GadgetDrop
AI注目

Microsoft、Teamsの「Together Mode」を提供終了へ──動画品質と性能の改善に注力

GadgetDrop 編集部6
Microsoft、Teamsの「Together Mode」を提供終了へ──動画品質と性能の改善に注力

Microsoftが、Teamsのビデオ会議機能「Together Mode」を段階的に終了することを明らかにしました。パンデミック期に登場し、「全員が同じ会議室にいるように見える」演出で話題を集めた機能ですが、シンプルな体験への回帰と動画品質改善のため、その役割を終えることになります。

パンデミック期に登場した機能、役目を終える

Together ModeはMicrosoftがパンデミック中にTeamsに投入した機能です。AIを使って参加者の頭と肩を背景から切り抜き、仮想空間の中に他の参加者と並べて配置することで、自宅でズボンを履いていない状態でも、皆が同じ部屋で会議をしているような錯覚を生み出すというものでした。

肩を叩いたり仮想ハイタッチを送ったりといった演出も可能で、ギミック的に感じられる場面もありましたが、視覚的な気の散る要素を減らせるというメリットも指摘されていました。

「演出より基本性能」へ──Microsoftが示す理由

The Vergeによると、Microsoftは廃止の理由として複数の要因を挙げています。

  • プラットフォーム間の断片化の削減:各種環境でのUI差異を抑える
  • インターフェースの簡素化:選択肢を減らし、クリック数と混乱を低減する
  • リソース集中:動画品質・安定性・パフォーマンスの改善に注力する

目を引く演出よりも会議体験そのものの質を底上げする方向に舵を切る判断です。在宅勤務が一気に広がった2020年前後と比べ、ビデオ会議の使われ方が成熟し、奇抜な演出より基本性能を重視する流れに沿った動きと読めます。

ロールアウトと影響範囲

変更は段階的に展開されます。適用が進むと、ビューメニューからTogether Modeのトグルが消え、シーン選択や座席アサインといったTogether Mode固有の機能も同時に利用できなくなります。

Together Modeを大人数の定例ミーティングや社内イベントで使っていた組織では、提供終了に備えた表示モードの見直しを検討する必要があります。日常的に使っていなかったユーザーにとっては、メニューが整理されることでむしろ操作が分かりやすくなる可能性もあるでしょう。

業務でTeamsを使っている環境では、Together Modeの提供終了を見越して、社内向けの会議運用ガイドの見直しを進めておくとスムーズです。

代替はGallery View──公式が示す移行先と具体的なスケジュール

Microsoftは廃止と同時に、明確な代替手段と移行先を提示しています。Together Modeの主な代替としてGallery Viewが推奨されており、最大49人を同時に表示できます。モダンGalleryはデバイスの能力に応じて参加者の動画タイルの数とサイズを自動調整するため、幅広い環境で安定した会議体験を維持しやすい設計となっています。

具体的なスケジュールとロールアウト条件は次のとおりです。

  • 廃止は2026年6月30日から開始され、6月下旬に完了する予定です
  • Targeted ReleaseやPublic Previewのユーザーは、一般提供よりも先行して廃止が適用されます
  • カスタムシーンを使ったブランド表示を行っていた組織は、「branded backgrounds」への移行が推奨されています

シーンや座席アサインといった独自演出に依存していた運用は、Gallery Viewとbranded backgroundsを組み合わせる形で再設計することになります。ブランド表現を維持したい組織は、移行先の背景画像や運用ルールを事前に整備しておくことで、廃止のタイミングでも社内会議や対外イベントの見た目を崩さずに済みます。

「シンプル化」の文脈──2026年に進むTeams全体の方向転換

今回のTogether Mode廃止は、2026年に進むTeams全体の整理・強化トレンドの一部として位置付けられます。Teamsは2020年3月から2021年4月にかけて月間アクティブユーザーが3,200万から1億4,500万へと急増しており、パンデミック期に投入された機能群を成熟段階に合わせて取捨選択するフェーズに入っています。

UI面でも簡素化は同時並行で進んでいます。アプリバーのラベル非表示やオーバーフローメニューの整理などが進められ、画面の情報密度を下げる方向で調整されています。

一方で、リソースは新たな領域に振り向けられています。

2026年4月にはCopilotによる通話委任(call delegation)や、手話ユーザー向けのInterpreter agentの改善がTeamsに追加されており、会議・通話まわりのアクセシビリティと生産性向上に開発リソースが集中しています。

セキュリティ面でも転換が進んでおり、2026年1月12日からTeamsは「secure by default」化され、危険なファイル形式の自動ブロックなどが既定で有効化されています。演出機能の整理と、基本性能・セキュリティ強化への注力は、同じ方針の表裏と読み取れます。

Q&A

Q. Together Modeはいつ完全に使えなくなりますか? 段階的に展開されるとされており、具体的な完全終了日は公表されていません。ロールアウトが進んだ環境から順に、ビューメニューのトグルが消えていきます。

Q. シーンや座席アサインなどの関連機能はどうなりますか? Together Mode固有の機能であるシーンや座席アサインも、Together Modeのトグル廃止とあわせて利用できなくなります。

Q. Together Modeの代わりにどの表示モードを使えばよいですか? 代替手段の詳細は公表されていません。Microsoftはインターフェースの簡素化と動画品質・安定性・パフォーマンスの改善に注力するとしており、今後のTeamsの標準的な表示モードを利用することが想定されます。

Q. 管理者として事前にどんな準備をしておくべきですか? ロールアウト時期や対象範囲の詳細は公表されていませんが、Together Modeを定例会議や社内イベントで活用していた場合は、提供終了後の運用手順を事前に検討し、社内向けの会議運用ガイドや利用者への案内を見直しておくと、切り替え時の混乱を抑えられます。

出典

ポストLINEで送るはてブ
GD

GadgetDrop 編集部

スマホ・PC・AI・XRなど幅広いテクノロジーを、スペックの行間まで読む視点で解説します。速報から深掘り分析まで、テック選びと業界理解に役立つ情報をお届けしています。