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NetflixがTV向けAI音声検索を米国で限定テストか——自然言語で作品を探せる新機能

GadgetDrop 編集部6
NetflixがTV向けAI音声検索を米国で限定テストか——自然言語で作品を探せる新機能

リモコンで一文字ずつ入力するあの面倒な作業から、ようやく解放される日が近づいているのかもしれません。NetflixがスマートTVアプリ向けに、AIを活用した音声検索機能を米国で限定的にテストしていると報じられています。自然な話し言葉で「今夜観たい作品」を探せる仕組みで、ベータ段階ながら精度の高さが注目されています。

自然言語で作品を探せる新しい音声検索

The Vergeの報道をAndroid Authorityが伝えたところによると、Netflixは米国の一部ユーザーを対象に、AIベースの音声検索機能をテスト中とのことです。テスト対象となったユーザーであっても、利用できるのは一部のデバイスに限られていると報じられています。

使い方はシンプルで、リモコンのNetflixボタンを押すと音声検索が起動します。画面にはおすすめの検索例と「Ask」ボタンが表示され、そこから話しかけることで作品を探せる仕組みです。従来の単語ベースの検索ではなく、自然な文章で問いかけられる点が大きな違いとなります。

「死をテーマにした子ども向け楽しいドラマ」も理解する精度

報道によれば、この音声検索はかなり難しいクエリに対しても、関連する作品を的確に提示できるとされています。たとえば「fun kids TV shows about death(死をテーマにした子ども向けの楽しいドラマ)」という変則的な質問に対しては、まさにその説明にぴったりの『A Series of Unfortunate Events(レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語)』を提示したと報じられています。

一方で、Netflixは差別的な表現を含むような検索には応答しないよう配慮しているとも伝えられています。ベータ段階ながら、慎重に設計されている様子がうかがえます。

視聴履歴・パーソナライズ非対応という意外な弱点

ただし、現状のテスト版にはいくつかの重要な機能が欠けていると報じられています。

  • ユーザーの視聴履歴に基づいた作品提案ができない
  • Netflix自慢のパーソナライズドおすすめを活用できない

Netflixのレコメンド機能は業界でも高く評価されているだけに、AI音声検索とこれらが連携していない点は意外です。両者が組み合わされれば、検索体験はさらに洗練されるはずですが、現時点では別系統のツールとして提供されている格好です。

なお、Netflixは近年、ゲーム向けのボイスチャット機能やモバイルアプリでの縦型動画フィードなど、従来の枠を超えた取り組みを進めていると伝えられています。今回の音声検索もその流れの一環といえるでしょう。

全ユーザーへの展開時期は未定

この機能がいつ全ユーザーに展開されるのかは、現時点では明らかになっていません。米国限定のテストである点、そしてテスト対象内でも一部デバイスに限られている点を踏まえると、日本のユーザーが利用できるようになるまでにはまだ時間がかかりそうです。

報じられている精度の高さが本物なら、待つ価値のあるアップデートと言えそうです。現時点では「米国の一部ユーザー向けに限定テスト中の機能」と捉えるのが妥当で、続報を待ちたいところです。

対応デバイスと先行するモバイル版の動向

今回のTV向けテストに関しては、対応プラットフォームの輪郭も少しずつ見え始めています。早期のテストではGoogle TVデバイスがサポート対象とみられ、Chromecast with Google TVや一部のTCL製テレビなどが含まれていると報じられています。実際にSony A80J搭載のGoogle TVで機能に気付いたRedditユーザーが、長く待ち望まれていた機能だと評価し、最初から問題なく動作したと報告しています。

モバイルでは別ルートでベータ提供

TVに先行してモバイルでも限定ベータが進行しています。NetflixのヘルプセンターによるとiPhoneとiPadの一部メンバー向けに限定ベータとして提供されており、自分の言葉で作品を検索し、その場で気分や好みに合わせて結果を絞り込めると説明されています。利用にはベータへのオプトインが必要です。なおユーザーは自然に話しかけられる一方、結果は画面上にテキスト表示され、Netflix側からの音声応答はないとされています。

競合各社の動きとNetflix音声検索の位置付け

スマートTVにおけるAI検索は、すでに複数のプラットフォームで競争が始まっています。AmazonはFire TVで作品に関するオープンエンドな質問に応答するAI音声検索を提供しており、より近い比較対象としてはTubiがChatGPTを活用した検索ツールを導入しましたが、利用率の低さから後に終了したとされています。Netflixが同じ轍を踏まずに定着させられるかが焦点となります。

事業者AI検索の状況
NetflixTV向けに米国で限定ベータ、iOSでも別途ベータ
Amazon Fire TV自由形式クエリ対応の音声検索を提供済み
TubiChatGPT連携検索を導入後、終了
Apple TV新型4Kで導入が噂される段階

ハードウェア側の動きも見逃せません。新型Apple TV 4Kは今秋の投入が噂され、当初は2025年後半が予定されていたものの、iOS 27でのSiriのAI強化に合わせて延期されたと報じられており、より強力なチップでApple Intelligenceに対応する見込みです。Netflixの今回のテストはOpenAIのChatGPTを活用して会話的な発見体験を提供する設計であり、TV分野における生成AI検索の標準形を巡る競争が本格化しつつあります。

Q&A

Q. このAI音声検索はどのデバイスで使えますか? スマートTVのNetflixアプリでテストされていると報じられていますが、対象は米国の一部ユーザーかつ一部のデバイスに限られているとのことです。日本での提供時期は公表されていません。

Q. 通常の検索とどう違うのですか? キーワードを打ち込む従来の検索と異なり、自然な話し言葉で問いかけられる点が特徴です。「死をテーマにした子ども向けの楽しいドラマ」のような複雑なクエリにも対応すると報じられています。

Q. 自分の視聴履歴やおすすめは反映されますか? 現時点では視聴履歴やパーソナライズドおすすめとは連携していないと報じられています。Netflix本体のレコメンドとは別の検索ツールとして動作している状況です。

出典

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GadgetDrop 編集部

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