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NVIDIA Vera CPUの初ベンチがリーク——88コアでEPYC・Xeonを上回るか、Phoronixが先行測定

GadgetDrop 編集部8
NVIDIA Vera CPUの初ベンチがリーク——88コアでEPYC・Xeonを上回るか、Phoronixが先行測定

前世代「Grace」を63%上回り、x86サーバーCPUの最新世代にも先行する——NVIDIAのArmベース新型サーバーCPU「Vera」の初ベンチマークが、Linux系メディアのPhoronixから公開されたとWccftechが報じています。88基のカスタム「Olympus」コアを搭載するこのチップは、AMDのEPYCやIntelのXeonといった現行x86最上位品にも勝る数字を出しているという内容で、Agentic AIや推論サービスを支えるサーバー基盤の主役交代を予感させる結果です。なお、テストは量産前のハードウェアでの早期測定である点には注意が必要です。

Geomeanで前世代Graceを63%上回るとされる初測定

Phoronixが公開したベンチマークでは、全テスト結果のGeomean(幾何平均)でNVIDIA Veraが72コアのGraceを63%上回ったと報告されています。さらに、競合のAMD EPYC 9575F(5GHz駆動の64基「Zen 5」コア構成)に対して10%、Intel Xeon 6980P(Granite Rapidsベースの128コア)に対して55%の優位を示したという結果です。

CPUコア構成Veraとの比較(Phoronix測定)
NVIDIA Vera88 Olympusコア基準
NVIDIA Grace72コアVeraが63%高速
AMD EPYC 9575F64 Zen 5コア / 5GHzVeraが10%高速
Intel Xeon 6980P128コア(Granite Rapids)Veraが55%高速

Phoronixは結論部で「これまでテストしたなかで最も高性能なARM Linuxサーバープロセッサ」と評価しているといいます。ただし、これは特定のベンチマークスイート群におけるGeomean結果である点には留意が必要です。

電力効率の数字は今回公開されず

今回の測定では、サーバーCPUの評価で重要視される電力効率(performance per watt)のスコアが含まれていません。Phoronixは、これらのテストを実行・公開することを許可されていなかったと説明しています。テストに使われたVeraモジュールは早期段階のサンプルであり、最終製品では出荷前の電力チューニングや最適化によってさらに性能・効率が改善する可能性があると報じられています。最終的なリテール/商用構成での数字は変動する可能性がある点を踏まえて読む必要があります。

NVIDIA自身は、Veraについて従来型x86 CPUに対して50%の性能向上、2倍の電力効率(パフォーマンス/ワット)、ラックあたり4倍の密度を実現すると説明しているとされます。Veraは「Extreme Co-Design」と呼ばれるエコシステムの基幹コンポーネントとして、Rubinプラットフォームを支える位置付けの製品です。

読者にとっての意味——推論コストと応答速度に効く

Agentic AIや推論ワークロードはCPU側の処理にも強い負荷を掛けるため、サーバーCPUが世代単位で速くなれば、クラウドAIサービスのレスポンス短縮や、同じワークロードを少ない台数で回せることによる推論コストの低下につながり得ます。NVIDIAはVeraをAgentic AIと推論ドメインに「purpose-built」と説明していると伝えられており、データセンター利用者・クラウド利用者の側から見ると、今回のベンチは「次に使うAIサービスがどのくらい速く・どのくらい安く動くか」を左右し得る数字、という読み方ができます。

OpenAI・Anthropic・SpaceX・Oracleが初回出荷先、2026年にCPU首位を狙う

NVIDIAは先日、Veraがフル生産入りしたと発表し、最初のCPUラックをOpenAI、SpaceX、Anthropic、Oracleといった主要AI企業に手渡しで届けたといいます。Veraは同社にとってRubinプラットフォームの一部であると同時に、初めて単体CPUとして外販する製品でもあります。

Wccftechは、NVIDIAが2026年にCPU供給で首位を狙い、Vera事業で200億ドル規模の売上を目指しているとの見方を示しています。Agentic AIや推論ワークロードがCPU性能を強く要求するため、VeraはIntel・AMDのサーバーセグメントで大きなシェアを取り得る位置にいる、とも報じられています。

