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Googleが「Gemini for Home」を外部メーカーに開放——設計図まで配布、AT&Tとも提携

GadgetDrop 編集部7
Googleが「Gemini for Home」を外部メーカーに開放——設計図まで配布、AT&Tとも提携

Googleが、スマートホーム市場でAmazonやAppleを追い上げるため、ソフトウェアもハードウェアの設計図も外部メーカーに無料で配り始めました。自社のAI基盤「Gemini for Home」をフルスタックで開放し、リファレンスデザインまで提供する新プログラムを発表したのです。対象機能はCamera Intelligence・Ask Home・Home Briefの3つ。Android Authorityが報じています。

ソフトとハードを丸ごと提供するフルスタック開放

Googleは「Gemini for Home」をフルスタックのAIプラットフォームとして提供し、開発者やハードウェアメーカーがGemini対応デバイスを作れるようにします。ソフトウェア側で利用可能になる機能として挙げられているのは、以下の3つです。

  • Camera Intelligence: セキュリティカメラの実際の映像をGeminiがスクラブ(早送り解析)し、必要な瞬間まで誘導する機能
  • Ask Home: 自然言語でスマートホーム内の各機器を操作する機能
  • Home Brief: 家庭内のセンサーやカメラのデータから、その日の重要な出来事を要約する機能

これらはGoogle Homeの大型刷新で導入された機能群であり、現在も段階的に展開されている段階だとされています。

R&Dコストを削るための「設計図」配布

今回の発表で特徴的なのは、ソフトウェアSDKの提供にとどまらず、ハードウェアの**リファレンスデザイン(設計図)**まで提供する点です。マイクロプロセッサ・カメラモジュール・マイクなど、Gemini for Homeを組み込むのに最適な部品構成を示すことで、メーカー側のR&Dコストを抑える狙いだと読めます。

最初に対象となる製品カテゴリーは、スマートカメラスマートスピーカーの2つです。リファレンスデザインを使うことで、Hi-Fiスピーカーや高画質セキュリティカメラの製造を簡略化できると説明されています。

読者目線で見ると、この開放によって今後はGoogle純正以外のメーカーからもGemini対応スマートスピーカーやカメラが登場しやすくなり、選択肢が広がる可能性があります。一方でGemini for Homeはサブスクリプション前提であるため、ハード本体の価格だけでなく月額コストも含めて購入判断する必要が出てきます。

なお、このプログラムが大手メーカーに限定されるのか、DIYer(自作派)や個人開発者にも開かれるのかについては明言されていません。すでに参加希望者向けの登録フォームは公開されています。

AT&Tなど通信事業者とも提携、配布チャネルを拡大

Googleはハードウェアメーカーだけでなく、ISP(インターネット接続事業者)や通信キャリアとも提携を進めます。具体的な事例として挙げられているのがAT&Tで、同社のスマートホーム関連アプリ「Connected Life」にGeminiベースのインサイト機能を組み込むことが報じられています。

通信事業者経由ではGoogle Homeのサブスクリプションが特典としてバンドルされるほか、事業者自身のスマートホームソリューション強化にもGoogleの技術が提供されると説明されています。

過去の家電メーカー連合はヒットせず——今回の開放で潮目は変わるか

Googleが家電メーカーと組んでスマートホーム機器を作るのは初めてではありません。これまでも複数のオーディオブランドや家電メーカーと、スマートスピーカーやGoogle Assistant搭載のスマートディスプレイで提携してきた経緯があります。

ただし、こうしたパートナー製品が目覚ましいヒットに至っていない点には注意が必要だと、Android Authorityは指摘しています。今回のフルスタック開放によって流れが変わるかどうかは未知数です。

加えて、ユーザー側に直接効いてくる重要な制約があります。Gemini for Homeはサブスクリプションなしでは機能しません。今回のパートナー戦略は、対応機器を増やしてエコシステムを広げると同時に、AIサブスクの販売機会を拡大する狙いも持つと読めます。

リーク・噂レベルの話ではなく、Google自身が公表したパートナープログラムである一方で、対象メーカーの開放範囲・日本市場での展開時期・国内ISPやキャリアとの連携については現時点で公表されていません。スマートホーム機器の購入を検討している場合、サブスク契約とセットになる前提を踏まえて、続報の様子を見ながら判断するのが妥当です。

最初のパートナーはWalmart、チップは Amlogic らが供給

「Gemini built in」プログラムの第一弾パートナーとして名乗りを上げたのはWalmartです。同社は新たに「onn Indoor Camera Wired」と「onn Video Doorbell Wired」を投入し、最大1080pのライブビュー解像度とインテリジェントアラートを手頃な価格で提供します。さらにOnnブランドの Gemini スマートスピーカーもリークしており、低価格帯への裾野拡大が進む見通しです。

リファレンスデザインを支えるサプライヤー陣

ハードウェア側の中核を担うのは、Googleが組んだ半導体・モジュールベンダーです。プログラムは単なる仕様書ではなく、Amlogic・SEI Robotics・Apicalといったパートナーと共同で構築した、SoC・センサー・マイクを含む検証済みのリファレンスデザインを提供するターンキー型ソリューションになっています。これにより参入メーカーは検証コストを大幅に削減できる構造です。

サブスク料金とAT&T連携の具体的な中身

ユーザー負担の前提となる料金構造も明らかになっています。Google Home Premiumは旧Nest Awareの後継で、標準プランが月10ドル(年100ドル)、「Advanced」はその倍額、月20ドルのAI Pro加入者には標準アクセスが含まれ、月250ドルのUltra加入者はAdvancedを利用できます。

AT&T Connected Lifeのパッケージ詳細

項目内容
StarterキットNest Doorbell・セキュリティハブ・センサー類で399ドル
AdvancedキットNest Cam等を含むフル構成で699ドル
Essentialプラン月10.99ドル(税別)
Professionalプラン月21.99ドル(税別)

電源喪失やブロードバンド断時には自動的にAT&TのLTE網へ切り替わるセルラーバックアップが搭載されており、回線が落ちてもセキュリティ機能を維持します。またAT&TはAffirmと提携し、端末代金を分割で支払えるオプションも用意しています。

Q&A

Q. 今回開放されたプログラムの対象機器は何ですか? 最初に対象となるのはスマートカメラとスマートスピーカーの2カテゴリーです。Googleはマイクロプロセッサやカメラモジュール、マイクなどを含むリファレンスデザインをメーカーに提供します。

Q. 日本のメーカーや日本市場での展開はどうなりますか? 現時点では明らかにされていません。発表内ではAT&T(米国の通信事業者)との提携が具体例として挙げられており、日本のISPやキャリアとの連携については言及がありません。

Q. Gemini for Homeはサブスクリプションなしでも使えますか? 使えません。Geminiベースの機能はサブスクなしでは動かないとされており、対応ハードウェアを購入してもサブスク契約が前提となります。ハード価格だけでなく月額コストを含めた総額で購入判断する必要がある点には特に注意が必要です。

出典

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