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NASA X-59が6月初旬に初の超音速飛行か——StarshipはFAAが飛行停止、New Glennは爆発

GadgetDrop 編集部7
NASA X-59が6月初旬に初の超音速飛行か——StarshipはFAAが飛行停止、New Glennは爆発

NASAが開発を進めてきた静音超音速研究機「X-59」が、2026年6月初旬に初の超音速飛行に挑むと報じられています。商用と公的機関で明暗が分かれた一週間——一方では、5月22日にFlight 12を実施したSpaceXの「Starship V3」がFAAから飛行停止を命じられ、Blue Originの「New Glenn」もホットファイア試験中に発射台上で爆発するなど、宇宙開発の前線で対照的なニュースが相次いでいます。Engadgetが報じた今週の科学ニュースを整理します。

X-59がついに音速突破へ——3段階の超音速試験計画

NASAが10年近くかけて開発してきたX-59は、超音速飛行に伴うソニックブーム(衝撃音)を発生させない静音超音速機を目指す実証機です。X-59は昨年10月に初飛行を実施し、その後も飛行試験を重ねてきましたが、いよいよ「音の壁」を破る段階に入ると伝えられています。

NASAが示した試験計画は3段階構成です。

  • 第1段階:高度約43,000フィートで630 mph超に到達する初の超音速飛行
  • 第2段階:「ミッション条件」試験として高度約55,000フィートで925 mph(Mach 1.4)を記録
  • 第3段階:最終的に高度60,000フィートで最高速度Mach 1.6(1,218 mph)を達成

第1段階の初超音速飛行は、2026年6月初旬に予定されていると報じられています。

「静音」性能の披露はまだ先——伴走機の轟音に隠れる試験段階

注目したいのは、今回の試験段階ではX-59本来の「静かな超音速」性能はまだ披露されない点です。

NASAはブログ投稿で、現段階では従来型の超音速チェイス機(伴走機)が随伴するため、X-59が発生させるかもしれない静かな「thump(鈍い音)」は、チェイス機の通常のソニックブームにかき消されてしまうと説明しています。つまり、今回の超音速飛行は機体の基本性能と挙動を検証するためのものであり、静音性能のデモンストレーションは今回の試験フェーズの対象外と位置づけられています。

SpaceX Starship V3はFAAが飛行停止——Super Heavyブースターに不具合

宇宙開発のもう一方の主役、SpaceXのStarshipには逆風が吹いています。5月22日に初めて打ち上げられた「Starship V3」は、Flight 12として計画の多くを達成したものの、Super Heavyブースターのソフトスプラッシュダウン(軟着水)に失敗し、FAAから飛行停止が命じられました。

SpaceXのブログ投稿によると、ステージ分離後にSuper Heavyは方向転換マニューバを実施し、ブーストバック燃焼を試みましたが、予定していた全エンジンを点火できず、ブーストバック燃焼は途中で打ち切られたとされています。その後、着水燃焼のための再点火を試みたものの、最終的に「Gulf of America」でハードスプラッシュダウン(硬着水)に至りました。なお、Starship本体は予定通りインド洋上の着水地点に到達しています。

FAAは今週の声明で「2026年5月22日のSpaceX Starship Flight 12打ち上げはミッシャップ(事故)に該当する」と判断したことを公表しました。SpaceXに対してミッシャップ調査の実施を求め、FAAが全プロセスに関与し最終報告書を承認するとしています。一方で、公衆の負傷や公共財産の損害は報告されていません。

FAAはこの種の措置を過去にも複数回行っており、SpaceXは比較的短期間で復帰してきた経緯があります。今回も飛行再開までそれほど長くはかからないと見られていると伝えられています。

商用は爆発、研究機は前進——分かれた今週の宇宙開発

X-59とStarshipに加え、もう一つ衝撃的なニュースとして、Blue OriginのNew Glennロケットが金曜日のホットファイア試験中にCape Canaveralの発射台上で爆発したことも報じられています。

