1990年代のインターネット黎明期に自然言語検索を先駆けた「Ask Jeeves」の後継サービス「Ask.com」が、2026年5月1日をもって正式に閉鎖されました。親会社のIACが公式声明を発表し、30年にわたるサービスに終止符を打っています。
IACが「検索事業の終了」を公式発表
Ask.comにアクセスすると、現在はIACによる最後のメッセージが表示されます。その内容をTom's Hardwareが伝えており、以下のように記されています。
「IACが事業の選択と集中を進める中、Ask.comを含む検索事業を終了する決断を下しました。25年間にわたって世界中の疑問に答え続けてきたAsk.comは、2026年5月1日をもって正式に閉鎖しました」
声明はさらに続きます。「何百万もの質問を投げかけてくれた皆さんへ——Ask.comを築き、支え続けた優秀なエンジニア、デザイナー、チームの皆さんに深く感謝します。そして急速に変化する世界の中で答えを求めてくれた何百万ものユーザーの皆さん、あなたの尽きない好奇心と忠誠心、信頼に感謝します。Jeevesの精神は永遠に続きます」
なお、オリジナルの「AskJeeves.com」ドメインは現時点でもオンライン状態にあり、限定的な範囲で検索結果が表示される可能性があるとTom's Hardwareは伝えています。
Googleより2年ほど早く誕生した「自然言語検索」の先駆者
Ask Jeevesが特筆すべき存在だったのは、キーワードや論理演算子(Boolean operators)を使わずに、まるで人に話しかけるように質問を入力して検索できる「自然言語クエリ」を採用していた点です。これは現代のAI搭載検索エンジンが当たり前のように実装している機能であり、大規模言語モデル(LLM)なしにその概念を体現していた点で、今日のAIチャットボットの先駆けとも言えます。
Tom's Hardwareによると、Ask JeevesはGoogleより2年ほど古いサービスであるにもかかわらず、2000年代にGoogleとYahoo!が検索市場の定番となる中で競争に敗れていきました。Tom's Hardwareは、Ask JeevesはGoogleの革新的な「PageRankアルゴリズム」の犠牲となった1990年代の検索エンジン「Alta Vista」と同じ道をたどったと報じています。
AIへのピボットも行わず、静かに退場
近年、本業とは無関係な企業でさえAIやデータセンター、半導体事業への転換を図る動きが広がっています。Tom's Hardwareは、経営難のシューズ・アパレルブランド「Allbirds」や日本のトイレメーカー「Toto」といった企業名を例として挙げています。しかしIACはAsk.comをAIサービスとして刷新する道を選ばず、そのまま閉鎖する判断を下しました。
Yahoo!は現在も存続しているものの、Googleに大きく水をあけられた状態が続いています。Googleはその後、検索にとどまらない総合テック企業へと成長し、現在はAI競争の主要プレイヤーの一角を担っています。
自然言語検索という概念を30年前に世に送り出したAsk Jeevesが、AIが検索を再定義しようとしているまさにこの時代に幕を閉じるのは、歴史の皮肉とも言えるかもしれません。
Q&A
Q. Ask.comはもう完全に使えなくなったのですか? 2026年5月1日をもってAsk.comは正式に閉鎖されました。現在アクセスするとIACの閉鎖声明が表示されます。一方、オリジナルの「AskJeeves.com」ドメインはまだオンライン状態にあり、限定的な検索結果が表示される可能性があるとTom's Hardwareは伝えていますが、正式なサービスとしては終了しています。
Q. Ask JeevesはなぜGoogleに勝てなかったのですか? ソース記事では、Ask JeevesはGoogleより2年ほど古いサービスであったにもかかわらず、2000年代にGoogleとYahoo!が市場の定番となる流れに抗えなかったと伝えられています。またTom's Hardwareは、Ask JeevesがGoogleの革新的な「PageRankアルゴリズム」の犠牲となった「Alta Vista」と同じ道をたどったと報じています。Ask JeevesはGoogleより先に自然言語検索という先進的な概念を実装していましたが、結果として競争の波に飲み込まれていきました。