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AppleがEU商標紛争で部分勝訴——中国企業の柑橘ロゴ、PC関連製品での登録を阻止

GadgetDrop 編集部3
AppleがEU商標紛争で部分勝訴——中国企業の柑橘ロゴ、PC関連製品での登録を阻止

EU知的財産庁(EUIPO)が、中国企業・Yichun Qinningmeng Electronicsによる柑橘形ロゴの商標登録申請に対するAppleの異議申し立てを、一部認める決定を下しました。キーボードなどPC関連製品での登録は却下されましたが、ソーラーパネルについては申請が認められるという、部分的な勝訴となっています。

問題となった「柑橘ロゴ」とは

今回の商標紛争の発端は、昨年7月にAppleがEUIPOに異議申し立てを行ったことです。Yichun Qinningmeng Electronicsが登録を求めていたのは、丸い柑橘系の果物を描いたロゴで、左向きの葉、右側に欠けた部分、キーボードのキーを思わせる下部のセグメント、太陽光線を連想させる上部のセグメントで構成されています。

Appleは、これらの要素の多くが自社ロゴを想起させるものであり、特にコンピューターや電子機器関連の製品においてその類似性が問題になると主張しました。

EUIPOの判断:PC関連はNG、ソーラーパネルはOK

EUIPOは、Appleが「EU内の関連する消費者の間で高い知名度を持つ」と認めつつも、「知名度が主張されているすべての商品に対して当てはまるわけではない」と判断しました。

PC関連製品については、両ロゴの視覚的な類似度は「非常に低い」としながらも、消費者がAppleロゴと精神的に結びつける(「メンタルリンク」を形成する)可能性があると結論付け、Appleの異議申し立てを認めました。

一方、ソーラーパネルについては、「光電効果によって太陽光を直接電気エネルギーに変換するデバイス」であり、対象となる消費者層もまったく異なり、Appleの関連商品とは「明確な共通点がない別の産業・商業セクターに属する」と判断。消費者がソーラーパネルのロゴを見てAppleを想起する可能性は「非常に低い」として、こちらの申請は認められました。

商標異議申し立てが認められる条件

EUIPOによると、商標異議申し立て(EU商標規則第8条第5項)が認められるには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 両商標が同一または類似していること
  • 申し立て側の商標が知名度を持つこと
  • その知名度が、申請された商標の出願日より前から、対象地域・対象商品において存在すること
  • 申請商標の使用が、既存商標の識別力や評判に不当な利益をもたらす、または損害を与えるリスクがあること

これらの条件は「累積的」であり、いずれか一つでも欠ければ異議申し立ては却下されます。今回のケースでは、Yichun Qinningmeng Electronics側が「正当な理由(due cause)」を主張しなかったことも、PC関連製品での敗訴につながった要因のひとつです。

Q&A

Q. Appleは今回の商標紛争で完全勝訴したのですか? いいえ、部分的な勝訴です。キーボードなどPC関連製品へのロゴ商標登録は阻止できましたが、ソーラーパネル分野での登録はEUIPOに認められています。

Q. なぜソーラーパネルはAppleの異議が認められなかったのですか? EUIPOは、ソーラーパネルはAppleが知名度を持つコンピューター関連製品とは対象消費者・流通チャネル・産業セクターがまったく異なるため、消費者がAppleロゴを想起する可能性は非常に低いと判断しました。

出典

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