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OpenAIのCodex、ロック中のMacも操作可能に——スマホから指示しアプリを動かす新機能

GadgetDrop 編集部7
OpenAIのCodex、ロック中のMacも操作可能に——スマホから指示しアプリを動かす新機能

外出中、ポケットの中のスマートフォンから一言指示するだけで、机に置き去りにした画面オフ・ロック中のMacが勝手にアプリを開き、コーディング作業を進めている——OpenAIがmacOS向け「Codex」デスクトップアプリで公開した新機能は、そんな光景を現実にしてしまうものです。コーディングエージェントであるCodexが、Macのロックが解除されていない状態でもアプリを操作できるようになるという内容で、スマートフォンからタスクを送るだけでMac側の作業が進みます。

画面オフ・ロック中のMacをスマホから動かす「Computer Use」アップデート

OpenAI DevelopersがX上で公開した投稿によると、ユーザーは自分のスマートフォンからCodexにタスクを送り、Mac上のアプリを「画面がオフでロックされている状態でも」操作させられるようになりました。

投稿に添えられた画像では、ロック中のMacに「Codex is Using Your Mac」というオーバーレイが表示され、任意のキーを押すかクリックでロック解除できる旨のプロンプトが示されています。離席中や別作業中でも、手元のスマートフォンから自然言語でMacを使わせるという、これまでのリモート操作とは趣の異なる体験になります。

たとえば、外出先でバグ報告を受け取ったときにスマートフォンからCodexに修正タスクを投げておけば、帰宅したころには自宅のMac上で再現と修正案の検証が動いている——そんな使い方が想定できます。

Screen RecordingとAccessibilityを渡す覚悟は要る

この機能はmacOS版Codexデスクトップアプリの「Computer Use」プラグインとして提供されます。動かすには、Computer Useプラグインをインストールし、Mac側で Screen Recording(画面収録)Accessibility(アクセシビリティ) の権限を付与する必要があります。

権限を付与すると、Codexは明示的に許可したアプリ内で以下のような操作を行えるようになります。

  • ウィンドウのクリック
  • 文字入力
  • メニューのナビゲーション
  • クリップボードとのやり取り

新しいアプリを操作する際には、Codexがその都度許可を求める設計です。毎回確認するのが煩わしい場合は、特定のアプリを「Always allow(常に許可)」としてマークしておくこともできます。OpenAIは、コマンドラインツールでは手が届きにくい「GUIだけで再現するバグの再現」「アプリ設定の変更」「Codexが開発を手伝っているデスクトップアプリのフロー実行」といった用途を想定例として挙げています。

使えない地域・自動化させない領域

便利な一方で、いくつかの明確な制限があります。OpenAIによると、ローンチ時点で 欧州経済領域(EEA)、英国、スイスでは利用できません。日本での利用可否については、公式情報がありません。

また、自動化対象から外れる領域も明示されています。

  • Terminalアプリの自動化はできません
  • Codex自体の自動化はできません
  • システムレベルの管理者プロンプトの自動化もできません

セキュリティ上特にセンシティブな領域、つまりシェル操作や昇格権限の要求といった部分には、Codexは手を伸ばさない設計だといえます。

エージェントが主役になる開発体験への布石

今回の「ロック中操作」は、最近のCodexの一連の機能追加の延長線上にあります。Command-Commandショートカットで、Macアプリのウィンドウからスクリーンショットとテキストを抜き出してCodexスレッドに取り込む「Appshots」、そしてエージェントが数時間〜数日にわたってマイルストーンに向けて作業を続ける「/goal mode」が、最近のアップデートとして紹介されています。

スマートフォンから指示を出してMacを動かすという発想には、開発作業の主役を「キーボード前の自分」から「指示を受けて自律的に動くエージェント」へとシフトさせる方向性が表れています。アクセシビリティと画面収録の権限を渡す重さを承知のうえで、リーク系ではない公式アップデートとして展開された機能だけに、対応地域のmacOSユーザーなら導入を検討する価値があります。一方で、地域制限や管理者プロンプト除外といった条件は事前に押さえておきたいところです。

ロック中操作を支えるセキュリティ設計の中身

ロック解除を伴うリモート操作という性質上、Codexの実装には複数の安全装置が組み込まれています。OpenAIは永続的なアクセスではなく短期間限定の認証トークンを用い、Codex向けに一時的にロック解除されている間はディスプレイが覆われて周囲からは何も見えない設計です。さらにローカルでキーボードやマウスの入力が検知されると即座に再ロックし、ユーザーが手動で解除するまで自動アンロックを停止します。この仕組みはmacOSのunlockフローに参加するApple authorization plug-inを通じて動作しており、バイパスではないとされています。

管理者向けの無効化スイッチと推奨バージョン

組織での運用を想定し、管理者やオーナーはCodex cloudのPolicies & Configurations設定で remote_computer_use = false にすることでこの機能をオフにできます。利用を開始する前提条件として、Codexアプリは26.519以降にアップデートし、CLI側でGoal Mode対応のために npm install -g @openai/codex で0.128.0以降に更新する必要があります。

モバイル展開とEnterprise向け管理機能の広がり

スマートフォン側の体験も同時に強化されています。Codex mobileはiOSとAndroidでプレビュー提供され、全プランのユーザーが利用できる構成です。単発のリモート制御にとどまらず、スマートフォンから全スレッドを横断した作業、出力レビュー、コマンド承認、モデル変更まで担えるようになっています。

  • iOSとAndroidの両方でプレビュー提供されています
  • 全プランのユーザーが利用できます
  • スレッド横断の作業や出力レビューに対応しています
  • コマンド承認やモデル変更もスマホ側から完結します

組織利用に向けては、Enterprise管理者向けにアクティブユーザー数、クレジット消費、プラグイン使用状況などの分析が提供されており、導入規模が拡大した際の可視化基盤として機能します。基盤モデル側では、Codex向けの新モデルとしてGPT-5.3-Codexが投入され、25%の高速化が図られています。個人ユーザーのスマホ運用から組織単位での管理まで、Codexの利用面が縦横に広がっています。

Q&A

Q. Codexがロック中のMacを操作している間、第三者が画面の中身を覗ける状態になりませんか? 画像で示されているのは、ロック中のMacに「Codex is Using Your Mac」というオーバーレイが表示され、画面を見るには任意のキーを押すかクリックしてロック解除する操作が必要になる仕様です。さらに、新しいアプリを操作する際は都度許可が求められ、Terminalアプリやシステムレベルの管理者プロンプトは自動化対象外と明記されています。Screen RecordingとAccessibility権限の付与は前提となるため、利用は明示的な許可の範囲内に限られる設計です。

Q. 日本から利用できますか? ローンチ時点で利用不可と明示されているのは欧州経済領域、英国、スイスです。日本での提供状況については公式情報がありません。

出典

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GadgetDrop 編集部

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