競合は反撃準備、AMD EPYC Venice・Intel Diamond Rapidsが控える

一方で、NVIDIA Veraの前途には激しい競争が待ち構えています。AMDは「Zen 6」コアベースの次世代EPYC「Venice」をすでに量産入りさせており、2026年下半期に投入予定といいます。IntelもDiamond Rapidsプラットフォームの準備を進めており、QualcommとArmもデータセンター向けのCPUをAgentic AI市場に向けて開発中とのことです。

つまり今回のベンチマークは、現行世代(EPYC 9575F・Xeon 6980P)に対するVeraの強みを示すものではあるものの、これから登場する次世代x86 / Armチップとの正面対決はこれからが本番だ、という構図になります。Phoronixが指摘した「最も高性能なARM Linuxサーバープロセッサ」という評価が今後も維持できるかは、EPYC VeniceやDiamond Rapidsとの直接比較が出揃ってからの判断になります。

現時点では、今回のスコアはあくまで先行測定として捉えるのが妥当です。性能比とともに、未公開のままになっている電力効率の数字、そして競合次世代品の登場を踏まえた評価が出てくるまでは、続報を待ちたいところです。

Olympusコアの中身——10年ぶりの自社設計とSpatial Multi-Threading

Veraに搭載されるOlympusコアは、Arm v9.2-Aに対応する完全自社設計のCPUコアで、NVIDIAがDenver系コア以来およそ10年ぶりに手掛けた独自CPUコア設計です。前世代Graceが汎用のArm Neoverse V2コアを採用していたのに対し、Olympusはエヌビディア初の完全カスタムなデータセンターCPUコアという位置付けになります。

マイクロアーキテクチャの主な特徴

  • 10ワイドの命令フェッチ・デコードのフロントエンドに加え、ニューラル分岐予測器を備える構成です
  • Spatial Multi-Threadingにより、リソースを物理的に分割して1コアあたり2ハードウェアスレッドを実行し、計88コア176スレッドで動作します
  • 最大1.5TBのLPDDR5x(SOCAMM)、1.2TB/sのメモリ帯域、NVLink-C2Cでは1.8TB/sのコヒーレント帯域を確保しています

CPUダイそのものも227億トランジスタ規模に達しており、ベンチで示された数字の背景には、こうした全面的な再設計があるとみられます。

ラック規模での意味——Vera Rubin NVL72と本格展開の実体

VeraはCPU単体としてだけでなく、Rubin GPUと組み合わさったラックスケール製品の中核を担っています。旗艦構成であるVera Rubin NVL72は、72基のRubin GPUと36基のVera CPUを組み合わせ、NVFP4推論で3.6 EFLOPSを謳う仕様です。

指標Vera Rubin NVL72の値
Rubin GPU数72基
Vera CPU数36基
NVFP4推論性能3.6 EFLOPS

ペアとなるRubin GPUは336億トランジスタ規模で、最大288GBのHBM4と22TB/sのメモリ帯域を備えています。コスト面ではBlackwell比でMoE学習においてGPU数1/4、MoE推論ではトークンコスト1/10での運用が掲げられています。

生産・供給面では2026年Q1時点でフル生産入りとされる一方、パートナー提供は2026年下半期予定で、初期展開先としてAWS、Google Cloud、Microsoft、Oracle Cloudに加え、CoreWeave、Lambda、Nebius、NscaleといったNVIDIA Cloud Partnerが挙げられています。

Q&A

Q. NVIDIA Veraはどのワークロードを狙ったCPUですか? NVIDIAはAgentic AIおよび推論(Inference)向けに特化したCPUと位置付けていると報じられています。RubinプラットフォームのCPU側を担うとともに、単体CPUとしても提供されるとされています。

Q. 今回のベンチマーク結果はそのまま製品版でも期待できますか? 測定に使われたのは量産前のハードウェアであり、出荷前のチューニングや最適化で性能・効率が変動する可能性があります。また、電力効率(パフォーマンス/ワット)のテストはPhoronixに許可されておらず、結果も公開されていません。

Q. Veraはいつ・どこで手に入りますか? NVIDIAは最初のVera CPUラックをOpenAI、SpaceX、Anthropic、Oracleなど主要AI企業に手渡しで届けたとされ、Vera Rubin AIシステムに搭載されるほか、単体CPUとしても提供される計画と報じられています。一般的な販売チャネルや価格については現時点では明らかにされていません。

出典

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