スマホが心拍数や血圧を画面だけで測れる日が来るかもしれません。サムスンディスプレイが2026年5月、米ロサンゼルスで開催された「SID Display Week 2026」において、スマートフォン向けの新型OLEDパネルを2種類披露しました。超広色域を実現する「Flex Chroma Pixel OLED」と、ディスプレイ単体で健康指標を計測できる「Sensor OLED」です。いずれも現時点では製品への搭載時期は明らかにされておらず、研究・展示段階の技術デモと位置づけられています。
最大3,000nitsと96%のBT.2020色域——「Flex Chroma Pixel OLED」
1つ目の新技術「Flex Chroma Pixel OLED」は、色と輝度の両面で現行スマートフォンの水準を大きく超えることを目指したパネルです。
高輝度モードでは最大3,000nitsの輝度に達する可能性があると報じられており、屋外での視認性が大幅に向上する可能性があります。さらに注目すべきは色域で、国際電気通信連合(ITU)が定める超広色域規格「BT.2020」の96%をカバーできる可能性があると伝えられています。BT.2020は現行の映像・ディスプレイ規格の中でも最上位クラスに位置する広色域標準であり、Android Authorityによると、このパネルは現在の多くのスマートフォン画面よりも正確で豊かな色表現ができる可能性があるとのことです。HDR映像の色がより自然で鮮やかに見えるなど、映像視聴体験の改善が期待されます。
サムスンディスプレイは、新たなディスプレイ材料を組み合わせることで、OLEDで課題となりがちな消費電力とパネル寿命のトレードオフを抑制しながらこの性能を実現したと説明していると伝えられています。
心拍・血圧をディスプレイ単体で計測——6.8インチ「Sensor OLED」
2つ目の「Sensor OLED」は、スマートフォンサイズの6.8インチパネルに有機フォトダイオードを直接埋め込んだ技術です。画面が発する光を利用して血流を測定することで、心拍数や血圧といった健康指標を計測できる可能性があると報じられています。スマートウォッチのような別途ハードウェアを必要としない点が特徴とされています。
センサーと表示画素を同一レイヤーに収めることは技術的に難易度が高いとされていますが、サムスンディスプレイは500PPIの解像度を達成したと述べていると伝えられており、フラッグシップスマートフォンと同等の精細度を維持しているとされています。
さらに今回の展示では、プライバシーディスプレイ技術「Flex Magic Pixel」をSensor OLEDにも組み込んだことが明らかになりました。この技術により、健康データなどの機密情報を斜め方向から覗き込まれた際に非表示にしつつ、正面からは通常通り画面全体を視認できる可能性があると報じられています。健康計測中に隣の人に数値を見られる心配が減るという、実用的なプライバシー保護機能として紹介されています。
製品搭載はまだ先——今後の展開に注目
Android Authorityは、これら2つの技術はいずれも現時点でスマートフォンへの搭載が差し迫っているわけではないと報じています。あくまで研究・展示段階の技術であり、実際の製品に採用される時期は明らかにされていません。
今回展示された技術が将来のGalaxyシリーズや他社スマートフォンに採用される可能性はあると伝えられています。ただし現時点では続報を待つ段階であり、製品化の具体的なスケジュールは今後の発表を確認する必要があります。
Q&A
Q. Sensor OLEDはいつのスマートフォンに搭載されますか? 現時点では搭載時期は発表されていません。SID Display Week 2026での展示はあくまで技術デモであり、製品化のスケジュールは明らかにされていません。
Q. Flex Chroma Pixel OLEDの3,000nitsという輝度はどのような意味がありますか? ソース記事では現行機種との具体的な比較数値は示されていません。屋外での視認性向上に大きく寄与する可能性があることは、Android Authorityも報じています。
Q. Sensor OLEDのプライバシー機能「Flex Magic Pixel」とはどのような技術ですか? 斜め方向からの覗き見を防ぎつつ、正面からは通常通り画面全体を表示できる仕組みとして紹介されています。今回のSensor OLEDではこの技術が組み込まれており、健康データなどの機密情報を保護できる可能性があると伝えられています。