Metaが数年かけて到達した「累計200万台」の節目に、Googleが2026年単年で並びうる——Android Authorityが報じたアナリスト予測は、そんな衝撃的な数字を提示しています。ある調査会社の見立てによれば、Googleが2026年に投入するAndroid XRスマートグラスは、最大で200万台に達する可能性があるとされています。
Meta超え1年で?——アナリストが弾いた「200万台」の根拠
予測の核は、Googleが2026年に投入するAndroid XR搭載スマートグラスが、2026年単年で最大200万台に達するかもしれないという見立てです。デザイン面ではメガネブランドのWarby ParkerとGentle Monsterがパートナーとして名前が挙げられており、ファッション性を前面に出すラインナップが想定されていると伝えられています。
ただし同社の見立てでは、Googleの取り分は2026年に出荷される全スマートグラスのおよそ5分の1にとどまるとされます。市場全体の出荷台数は最大1,500万台規模に達する可能性があるとの見通しが示されており、Googleはこのうちの一画を占める存在として描かれています。
数年かけて200万台のMeta、Googleは1年で並ぶのか
比較対象として挙げられているのが先行するMeta Ray-Banです。MetaがRay-Banブランドのスマートグラスで累計200万台に達したのは2024年末ごろと推計されており、初年度ではなく数年単位の蓄積でようやく届いた数字だと報じられています。一方で2025年には単年で700万台を販売したと伝えられており、この勢いがGoogleにも追い風になる可能性があると指摘されています。
予測が現実になれば、GoogleはAI搭載スマートグラス市場で2位に浮上し、Xiaomi・Huawei・Rokidといった既存勢を抜く構図になる可能性があります。首位は引き続きMetaが維持するとの見方が示されています。
ファッション優先の戦略とSamsung・Geminiの分業
Googleが過去にスマートグラス分野で失敗を経験している点は、今回の戦略を読み解くうえで欠かせない背景です。同記事では、Googleの初回参入は「完全な失敗」だったと振り返ったうえで、同じ轍を踏まないために「ファッションファースト」のアプローチを採ったと説明されています。
具体的には、フレームのデザインはアイウェアブランド側に委ね、内部ハードウェアはSamsungが担当する分業体制が敷かれています。Google自身は、Geminiを中心としたソフトウェア/ハードウェア体験の作り込みに集中する構図です。デザインの世界観と量産技術、そしてAIアシスタントを別々の専門プレイヤーに任せた点が、初回参入時との大きな違いといえます。
音声のみのモデルが91%を占める見通し——来年店頭で見るのはほぼオーディオ型
市場構造についても踏み込んだ予測が示されています。同社の見立てによれば、2026年のスマートグラス販売の**91%**は、ディスプレイを搭載しない「音声のみ」のモデルが占める可能性があるとされています。理由として挙げられているのは、音声のみのモデルは軽量で、要求されるハードウェアスペックも低く、その結果として価格を抑えやすい点です。読者目線で言えば、来年店頭で目にする「スマートグラス」のほとんどはオーディオ中心のモデルになる、ということでもあります。
Googleはレンズ内にディスプレイを内蔵した本格的なXRグラスを来年投入する計画ですが、それでも「当面はオーディオ中心の使い方が主流であり続ける」という見立てが、過去のレポートを引きながら示されています。一方で、ディスプレイ搭載モデルはブランド側の売上成長を牽引する可能性があるとも指摘されており、台数と売上で別々の主役が存在する構図になりつつあります。
リーク・予測ベースの数字である以上、現時点ではあくまで「市場が向かう方向性のひとつ」と捉えるのが妥当でしょう。今後の焦点は、来年のGoogle I/Oで示される最終的なハード/ソフトの完成度、そして2026年後半の出荷立ち上がりです。MetaのRay-Banが歩んだ立ち上がりカーブと並べて見ることで、200万台という数字が現実味を帯びていくかを判断できるはずです。
Google I/O 2026で明らかになった製品像——音声型先行・ディスプレイ型は2027年
予測の背景となる具体的な製品像も、Google I/O 2026のステージで初めて姿を見せました。GoogleとSamsungはAndroid XRプラットフォーム上で動作するスマートグラスを共同披露し、Gentle Monsterは「破壊的かつ洗練された美学」、Warby Parkerは「洗練されたタイムレスなデザイン」を担当することが確認されています。
ラインナップは2系統に分かれます。
- 音声型(オーディオグラス):スピーカーで耳元から助けてくれるタイプで、2026年秋に先行投入
- ディスプレイ型:Google I/Oで「2027年のどこかで投入」と説明されています
加えて、エコシステム面でも重要な発表がありました。UberやMondlyなど電話側のアプリを音声で呼び出せる仕様で、AndroidスマホとiPhoneの両方とペアリング可能とされています。価格帯は600〜900ドルと見込まれており、両モデルともQualcomm製プロセッサを搭載するとされています。Metaが囲い込み型なのに対し、iOS対応を打ち出した点は競争軸の違いを際立たせる要素です。
Warby Parkerへの最大1.5億ドル投資と、広がるエコシステム
「ファッションファースト」の戦略は、資本面でも具体化しています。
Googleは、Warby Parkerの製品開発・商用化コストとして最大7,500万ドルをコミットし、加えてWarby Parkerの選択と一定のマイルストーン達成を条件に、最大7,500万ドルの株式投資も行うとしています。
合計で最大1.5億ドル規模の資金的後ろ盾を提供する構図であり、フレームメーカー側のリスクを抑えながら量産・販売網を確保する狙いがうかがえます。
パートナー網の広がりも見逃せません。Googleは今後、Kering Eyewearなど追加のブランドとも協業する計画を示しています。さらに据置型に近い領域でも布石が打たれており、XREALはProject AuraをAndroid XR搭載AR眼鏡として2026年にグローバル発売することを確認しています。市場規模そのものも追い風で、Bank of Americaの予測によればスマートグラスの売上は2024年の5億ドル未満から2028年には42億ドルに達する可能性があるとされています。
Q&A
Q. 予測された「200万台」はいつの数字ですか? 2026年単年の販売予測です。Googleが2026年に投入するAndroid XR搭載スマートグラスについて、最大で200万台に達する可能性があるとの予測が示されています。
Q. Metaとの差はどの程度ですか? Metaは累計200万台到達まで2024年末ごろまでの期間を要した一方、2025年単年では700万台を販売したと報じられています。Googleの予測値は2026年単年で200万台のため、台数自体ではMetaが大きく先行する構図です。
Q. 音声のみが9割を占めるなら、なぜGoogleはディスプレイ付きを出すのですか? 台数の主役はオーディオ中心のモデルである一方、ディスプレイ搭載モデルはブランド側の売上成長を牽引する可能性があると指摘されています。つまり「数を稼ぐ製品」と「単価・体験で押し出す製品」が別に存在する構図であり、Googleは後者で存在感を示す狙いとも読み取れます。
出典
- Android Authority — Meta beware: Google could end up selling 2 million Android XR glasses this year
- 9to5Google — Google and Samsung's Android XR glasses launch in 'Fall' 2026
- Google Blog — Intelligent eyewear with Gemini is coming this fall