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MicrosoftがClaude Codeの社内ライセンスを打ち切りへ、GitHub Copilot CLIに移行——コスト削減も背景か

GadgetDrop 編集部5
MicrosoftがClaude Codeの社内ライセンスを打ち切りへ、GitHub Copilot CLIに移行——コスト削減も背景か

Microsoftは、生成AIで自社コードの最大30%を書いているとCEOのSatya Nadella氏が昨年明かしたほどAIコーディングに前のめりな企業です。そのMicrosoftが、社内で人気を集めていたAnthropic製のAIコーディングアシスタント「Claude Code」のライセンスを打ち切り、自社の「GitHub Copilot CLI」へ開発者を移行させようとしていると報じられています。背景には、自社製品の優位性確保だけでなく会計年度末を控えた財務面の事情もあると見られています。

社内で支持を集めたClaude Code、なぜ切られるのか

The VergeのTom Warren氏によれば、Microsoftは昨年12月から、開発者・プロジェクトマネージャー・デザイナーを含む従業員に対してClaude Codeへのアクセスを開放してきました。過去半年(約6か月)でClaude Codeは社内で広く使われるようになり、結果として自社のGitHub Copilot CLIの存在感を弱めてしまっていたとされています。

"While Claude Code has been a popular addition, it has also undermined Microsoft's new GitHub Copilot CLI coding tool"

Warren氏はこのように、Claude Codeの人気が自社製のGitHub Copilot CLIの立場を損なっていたと指摘しています。社内では機能差(feature disparity)を理由にClaude Code側を好む声が多かったとされ、当初の計画は両ツールを並行利用してベンチマークとフィードバックを行うことだったと伝えられています。

6月末で打ち切り——Experiences + Devices部門が先行移行

Warren氏の情報源によると、Windows・Microsoft 365・Outlook・Teams・Surfaceを担当するExperiences + Devices部門は、6月末までにClaude Codeの利用を停止する見込みとされています。対象チームは数週間かけてGitHub Copilot CLIへワークフローを移行する流れです。

社内の反応について、Warren氏は「Claude Codeを支持する声が多いように見える中で、この移行がどう受け止められるかは興味深い」と評しています。なお、これは社内全体での厳密な投票や調査結果ではなく、Warren氏の見立てに基づく観察です。

会計年度末というタイミングが示すコスト削減の動機

報道では、今回の判断は単に自社製品を推すためだけのものではなく、財務面の動機も働いていると指摘されています。Microsoftの会計年度は6月30日に終了するため、新年度に入る前に従業員向けのClaude Codeライセンスを解約することで、運用コストを削減できるという読みです。

Experiences and Devices Group担当バイスプレジデントのRajesh Jha氏はThe Vergeに対し、次のように説明しています。

"When we began offering both Copilot CLI and Claude Code, our goal was to learn quickly, benchmark the tools in real engineering workflows, and understand what best supported our teams. Claude Code was an important part of that learning… at the same time, Copilot CLI has given us something especially important: a product we can help shape directly with GitHub for Microsoft's repos, workflows, security expectations, and engineering needs."

両ツールを併用したのは実際のエンジニアリングワークフローでベンチマークを行うためであり、Copilot CLIはMicrosoft自身のリポジトリ・ワークフロー・セキュリティ要件・エンジニアリングニーズに合わせて直接形を整えられる点が重要だ、というのがJha氏の主張です。

Cursor AI買収の可能性と業界への波紋

関連する動きとして、MicrosoftはAIスタートアップの買収も模索しており、その候補にはCursor AIも含まれているとされています。ただしGitHub CopilotとCursorはAIコーディング分野で類似性が高いため、規制当局の精査を招く可能性があり、実現しないかもしれないと報じられています。

Claude Codeを使い慣れたMicrosoftのエンジニアにとっては、機能差があるとされる社内ツールへの移行を進める形となります。生成AIで自社コードの最大30%を書く企業が、社内で広く使われていたサードパーティ製ツールから自社製品へと舵を切る今回の動きは、Anthropicとの関係性や、他の大手企業が同様の判断を下すのかという観点でも注視に値する事例といえそうです。

Q&A

Q. MicrosoftはClaude Codeの利用を全社的に停止するのですか? 報道で明示されているのはWindows・Microsoft 365・Outlook・Teams・Surfaceを含むExperiences + Devices部門で、6月末までに停止して数週間かけてGitHub Copilot CLIへ移行する見込みとされています。それ以外の部門の扱いは現時点で明らかにされていません。

Q. 移行の理由は何ですか? 社内で広く使われていたClaude CodeがGitHub Copilot CLIの立場を弱めていた点に加え、6月30日に終わるMicrosoftの会計年度を前にライセンス費用を削減する財務的な動機もあると報じられています。Rajesh Jha氏は、Copilot CLIはMicrosoftのリポジトリやセキュリティ要件に合わせて直接形を整えられる点を重視していると説明しています。

出典

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GadgetDrop 編集部

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