NvidiaのDLSS 5デモ映像でバイオハザードRE:Requiemの主人公・Grace Ashcroftが「別人」と言われるほど変貌してしまった問題を覚えているでしょうか。あの騒動に対し、同作のプロデューサーが「あの反応は、むしろポジティブだった」と語りました。
DLSS 5騒動のおさらい——Grace Ashcroftに何が起きたのか
NvidiaはDLSS 5のアップスケーリング技術を初公開しました。「フォトリアルなライティングとマテリアルをピクセルに注入するリアルタイムニューラルレンダリングモデル」と銘打ったこの技術は、生成AIを活用するものです。公開されたのは3月のことです。
Nvidiaはその際、DLSS 5を活用する複数のゲームを紹介するハイライト映像を公開しましたが、そこに含まれていたRE:Requiemの映像が大きな批判を浴びます。主人公のGrace Ashcroftが、AIによるアップスケーリングの結果、原作デザインとはまったく別人のような"ヤス化(yassified)"した姿に変えられてしまったのです。批判はAI倫理への懸念だけでなく、キャラクターデザインそのものへの変改に対する怒りも含んでいました。
「ネガティブな反応はポジティブだった」——プロデューサーの真意
この騒動について、RE:RequiemプロデューサーのMasato Kumazawa(熊澤雅人)氏がEurogamerのインタビューで言及しました。Capcomの関与については直接言及できないとしながらも、プレイヤーの反応がGraceのデザインに対する共感の証明だと述べています。
「多くのプレイヤーがGraceのオリジナルデザインを本当に気に入っており、変えてほしくないとコメントしてくれたことは、ポジティブなことでした」と熊澤氏は語りました。
さらにこう続けています。「それは私たちがデザインを正しく作れたことを意味しており、Graceがすぐにファンのお気に入りキャラクターとして定着したこと——人々が彼女のデザインに強い思い入れを持っていること——を示しています」
つまり熊澤氏は、批判の矛先がNvidiaのAI処理に向いていたこと自体を、Capcomが作り上げたGraceというキャラクターへの愛着の裏返しとして肯定的に捉えているわけです。
NvidiaのJensen Huang CEOはどう反論したか
DLSS 5への批判を受けてJensen Huang CEOは当初、プレイヤーは「完全に間違っている」と強い言葉で反論しました。
「DLSS 5はゲームのジオメトリ・テクスチャ・あらゆる要素のコントロール性と生成AIを融合させたものです。それらはすべてゲーム開発者の直接的なコントロール下にあります。これは一般的な生成AIとは異なり、コンテンツをコントロールできる生成AIです。だからこそニューラルレンダリングと呼んでいます」とHuang氏は述べました。
その後、Huang氏はより穏やかなトーンで改めて反応しました。「ゲーマーの視点は理解できるし、彼らの気持ちはわかります。私自身もAIスロップは好きではありません。ただ、DLSS 5がやろうとしていることはそれとは違います。テクスチャやアーティストの表現によって制御されており、すべてのフレームを向上させますが、何も変えません」と述べ、生成AIの活用を引き続き擁護しています。
DLSS 5の今後——対応タイトルと展開
DLSS 5は今年後半にリリースされる予定とされており、PC向けの複数タイトルへの対応が見込まれています。Resident Evil Requiem、Starfield、Assassin's Creed Shadowsなどが対応タイトルとして挙げられています。
Q&A
Q. DLSS 5の「ヤス化」問題とは何ですか? NvidiaがDLSS 5のデモ映像を3月に公開した際、RE:Requiemの主人公Grace Ashcroftが生成AIによるアップスケーリングの結果、原作デザインとはかけ離れた外見に変わってしまった問題です。プレイヤーからは「キャラクターデザインを勝手に変えている」として強い批判が寄せられました。
Q. CapcomはDLSS 5の使用を公式に認めているのですか? プロデューサーの熊澤氏はEurogamerのインタビューでCapcomの関与については直接言及できないとしており、公式な立場については熊澤氏自身が明言を避けています。