求める4つの本人確認
FCCは現在、新規および契約更新の顧客に対してより厳格な本人確認を求めることについて、パブリックコメントを募集しています。具体的に義務付けが検討されているのは、以下の4項目です。
- 氏名
- 住所
- 政府発行の身分証明書
- 別の電話番号
さらに、KYCルールに違反したキャリアへの罰則についても意見を求めています。罰則の規模は「通過させた違法な電話の件数」に基づいて決定する方向で検討されており、FCCは「ペナルティが発信者によって引き起こされた被害に見合ったものになるようにする」ことを目標として掲げています。
「義務はあったが、守られてこなかった」
FCCはすでに、通信キャリアに対して顧客情報の把握と、スパム電話や違法行為にネットワークを利用する顧客の契約解除を義務付けています。しかしながら、キャリアはこれらの義務を怠ってきたとされています。
今回の規制強化はその反省を踏まえたものです。スパム発信者に電話回線を取得させないことは包括的な対策の一部に過ぎず、FCCはキャリアに対して検知したスパム電話の積極的なブロックも求めています。
加えて、着信時に発信者に関するより詳細な情報を利用者に提供することも求めており、その手段のひとつとして「STIR/SHAKEN」のような認証技術の活用が挙げられています。
Googleも2016年から対抗——それでも問題は続く
スパム電話対策はキャリア側だけの取り組みではありません。Googleは2016年にAndroidの電話アプリをアップデートし、スパム電話の警告機能を導入しました。その後もさまざまな形で機能を進化させてきましたが、それでも問題が解消されないことが、今回FCCが「根本から対処する」姿勢を示した背景にあります。
Q&A
Q. KYC(Know-Your-Customer)とは何ですか? 顧客が誰であるかを確認・把握するための手続きのことです。今回FCCはこれを通信業界に厳格適用しようとしています。スパム発信者が匿名で回線を取得できないようにすることが主な目的です。
現時点ではパブリックコメントの募集段階であり、規制の正式導入には至っていません。スパム電話対策の動向については、今後の続報に注目が集まります。