Samsung DisplayがDisplay Week 2026の初日(2026年5月5日)に、画素密度500ppi・心拍数と血圧を画面上で計測できる新型OLEDパネルを含む複数の次世代ディスプレイ技術を公開しました。健康管理機能とプライバシー保護機能を1枚のパネルに統合するという試みのほか、最大3,000nitsの高輝度パネルや車載向けStretchable Display 2.0など、いずれも既存製品からの大幅な進化が示されています。
指を当てるだけで心拍・血圧を測定——Sensor OLED Displayの仕組み
今回発表された「Sensor OLED Display」は6.8型のパネルで、通常のOLED素子と並んで有機フォトダイオード(organic photodiodes)が埋め込まれています。ディスプレイ自体が発した光が指に当たって反射する際の血流変化を検出することで、心拍数と血圧を計測する仕組みです。専用センサーを別途搭載するのではなく、ディスプレイ素子と一体化している点が特徴です。
さらにこのパネルには、Samsung Displayが「Flex Magic Pixel」と呼ぶ技術も統合されており、これがプライバシーディスプレイ(Privacy Display)機能の核心となっています。正面以外の角度からは画面が見えにくくなる機能で、健康データの計測とプライバシー保護を1枚のパネルで実現しています。
画素密度は500ppiで、昨年デモされたパネルの374ppiから大幅に向上しています。将来のGalaxy S Ultraシリーズへの搭載については、ソース記事は「Could we see this in a future Galaxy S Ultra? Maybe.」と推測にとどめており、現時点では確認されていません。
最大3,000nitsの高輝度パネル「Flex Chroma Pixel」
同時に発表された「Flex Chroma Pixel」は、輝度と色再現性の両立を目指した新型ディスプレイです。Samsung Display独自の高輝度OLED技術「LEAD」を採用しており、偏光板を使わない構造によって消費電力を抑えながら、High Brightness Modeで最大3,000nitsを達成しています。屋外など明るい環境での視認性向上が期待される数値です。
色再現性についても、BT.2020色域の96%をカバーするとされています。発光材料には、色純度と色精度の向上をもたらすPhosphorescent Sensitized Fluorescence(PSF)を採用しています。輝度を上げると色精度が落ちるという従来のトレードオフを克服した点を、Samsung Displayは強調しています。
EL-QDディスプレイ——2サイズで輝度向上を実現
量子ドット(QD)パネルの分野では、新世代の「EL-QD」ディスプレイを2サイズで展示しました。18型モデルは昨年の400nitsから500nitsへ向上しており、6.5型モデルは400nitsを達成(同種パネル比+33%)しています。Samsung DisplayはこのEL-QDディスプレイ全体として、少なくとも25%以上の輝度向上を実現したとしています。
走行状況に応じて形が変わる車載パネル——Stretchable Display 2.0
車載向けとして展示された「Stretchable Display 2.0」は、インストルメントクラスター(計器パネル)として設計されており、走行状況に応じてスピードメーターの形状が伸縮・変化する点が特徴です。画素密度は200ppiで、これは前バージョン(Stretchable Display 1.0)の120ppiから67%向上した数値です。Samsung Displayは200ppiを車載ディスプレイの基準値として位置づけています。
今回公開されたいずれの技術も、現時点では製品への搭載時期や対象モデルは明らかにされていません。特にSensor OLED DisplayのGalaxy製品への採用については、続報を待つ必要があります。
Q&A
Q. Sensor OLED Displayの心拍・血圧測定は、どのように機能しますか? パネルに埋め込まれた有機フォトダイオードが、ディスプレイの光が指に反射する際の血流変化を検出することで計測します。専用センサーを別途搭載するのではなく、ディスプレイ素子と一体化している点が特徴です。
Q. このSensor OLED DisplayはGalaxy S Ultraに搭載されますか? 搭載の可能性についてはソース記事が「Maybe」と推測にとどめており、搭載製品・発売時期ともに現時点では確認されていません。あくまでDisplay Week 2026でのデモ展示段階です。
Q. Stretchable Display 2.0はどのような用途を想定していますか? 車載のインストルメントクラスター(計器パネル)として設計されており、走行条件に応じてスピードメーターの形状が変化する用途を想定しています。Samsung Displayは200ppiを車載ディスプレイの基準値として位置づけており、前バージョンの120ppiから67%の密度向上を果たしています。