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Prime VideoがiPhoneアプリに縦型動画「Clips」を導入——Netflix・Disney+に続く参入

GadgetDrop 編集部6
Prime VideoがiPhoneアプリに縦型動画「Clips」を導入——Netflix・Disney+に続く参入

Amazonが運営するPrime Videoが、iPhoneアプリに縦型動画フィード「Clips」を投入しました。先週Netflixが同名の機能を全面展開したばかりで、ストリーミング業界の縦型動画競争が一気に加速しています。

Prime Videoの「Clips」とは何か

Clipsは、Prime Videoのモバイル版ホーム画面に表示される縦型のショート動画フィードです。スクロールできる全画面UIで、映画やドラマの印象的な場面を短く切り出して提示する仕組みになっています。

もともとはNBA中継向けのハイライトとしてテストされていた機能でしたが、今回の正式展開ではPrime Video全体の映画・シリーズ作品の名場面に対象を広げています。プレスリリースでは「Prime Video体験全体の映画・シリーズの名場面を含むかたちに拡張する」と説明されています。

利用方法は次のとおりです。

  • Prime Videoモバイル版ホーム画面の「Clips」カルーセルまでスクロールする
  • 任意のクリップをタップすると全画面の縦型フィードに入る
  • 視聴履歴に基づきパーソナライズされたクリップが次々と表示される

各クリップ画面からは、本編をそのまま視聴したり、レンタル・購入したり、対象作品を視聴するためのサブスクリプションに加入したり、ウォッチリストへの追加、いいね、友人へのシェアといった操作が可能です。アプリを開くたびに、視聴履歴に応じて新しいクリップが提示される設計になっています。

ストリーミング業界で広がる縦型動画の波

縦型動画はTikTokの台頭以降、SNSの主流フォーマットとして定着してきましたが、2026年に入ってからストリーミングサービス各社が一斉にこの分野へ参入しています。

サービス機能名投入時期
Disney+Verts2026年3月
NetflixClips先週(全面展開)
Prime VideoClips本日ロールアウト開始

NetflixとPrime Videoが同じ「Clips」という名称を採用している点は興味深いところです。発見性(ディスカバリー)を高め、SNS的な接触頻度を作品視聴へつなげる狙いがあるとみられます。テレビをつけてホーム画面を眺めるだけだった「次に何を見るか探す」という時間を、縦型フィードに置き換えようという動きとも読めます。

ロールアウトの範囲と未確定の点

今回のClips展開は段階的に進められます。Amazonによれば、機能は「米国の一部ユーザー向けにiOS・Android・Fire tabletsで初期ロールアウトが始まり、今夏中にこれらのデバイス全体で完全に利用可能になる」予定とされています。日本市場での提供時期については現時点で公表されていません。

アプリにClipsがまだ表示されない場合は、最新版のPrime Videoアプリにアップデートしているか確認したうえで、ロールアウトの順番を待つことになります。

また、現時点で明確になっていないのが、Clipsの対象範囲です。Amazon自身のコンテンツに限られるのか、それともApple TV-Peacockバンドルのような外部サブスクリプション提供分にも縦型クリップが用意されるのかは公表されていません。Prime Videoはチャンネル経由で多数のサードパーティ作品を扱っているため、ここがどう設計されるかは利用体験に大きく影響しそうです。

新しい機能を試してみたい方は、まずアプリを最新版に更新してホーム画面のCarouselをチェックしてみるとよいでしょう。米国向けの段階的ロールアウトのため、日本のユーザーが体験できるタイミングは続報を待つ必要があります。

Netflix版Clipsの提供範囲とパーソナライズの粒度

先行するNetflixのClipsは、Prime Videoとは提供規模が大きく異なります。新しいNetflixモバイルアプリは2026年4月30日から米国、カナダ、英国、オーストラリア、インド、マレーシア、パキスタン、フィリピン、南アフリカで利用可能になっています。米国の一部から始まるPrime Videoとは対照的に、初日から9カ国で同時展開された点が特徴です。

既存機能との違いと将来計画

縦型動画自体はNetflixにとって新しいものではなく、2018年にPreviews、2021年にFast Laughsを投入していますが、Clipsはこれらをパーソナライズ重視で大幅に拡張したものになっています。さらにパーソナライズの粒度はユーザーの一般的な好みだけでなく、どのような瞬間に反応する傾向があるかにまで及んでおり、同じシリーズを楽しむ2人の視聴者でも、アクションシーン派か感情的な場面派かによって異なるクリップが表示されます。将来的にはポッドキャスト、ライブ番組、ロマンスなどジャンル別コレクションも対象に加わる予定とされています。

Disney+「Verts」の起源とOpenAI連携という独自路線

業界の縦型動画競争で先陣を切ったDisney+のVertsには、Prime VideoやNetflixと異なる独自の文脈があります。Vertsという名称は、2025年8月にESPNアプリへ導入されたブランドを引き継いだもので、スポーツ配信側で先行していたUIをDisney+本体に移植した形になります。

項目Disney+ Verts
米国展開開始2026年3月12日
アクセス方法ナビゲーションバーの新Vertsアイコン
ターゲットGen Z・Gen Alpha

DisneyのErin Teague氏は、Gen ZとGen Alphaはスマホで2時間半の長尺コンテンツを座って視聴することを期待していないと説明しており、行動様式に合わせる必要性を強調しています。さらに注目すべきは生成AIとの統合計画で、OpenAIとの3年間のライセンス契約により、ユーザーがSoraで生成した短編動画をDisney+に持ち込めるようにする予定です。Disneyは100年分のカタログを活用しており、初期テストでは縦型動画がエンゲージメント向上に寄与したと報告されています。これは単なる名場面集にとどまらない方向性を示しています。

Q&A

Q. Clipsは日本のPrime Videoでも使えますか? 今回のロールアウトは米国の一部ユーザー向けにiOS・Android・Fire tabletsで開始され、今夏中に米国内で完全展開される予定です。日本での提供時期は現時点で公表されていません。

Q. Clipsで見た作品はそのまま視聴できますか? はい。クリップ画面から本編の視聴に進めるほか、レンタル・購入、対象作品のサブスクリプション加入、ウォッチリスト追加、いいねやシェアといった操作が可能です。

Q. Netflixの「Clips」とは別物ですか? 名称は同じ「Clips」ですが、別のサービスがそれぞれ独自に提供する縦型動画機能です。Netflixは先週、Prime Videoは本日から展開を始めました。

出典

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GadgetDrop 編集部

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