New Glennは先月、3回目のミッション後にFAAから飛行停止が命じられ、今週ようやく飛行再開の認可が下りたばかりでした。認可直後の発射台上での爆発というタイミングは、Blue Originの開発スケジュールにとって新たな試練となりそうです。

このほかにも今週は、NASAが2026年末までに最大3回の追加月面ミッションを計画していること、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、ビッグバン直後の最初の1秒以内に形成された可能性があると研究者が指摘する超大質量ブラックホールを発見したことなど、注目ニュースが相次ぎました。

商用ロケット側ではStarshipのFAA調査入りとNew Glennの発射台上爆発が同時期に重なり、開発・運用スケジュールへの影響が読者の関心軸になりそうです。一方、X-59の3段階試験は、静音超音速という社会実装に直結する研究テーマであり、6月初旬の初超音速飛行とStarshipの飛行再開時期が、当面の最大の関心ポイントになるでしょう。

New Glenn爆発の規模と被害状況——FAAは「ライセンス対象外」と判断

Blue OriginのNew Glennが爆発したのは現地時間21時EDT頃で、Cape Canaveral宇宙軍基地のLaunch Complex 36で発生したと伝えられています。試験は6月4日にも予定されていた打ち上げの準備として実施されたスタティックファイア試験で、188フィート(約57メートル)の第1段がまず炎に包まれ、続いて86フィートの第2段が傾きながら崩壊。最終的にメタンと液体酸素の搭載燃料が引火し、巨大な火球を伴う爆発に至ったとされています。

"This test was not within the scope of FAA licensed activities."

FAAはSpaceflight Nowの取材に対し、地上試験は同機関のライセンス対象外との見解を示し、爆発を受けた新たな調査は実施しない方針を伝えたと報じられています。Blue Originは全人員の無事を確認した一方、周辺ビーチに漂着する可能性のあるデブリへの注意を呼びかけており、米国史上有数の大規模ロケット爆発事故として記録されつつあります。

Webb望遠鏡が捉えた「銀河より古いブラックホール」——観測データの詳細

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による超大質量ブラックホール発見は、2026年5月27日にSTScI(宇宙望遠鏡科学研究所)から発表され、論文はNatureおよびMonthly Notices of the Royal Astronomical Societyに掲載されたとされています。

項目内容
対象銀河Abell2744-QSO1(小型の赤い銀河)
観測時期ビッグバン後 約7億年
ブラックホール質量太陽の約5000万倍
測定の位置づけビッグバン後10億年以内の直接質量測定として史上初

研究者らはこの天体が宿主銀河の星々を質量で上回っていると指摘し、銀河形成より先にブラックホールが存在していた可能性を示しています。ESAは「ブラックホール形成と成長の古典的シナリオを全面的に見直す、パラダイムシフトに相当する」と表現しており、初期宇宙のブラックホール「ヘビーシード」起源説を補強する観測結果として注目されていると伝えられています。

Q&A

Q. X-59の初の超音速飛行はいつ予定されていますか? 2026年6月初旬に、高度約43,000フィートで630 mph超に到達する初の超音速飛行が予定されていると報じられています。その後、高度55,000フィートでMach 1.4(925 mph)、最終的に高度60,000フィートで最高速度Mach 1.6(1,218 mph)を目指す3段階の試験計画です。

Q. SpaceX Starshipはいつ飛行再開できますか? 具体的な再開時期はまだ明らかにされていません。FAAは「ミッシャップに関連するシステム・プロセス・手順が公衆の安全に影響しないと判断された時点で飛行再開を認める」としており、SpaceXは過去にも同様の飛行停止を比較的短期間で解除してきた経緯があります。

Q. X-59の「静音超音速」性能はいつ確認できる見込みですか? 今回の試験段階では従来型のチェイス機が伴走するため、静音性能の確認は別フェーズに持ち越されると説明されています。具体的な時期はNASAから現時点で公表されていないため、続報を待つかたちとなります。

出典

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