リモコンでの文字入力地獄から、ついに解放されるかもしれません。Google検索の「AI Mode」が公開から約1年で月間10億ユーザーに到達するなか、その流れを汲む会話型AI検索「Ask YouTube」が、YouTubeのTVアプリに拡大されます。Android AuthorityのTushar Mehta氏が2026年6月1日に伝えたところによると、リモコンに向かって自然な文章で質問を投げかけるだけで、動画の該当シーンへ直接ジャンプできる体験がテレビに来るというわけです。現時点では米国のYouTube Premium会員かつ18歳以上の少人数を対象にしたテスト段階です。
リモコンで話しかけるだけ——動画の該当シーンに直接ジャンプ
Ask YouTubeは先月Googleが発表した機能で、検索ボックスに特定のキーワードを入れる代わりに、文章のような長めの質問を投げて関連動画や動画内の該当セクションを提示してくれる仕組みです。動画の該当部分にピンポイントで案内してくれるため、長い解説動画を早送りしなくても欲しい情報に一発で到達できる点が、これまでのYouTube検索との違いだといいます。
TVアプリでの使い方は2通りが案内されています。
- リモコンのマイクボタンを長押しして質問を音声で投げる
- 検索バーにキーワードを入力し、続けて「Ask YouTube」ボタンを押して会話型の結果に切り替える
ホームフィードからの利用に加え、動画再生中にマイクボタンを長押しして質問することも可能です。視聴中の質問操作は、既存の動画内Q&A機能ではなく新しい検索を開始する挙動になるといいます。
対応プラットフォームと適用範囲——Google TVに限定されない
今回のTV展開は、Google TVだけを対象にしたものではないと伝えられています。スマートTV・ゲーム機・ストリーミング端末などYouTubeのTVアプリが動作する複数のプラットフォームに広がる形での展開です。
ただし提供範囲には明確な条件があります。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 加入プラン | YouTube Premium会員のみ |
| 地域 | 米国 |
| 年齢 | 18歳以上 |
| ロールアウト | 「小規模なユーザーグループ」から開始 |
これはWeb版で先行提供されている条件と同じで、TV版でも同様の条件が適用される見込みです。なお、Googleは今後数か月のうちに世界各国のユーザーへ提供範囲を拡大する計画だとされており、日本のYouTube Premium会員が利用できる時期や具体的な条件は現時点では明らかになっていません。
なぜ「TVにGemini」が今回は理にかなうのか
YouTubeのTVアプリにGemini系のAIが追加されるのは初めてではありませんが、Tushar Mehta氏は今回の拡大について、テキスト入力が苦痛なTV環境とAsk YouTubeの音声中心UIとの相性が良いと評価しています。リモコンでのテキスト入力は誰もが煩わしさを感じる場面で、マイク長押しで自然な質問を投げられる体験は、TVという入力デバイスの制約と素直にかみ合うという見立てです。
背景にあるのが、冒頭で触れた検索の「AI Mode」が公開から約1年で月間10億ユーザーに到達したという数字です。会話型検索の需要が膨らみ続けるなかで、YouTube側にも同様の体験を持ち込む流れが続いている、と読める展開です。
現時点では米国のYouTube Premium会員かつ18歳以上で、さらに「小規模なテストグループ」に選ばれた人だけが触れられる機能です。日本のユーザーは続報を待つのが妥当な状況だと言えます。
<!-- ENRICH:START -->Shortsには「Gemini Omni」が無料導入——AIリミックスは10秒・3枚まで
Google I/O 2026では、Ask YouTubeと並行してYouTube Shortsへ「Gemini Omni Flash」が追加されています。テキストプロンプトを与えて動画を改変できる仕組みで、ピクセルアートやアニメ、ファウンドフッテージ風ホラーといったスタイルへの変換が紹介されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加工可能な長さ | 最大10秒 |
| 参考画像 | 最大3枚 |
| 入力方法 | カスタムプロンプト/AI提案プロンプト/写真アップロード |
| 提供価格 | 無料(Shorts Remix・YouTube Create) |
リミックス作品にはデジタル透かしと識別メタデータ、元動画へのリンクが付与され、視聴者が元クリエイターへ辿り着ける動線が確保されています。元動画のクリエイター側はShorts上のビジュアルリミックス対象から自身の作品を外す「オプトアウト」も可能だと案内されています。Ask YouTubeが有料会員向けに段階展開されているのに対し、Shorts向けのGemini Omniは無償で広く提供されている点が対照的です。
入口は「YouTube Labs」——米国Premium会員向けのオプトイン窓口
Ask YouTubeを試せる入口となっているのが、Googleが新設した実験プログラム「YouTube Labs」です。Premium加入者がwww.youtube.com/newから自らオプトインしてサインアップする方式で、早期プロトタイプや「最先端のAI実験」に触れられる枠組みとして位置づけられています。
- 対象: 米国在住のYouTube Premium会員
- 参加方法: youtube.com/new にアクセスしてオプトイン
- 参加枠: 限定人数の米国ユーザーから順次招待
- 提供形態: 実験的機能の早期テストプログラム
国際展開のスケジュールは未発表で、Googleは「他の国や地域へいつLabsを提供するかは発表していない」とされています。Ask YouTubeに加えて今後リリースされる実験機能もこの窓口を通じてテストされる見込みで、米国外のユーザーがLabs経由の新機能に触れるには、まずLabs自体の地域拡大を待つ必要があります。Premium加入という条件は維持されており、無料アカウントでは現時点でこの実験枠に参加できない仕組みです。
<!-- ENRICH:END -->Q&A
Q. 従来のYouTube検索や音声検索(Voice Search)と何が違うのですか? 従来の検索やVoice Searchはキーワードに合致する動画一覧を返す仕組みでしたが、Ask YouTubeは文章のような長めの質問を受け取り、関連動画だけでなく動画内の該当セクションまで案内してくれる点が異なるとされています。クリップ全体を見なくても答えにたどり着けるよう設計されている、というわけです。
Q. 動画再生中の質問は、既存の動画内Q&A機能と同じものですか? 別物だと報じられています。動画再生中にリモコンのマイクボタンを長押しして質問しても、既存の動画内Q&A機能ではなく、新しい検索(Ask YouTube)を開始する挙動になるといいます。
Q. Google TV以外のスマートTVやゲーム機でも使えますか? 今回のTV展開はGoogle TV専用ではなく、スマートTV・ゲーム機・ストリーミング端末などYouTubeアプリが動作する複数のプラットフォームに広がるかたちでの展開だと伝えられています。
出典
- Android Authority — YouTube for TVs is getting another dose of Gemini, but it could make sense for once
- YouTube Official Blog — Introducing YouTube Labs: Shape the future of AI on YouTube
- Digital Trends — YouTube gets Gemini Omni for free, but its best AI search features stay behind a paywall