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AppleがLPDDRメモリ市場を買い占めか——中国OEMはUltraフラッグシップの廃止を検討との報告

GadgetDrop 編集部5
AppleがLPDDRメモリ市場を買い占めか——中国OEMはUltraフラッグシップの廃止を検討との報告

Wccftechは2026年5月3日、Appleが市場に流通するLPDDRモバイルDRAMを積極的に確保し、競合他社のメモリ調達を圧迫している可能性があると報じました。同時にAppleはiPhoneの価格を可能な限り据え置く方針をとっているとされており、製造コストが高騰する中国OEMのUltraクラスフラッグシップが存続の危機に立たされているとの情報も出ています。

なお、Wccftechの同記事では冒頭で、Appleが米国内製造計画(American Manufacturing Plan=AMP)を拡張し、新たに4社のサプライチェーンパートナーを加えたことも明記されています。

Appleは「メモリ不足ではない」と宣言——その裏にある戦略とは

Wccftechによると、Appleは今週の決算説明会で、自社製品のボトルネックはメモリではなくTSMCの先端ノード製造能力だと明言したと伝えられています。この発言は一見地味に見えますが、その含意は大きいとWccftechは指摘しています。

保守的な試算によれば、AppleのiPhoneは今年だけで2.4エクサバイトものメモリを消費する見込みとされています。それほどの規模の需要を持ちながら「メモリ制約はない」と言い切れる背景には、同社が市場に出回るモバイルDRAMを積極的に確保している可能性があると読めます。

Wccftechによると、2026年4月初旬にはAppleが「市場に出回るモバイルDRAMをすべて買い占めている」とするサプライチェーン情報が浮上していました。その数日後、Daishin Securitiesがこの情報を部分的に裏付けるかたちで、Appleが競合他社の出荷目標達成を妨げるためにメモリを囲い込んでいる可能性があるとの見方を示したと、Wccftechは報じています。Appleは自社のiPhone出荷目標を2億4,000万台(保守的な数字とされています)に引き上げているとも伝えられています。

さらに別の報告では、AppleはSamsungとともに「LPDDRメモリ市場を席巻」しており、主要メモリベンダーと長期契約(LTA)を締結しつつあるとされています。

iPhoneの価格据え置き戦略が中国OEMを直撃

Appleはメモリを確保しながら、製品価格を可能な限り凍結する方針をとっているとされています。値上げが避けられない場合でも、M4搭載Mac miniのケースのように、エントリーモデルの一部を廃止することでハイエンドモデルの価格を守る姿勢を見せているとWccftechは報じています。

この戦略が中国OEMに与える打撃は深刻です。情報提供者のSchrödinger(phonefuturist)によると、中国OEMのUltraクラスフラッグシップにおけるBOM(部品調達コスト)は現在約917ドルに達しているとされています。この水準では採算を確保しながら競争力のある価格設定を行うことが極めて困難であり、多くの中国OEMがUltraスマートフォンの廃止、あるいは超限定モデルとして位置づけることを検討しているとSchrödingerは報告しています。

Appleが中国市場でどれほどの存在感を持つかを示す数字もあります。Wccftechによると、iPhone 17シリーズはすでに中国で2,000万台のアクティベーションを記録しており、そのうち約1,000万台がiPhone 17 Pro Maxによるものとされています。Wccftechはこの数字を踏まえ、「中国OEMは現在のAppleのフラッグシップ価格では太刀打ちできない」と評しています。

「スペックを追いすぎなかった」Apple・Samsungの判断が正解だったのか

Schrödinger(phonefuturist)はこの状況を受けて、「AppleとSamsungがスペックを過度に追わず、アップグレードのペースを抑えてきたことは正しかったのではないか」という問いを投げかけています。

メモリ価格の高騰とサプライチェーンの混乱が続く中、スペック競争に突き進んだ中国OEMは高いBOMコストに苦しみ、一方でメモリを戦略的に確保しながら価格を据え置いたAppleは市場シェアを拡大できる立場にあると読める、との見方もあります。ただし、これはWccftechおよびSchrödinger(phonefuturist)の見方であり、各社の公式見解ではありません。

現時点では、Schrödinger(phonefuturist)の報告によれば中国OEMがUltraフラッグシップの廃止または超限定モデル化を検討しているとされていますが、いずれかのメーカーが廃止を正式に発表したという情報は確認されていません。続報を待ちながら、今後のフラッグシップ市場の動向を注視するのが妥当です。


Q&A

Q. AppleはなぜLPDDRメモリを大量に確保しようとしているのですか? Wccftechの報告によると、競合他社のメモリ調達を圧迫して出荷目標の達成を妨げる狙いがある可能性があるとの見方もあります。Daishin Securitiesがこの見方を部分的に裏付けているとされていますが、Appleが公式にこの戦略を認めたわけではありません。

Q. 中国OEMのUltraフラッグシップは本当に廃止されるのですか? 情報提供者のSchrödingerが廃止または超限定モデル化を検討している可能性を報告していますが、現時点でいずれかのメーカーが廃止を正式に発表したという情報は確認されていません。BOMが約917ドルに達しているという数字はその検討の背景として示されたものです。

出典

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GadgetDrop 編集部

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