GadgetDrop
AI注目

GoogleがAntigravity向けGemini 3.5 Flashを再展開——Antigravity利用者のレート制限カウンターをゼロに戻す

GadgetDrop 編集部7
GoogleがAntigravity向けGemini 3.5 Flashを再展開——Antigravity利用者のレート制限カウンターをゼロに戻す

無料プラン・有料プランを問わず、Antigravity利用者のレート制限カウンターがゼロに戻りました。Googleが新しいGemini 3.5 Flashバリアントを展開したのに合わせ、クォータが再設定された格好です。Android Authorityによると、Googleは前バージョンで指摘されていた出力品質の急激な低下を修正し、難しいタスクでも崩れにくいモデルへ刷新しています。

無駄な思考を削減、難しいタスクでも崩れない新バリアント

Antigravityを担当するVarun Mohan氏が、Xで今回のアップデートを発表しました。Mohan氏は、新しいGemini 3.5 Flashバリアントについて「無駄な思考が大幅に少なくなり」、難易度の高いソフトウェアエンジニアリングタスクで明確に高い耐久性を持つようになったと説明しています。簡単なリクエストでは時間を浪費せず、重いタスクでもコードの構造が壊れにくい——というのが開発者にとっての実利です。

今回の更新は、Antigravity内で展開された「Low-effort」バリアントの問題点を埋めるためのものです。Low-effortバリアントは、AIが基本的なリクエストに対して過剰に思考を巡らせ、シンプルなコーディングタスクでもトークン枠を消費してしまう問題を解決する目的で投入されました。とはいえ、その狙いは完全には果たせなかったと評価されています。

45%トークン削減の代償だった「死角」とは

Gemini 3.5 Flash(Low)は、オリジナルモデル(現在は「Medium」バリアントと呼ばれています)と比較しておよそ45%のトークン生成削減を実現していました。軽量タスクへの軽快なツールとして機能した反面、開発者からは、タスクがわずかに重くなった瞬間に出力品質と構造的な一貫性が大きく低下するとの指摘が寄せられていました。

効率と耐久性をトレードオフした結果、「シンプル」に見えたタスクが急に深い分析を必要とした際に、Lowバリアントは死角を残してしまったかたちです。今回の新バージョンはその死角を埋めることを狙っていますが、改善がLowとMediumのどちらのバリアントに適用されているかは現時点で明らかにされていません。

レート制限の全リセットと、Antigravity限定である理由

Googleは恒例の対応として、Antigravity利用者のレート制限を再度完全にリセットしました。無料プラン・有料プランを問わず、カウンターはゼロに戻り、更新されたモデルをすぐに試せる状態です。

Low / Medium / Highという「effort-level」バリアントはAntigravity固有の仕組みで、コンシューマー向けGeminiアプリ内に「Gemini 3.5 Flash Low」のようなトグルが近いうちに登場することは想定されていないと報じられています。AI開発環境としてのAntigravityと、一般ユーザー向けGeminiアプリは、それぞれ別物として運用されている点に留意が必要です。

「あと何回使えるか」を見える化したい声

Xでは、利用者から週次の利用状況バーを追加してほしいとの要望が寄せられています。週次クォータの残量やリセットタイミングが現状では確認できず、コーディング作業の最中に突然上限に達するリスクがあるためです。重いタスクに着手する直前に残量が尽きると、設計途中のコードが宙ぶらりんになりかねません。可視化されていれば、利用者は重い処理をいつ走らせるか、簡単な作業をどこに振り分けるかを計画的に判断できます。クォータ管理が見えない開発フローは、コードレビューよりも先にスケジュール調整に神経を使う結果になりがちです。

Mohan氏はこのフィードバックを認識しているとされ、将来的な改善が期待される状況です。Antigravityで日々コーディングタスクをこなしている開発者にとっては、レート制限がリセットされた今が新バージョンを試す好機と言えます。出力品質と耐久性の改善が体感できるかどうか、実際のワークフローで確かめてみる価値があります。

Antigravity 2.0として進化したエージェント開発基盤

Google I/O 2026で発表されたAntigravity 2.0は、デスクトップIDE、Go言語ベースのCLI、SDK、Managed Agents APIを単一プラットフォームに統合した刷新版です。基盤モデルとなるGemini 3.5 Flashは289トークン/秒という速度で稼働しており、エージェントループ向けに最適化されています。

開発フローを横断する新コンポーネント

  • Antigravity CLI: デスクトップ版と同じエージェントハーネスを共有し、コアエージェントの改善が自動的に反映される設計です
  • Managed Agents API: 単一のAPI呼び出しで独立したLinuxサンドボックスを起動でき、ツール利用やコード実行をエージェントに委ねられます
  • Scheduled Tasks: 事前指定したcronスケジュールでエージェントを呼び出し、定型タスクを自動化できます

なお既存のGemini CLIとGemini Code Assist IDE拡張は、2026年6月18日にリクエスト処理を停止する予定とされています。

$100ティア新設で再編されたAI Ultraの料金構造

Google AI Ultraは料金体系が大きく変わり、新たに$100/月のティアが追加されました。既存のトップティアは$250/月から$200/月へ引き下げられており、利用規模に応じた選択肢が広がっています。$100ティアはGoogle AI Proと比べて、GeminiアプリおよびAntigravityでの利用枠が5倍に設定されています。

ティア月額Antigravity利用枠の位置付け
AI Ultra(新ティア)$100Pro比で5倍
AI Ultra(上位)$200フロンティア機能を含む最上位

また、Gemini FlashとGemini Proで分かれていたレート制限は1つに統合され、API価格に応じて消費される方式に切り替わりました。Pro/Ultraサブスクライバーのクォータは5時間ごとにリフレッシュされ、新規・既存のUltra契約者には2026年5月25日まで$100分のボーナスAIクレジットも提供されていました。

Q&A

Q. 今回のアップデートはコンシューマー向けGeminiアプリにも反映されますか? 反映されません。Low / Medium / Highというeffort-levelバリアントはAI開発環境「Antigravity」に固有の仕組みです。一般向けGeminiアプリに「Gemini 3.5 Flash Low」のようなトグルが近いうちに登場することは想定されていないと報じられています。

Q. レート制限のリセットは誰が対象ですか? Antigravityを利用している無料プラン・有料プランの全利用者が対象です。クォータカウンターはゼロに戻っており、すぐに新しいGemini 3.5 Flashバリアントを試せる状態です。

Q. 旧Low-effortバリアントとの違いは何ですか? 旧バリアントはオリジナル(現在のMedium)と比べてトークン生成をおよそ45%削減していましたが、タスクが少し重くなると出力品質と構造的な一貫性が低下する問題がありました。新バージョンはMohan氏が「無駄な思考が大幅に少ない」と説明する通り、難しいタスクでの耐久性が高いとされています。改善がLowとMediumのどちらに適用されているかは明らかにされていません。

出典

ポストLINEで送るはてブ
GD

GadgetDrop 編集部

スマホ・PC・AI・XRなど幅広いテクノロジーを、スペックの行間まで読む視点で解説します。速報から深掘り分析まで、テック選びと業界理解に役立つ情報をお届けしています。